MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

究極の呼吸法(ヨギ・ラマチャラカ)

『究極の呼吸法』(ヨギ・ラマチャラカ)(◯)

 これは良い本に出会いました!著者の本名は、ウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(1862〜1932年)。生涯100冊以上の著作を残し、『ザ・シークレット』を著したロンダ・バーンや明治・大正の実業家・思想家の中村天風さんにも多大な影響を及ぼした方です。

 本書は、呼吸法の基本、身体への影響、肺を100%使う完全呼吸法、浄化呼吸、身体を鍛える呼吸のエクササイズといった科学的アプローチのほか、呼吸法のサイキック的・精神的側面、霊的側面にまで触れられています。

 健康に長生きするためにも大切な知恵が満載されている(しかも200ページ弱で読みやすい)おすすめ本です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯今すぐ鼻呼吸を

・鼻から息を吸うのが正しい呼吸法。人間は、口呼吸も鼻呼吸もどちらもできる構造になっているが、どちらを選ぶかは命に関わるほど重要。それによって健康になるか病気にかかり衰弱するかが決まる。

・口呼吸の習慣が、文明人がかかる病気の多くの原因になっていることは疑いない。子供の頃から口呼吸をしていると、無気力で病弱になり、大人になっても虚弱体質で、病気がちになる。

・多くの伝染病は、口呼吸という悪き習慣のせいでうつる。風邪やカタルの多くも口呼吸が原因。

・呼吸器が備えている防御システムはただ一つ、鼻孔の中にある集塵フィルター機能。口呼吸の場合、口から肺に通じる道の中には、空気中のホコリや異物をフィルターするものがない。

・鼻から吸い込んだ空気は、血管が密集した花の粘膜と接触することによって温められる。口呼吸は冷たい空気がそのまま臓器に入るので、臓器にとっても良くない。呼吸器で炎症が起きる原因が、口から冷たい空気を吸ったためであることが多い。寝ている間に口で呼吸している人は、朝起きると喉がカラカラに乾いた感じを覚える。これは、自然の法則を無視し、病の種を撒く行為。

 

◯酸素

・酸素の働きは単に全身を元気にすることだけではない。食べ物を消化するには、食べ物に一定量の酸素が結びつくことが必要。そのための唯一の方法が、栄養素が血中の酸素に接触して燃焼反応を起こすこと。これには、肺から適正な量の酸素が供給されていることが欠かせない。

・十分な酸素の量が取り込めていない人は、血液の働きがうまくいかず、栄養不足になったり、病気になったり、不健康になることがわかっている。間違った呼吸をしている人の血液は、暗く青みがかった色で、動脈本来の赤みがない。そういう人は大抵顔色が悪くなる。正しい呼吸をすると、血の巡りが良くなるので、顔の色艶が良くなる。

 

◯4つの呼吸法

①上肺呼吸

・人類に知られている中で最悪な呼吸法。肋骨と鎖骨と肩が上がる。お腹がへこみ、内臓が押されて、横隔膜が上がる。

・ガラガラ声やだみ声の原因にもなる。

・次の実験をやってみるとわかる。まず肺から全ての息を吐き出す。背筋を伸ばして立ち、手は身体の横に置き、肩と鎖骨を上げる。その状態で息を吸う。吸い込む息の量がいつもよりずっと少なくなることに気づくはず。肩と鎖骨を下ろしてから、息を十分に吸う。この違いを肌で感じたなら、どんな本を読むよりも、どんな言葉で教えられるよりも長く記憶に残るだろう。

②中肺呼吸

・肋骨呼吸、肋間呼吸と呼ばれる。

・横隔膜は押し上げられ、お腹はへこむ。肋骨は少し持ち上げられ、胸の一部が膨らむ。呼吸について学んだことのない男性によく見られる。

③下肺呼吸

腹式呼吸、深呼吸など。

④ヨギの完全呼吸

・上肺呼吸、中肺呼吸、下肺呼吸のいいところどりをした呼吸法。この方法で呼吸すると呼吸器全体が働くため、最小限の消費エネルギーで最大限の効果が得られる。

1)背筋を伸ばして立つか座る

2)鼻から一定のペースで息を吸う。まず肺の下部を空気で一杯にする(横隔膜を使う)。横隔膜が下がると、腹部の臓器に緩やかな圧力がかかり、お腹が前に押し出される。

3)肺の中部を空気で一杯にする。これには、下部肋骨、胸骨、胸郭を外に押し広げる。

4)肺の上部を空気で一杯にする。胸の上の方を突き出すようにして、胸(一番上の肋骨から6または7対目までの肋骨)を持ち上げる。

5)数秒間息を止める。

6)非常にゆっくり息を吐く。

 

◯ヨギが実践する3つの呼吸法

①浄化呼吸

1)完全呼吸で息を吸う

2)数秒間息を止める

3)口笛を吹くときのように口をすぼめ、唇の隙間から少量の息を勢いよく吹き出す(かなり勢いよく吹き出す)。

②神経活性化呼吸

1)背筋を伸ばして立つ

2)完全呼吸で息を吸い、止める

3)両腕を前に伸ばす。腕の力を抜いてだらんとさせる。

4)ゆっくりと手を肩に向かって引き、筋肉を徐々に収縮させ、力を入れていく。

5)筋肉を緊張させたまま、両手の拳をゆっくり前に出し、素早く引き戻す。これを数回行う。

6)口から勢いよく息を吐く

7)浄化呼吸を行う

③ボイス呼吸

1)完全呼吸で、鼻から非常にゆっくりと一定のペースで息を吸う。できる限りたくさんの空気を吸い込む。

2)数秒間息を止める

3)口を大きく開け、1回の吐く息で勢いよく大きく息を吐く。

4)浄化呼吸で肺を休める。

 

 ご紹介した他にも多数のエクササイズが掲載されています。無意識にしている呼吸だけに、意識して身体に習慣づけておきたいものですね。いやぁ、呼吸を甘く見ていました。まずは「鼻呼吸」。ここからです。

究極の呼吸法

究極の呼吸法

 

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