MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

血管を強くして突然死を防ぐ!(池谷敏郎)

『血管を強くして突然死を防ぐ!』(池谷敏郎)
 血管の病気は自覚症状もなく元気に過ごしている人に突然降りかかってくる。自らの詩に向き合う時間も取れず、お別れも言えない。また、命は助かっても、ほとんどの人は不自由な体を抱えてリハビリに励む生活に陥ることが多い。そんな怖い血管の病気ですが、一方でで心疾患や脳血管疾患は予防ができる病気でもある。本書は、血管力を高めるために日常生活で取り組めることをまとめた血管若返りのための一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯血管は3重構造のホース

・血管は、内側から「内膜」「中膜」「外膜」でできている。

動脈硬化のうち圧倒的に数が多い「アテローム硬化」は、血管壁の内部に酸化した脂質(LDL(悪だま)コレステロール)、つまりは油が大量にたまり、それがコブ状の隆起となって血管の壁を厚くし、血液の通り道を狭くする。そうして厚くなった血管壁は次第に硬くなり、もろく破れやすくなる。

・柔畔壊れやすい状態にある動脈硬化のコブは、非常に危険な存在。

・しかし、血管にやさしい食生活や生活習慣を意識していれば、できてしまった動脈硬化の状態をより安定したものに変え、深刻な血管事故を防げる。

 

動脈硬化を呼び寄せる「ARF4+α」

①高血圧

・家庭:135/85mmHg以上

・健診・医療機関:140/90mmHg以上

②脂質代謝異常

・LDLコレステロール:140mg/dl以上

HDLコレステロール:40mg/dl以上

中性脂肪(トリグリセライド):150mg/dl以上

上記のいずれか一つでも該当すれば、脂質異常症

高血糖

・血糖値(早朝空腹時)126mg/di以上は「糖尿病型」

・ヘモグロビンA1(HbA1c)6.5以上は「糖尿病型」

④喫煙

・タバコを吸う人は、狭心症心筋梗塞を発症するリスクが、男性2.9倍、女性3.1倍

⑤肥満・メタボ

・腹囲:男性85㎝以上、女性90㎝以上

 

◯著者ドクター池谷の「なんちゃって糖質制限」生活

 糖質は三大栄養要素(炭水化物、脂質、たんぱく質)の一つ。炭水化物とほぼイコール。血管力を高めるという目的で行うのであれば、生活スタイルにあった形で無理のない範囲で糖質を制限するように意識するだけでいい。具体的には、朝食の主食を抜き、昼食の主食を従来の半分程度にするだけでも、大きな効果が見込める。

①朝食

・「池谷式朝ジュース」

 人参1本半に、りんご、レモンを各2分の1個用意し、そこに小さじ半杯程度のアマニ油かえごま油、あるいはシソ油を加え、石臼式の低速ジューサーで絞る。

②昼食

・近くのコンビニで野菜サラダ(野菜の上に蒸し鶏とゆで卵、あるいはツナなどがつけ合わされているものを選ぶことが多い)。

③コーヒーブレイク

・コーヒーは1日1〜3杯飲むことで、心臓病や脳卒中のリスクが減少するという調査報告書がある(国立ガン研究センターなどの研究チームが2015年発表)。

・コーヒーブレイク用の糖質枠を、朝食と昼食の糖質制限で確保している。

④夕食

・妻が出してくれる料理+お酒もある程度

 

◯腹七分目と思っていても、実際には八分目

・あまり食べ過ぎるのは血管にとってもよくない。

・昔から、「腹八分目に医者いらず」「大食は命のとり越し」と言われる。

 

◯ビーマル1の分泌量を意識する

・ビーマル1とは、脂肪をよりため込みやすくするたんぱく質

・このタンパク質は1日の中で規則的に変化するのが特徴で、夜に強まり、午後2時ごろにかけて日中は弱まる性質を持っている。

・つまり、同じものでもお昼頃に食べればあまり脂肪にならないけれど、朝や、特に夜に食べると脂肪になりやすい。

 

◯n-3系脂肪酸(魚油、アマニ油、エゴマ油、シソ油など)

・n-3系の油には、心筋梗塞などの大きな血管事故を防ぐ効果があることは、ほぼ確実。

・これとは逆に、飽和脂肪酸やn-6系脂肪酸(大豆油、コーン油、紅花油、ひまわり油など)は動脈硬化を促進する働きが強い。

・牛や豚、鳥などの肉を使った料理よりも、n-3系の脂質を含む料理、つまりは魚介類を使った料理をできるだけ選ぶように心がければ十分。

・まず刺身、飽きたら煮魚・焼き魚。魚フライはできれば避ける。

 

◯塩分控えめはやっぱり必要。ただし、1日6g未満は実現困難。

・塩分の過剰摂取は高血圧を引き寄せる。高血圧は動脈硬化の大きなリスク要因だから、結果として動脈硬化が進み、各種血管事故が起こりやすくなる。

 

◯食事の満足度を下げず、塩分摂取量を減らす方法

①塩蔵品、加工食品、インスタント食品を制限する。

②減塩の調味料・食品に切り替える。

③新鮮な旬の食材を使って、素材の味を生かす。

④スパイスや香味野菜、ハーブなど、香りのある食材を使う。

⑤旨味のある昆布、カツオ節などでだしを濃いめにとる。

⑥酢やレモン、柚子などの柑橘類で酸味をつける。

⑦材料の表面に味をつける。

⑧おかずの1品だけを、普通の味付けにする。

⑨味噌汁・スープは具だくさんにする。

⑩味噌やソースは、かけずにつける。

⑪小パック入りの醤油やソースを使い切らない。

⑫自家製のだし割り醤油、ポン酢を常識。

⑬外食では塩分調整ができるメニューを選ぶ。

⑭減塩の意欲を便利グッズで後押しする。

 

カリウム

カリウムは体に取り込まれたナトリウムと、ちょうど対になる働きをする。血圧を下げ、血管の内皮細胞などの働きをサポートするほか、取りすぎた余分な塩分を体外へ排出する作用もある。

・ほうれん草、モロヘイヤ、パセリなど濃い緑色野菜に多く含まれるほか、イモ類や豆類にも多量に含まれる。

 

◯水溶性食物繊維

・水に溶ける繊維は、血液中のコレステロールを減らし、脂肪を分解する酵素の働きを高める作用がある。

・エシャロット、ごぼう、オクラなどに多く含まれる。ヒジキやワカメなどの海藻類や、果物類にも豊富に含まれている。

 

 まるで「血管を強くする生活習慣特集」といった感じの内容でした。上記以外にも簡単に取り入れられるエクササイズなどが紹介されています。食事、大事ですね!毎日積み重ねることだから、意識を高めようって思いました。

血管を強くして突然死を防ぐ! (PHP文庫)

血管を強くして突然死を防ぐ! (PHP文庫)

 

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