MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

整える習慣(小林弘幸)

『整える習慣』(小林弘幸)

 著者は、順天堂大学医学部教授であり、日本体育協会スポーツドクター。本書は、自律神経を整える毎日のちょっとした習慣108個が紹介されています。社会で生きていくというのは、何かとストレスが多いもの。自分に合った習慣を取り入れることで、自分を整え自分らしく穏やかに過ごすヒントが詰まった一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯モノを片付けて、心を安定させる

・鞄の中がとっ散らかって、探したいものが見つからない瞬間。交感神経は跳ね上がり、血流は悪くなり、集中力が低下し、結果としてパフォーマンスが落ちてしまう。

・必要なものと、必要でないものを分け、必要でないものは鞄から出す。鞄の中はポーチなどを使って整理する。

・情報も同じ。必要な情報が「ひと目でわかる状態」「すぐに取り出せる状態」にしておく。

・財布も同じ。1日1度は財布の中を整理する。

⇨5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)、断捨離とも関連性が深い。環境を整えることは、①効率的、②集中力(無意識レベルで)、③自律神経を整えるという効果がある。財布に関しては、そもそもキャッシュレス生活で財布を持たない選択肢もある。

 

◯1日ごとの体の変化を意識する

・体の状態と仕事の状態をマッチングさせる。午前中は、集中力が高まり、物事を考えるのに適した時間。午前中の勝負の時間を無駄にしない。

・昼食後の2時間は捨ててOK!体は、ノンファンクション(機能しない)状態。ルーティンワークが適している。会議など人と会う時間にするのも良い。

・終了間際の集中力を利用する。ポモドーロテクニックのように25分で区切って5分休憩するというのも、たくさんの締切を意図的に設けるので、「終了間際」の集中力を生み出すことができる。

・内容で区切る仕事と時間で区切る仕事を分ける。内容で区切るとは、キリの良いところで仕事を区切るということ。次回に思い出す時間やストレスを軽減できる。

・雨の日は、体のスイッチが入りにくく、集中力も散漫になりがち。雨の日は、あえて時間を短くして、「この時間だけ集中」という時間を作り出す。

⇨朝活というのは、脳が活性化しやすい時間帯を一人きりで邪魔が入らずに集中できる大切な時間。

 

◯無理した付き合いは断つ

SNSは自律神経を乱すツール。人の投稿を見て、自律神経を乱している人が多い。

・目的が言えないイベントには参加しない。曖昧な状態で参加するとストレスが溜まるだけ。参加・不参加の返事は、最低1日おいて返事をする。意味や目的をちゃんと考えて返事できるので、回答してから覚悟ができず心が揺れることがなくなる。

・安請け合いをやめればストレスは軽減する。

・ゆっくり話せば、余計なことを言うリスクが減り、誰かを傷つけたり、後悔することも減る。

⇨即回答したと仮定して、10分後どう感じるか?即レスは避けて、まず10分は置くようにしています。10分の間にネガティブ感情が湧くようであれば、その依頼は断った方が良いというシグナル。

 

◯体のスイッチを意識する

・一杯の水で体をリセットする。水を飲むと腸が反応し、自律神経の動きが良くなり、体にスイッチが入る。体全体に水分が行き渡るイメージを持って水を飲む。

・気分が乗らない時は、手足を動かす。何かを書く、片付けるという行為も良い。

・座っている時間が長い人ほど早死にする。長時間座っていると血流が悪くなり、脳をはじめとする体全体に十分な栄養素が行き渡らなくなる。

・睡眠の質を高める3つの要素

①夕食は寝る前3時間前までに済ませる

②寝る前2時間はスマホやPC、テレビは観ない

③必ずお風呂に入り、2時間前にはお風呂から出ておく

スマホの時間、座っての作業が昔に比べて増えている現代。特に注意したいポイント。社会が変わっても人間が本来持っているものは変わっていないので、ギャップが大きくなっている点。

 

◯食べ物と食べ方を少し変える

・朝食は時計遺伝子のスイッチを押す。満腹に対して、6〜7分目。消化管に負担をかけない。一部の器官に100のテンションをかけないことが大事。

・1日を逆算して食べる。夕食がガッツリの予定なら、昼は控え目。

・どうでもいい飲み会では禁酒する。食べても腹5分目。

・糖質カットダイエットは医学的にNG。そもそも人間の体には、糖、脂質、タンパク質は必要不可欠。糖を極端に減らすと、体の中ではその不足を補おうとする。それは体のどこかに負担をかけることになり、実際には肝臓や脳に負担がかかることが研究でわかっている。

⇨食べる量に関しては、「出されたものは残さず食べないと勿体ない」という、心の問題との兼ね合いが問題。家なら、器を小さくするなどの工夫も可能。外食なら、「ごはん小サイズ」という選択もある。

f:id:mbabooks:20211026065134j:plain