『No.2理論』(西田文郎)
潰れる会社、伸び悩む会社に共通するのは、「優秀なナンバー2がいない」こと。優秀なナンバー1がいるのに潰れた会社はゴマンとあるが、優秀なナンバー2がいる会社で潰れたところはほとんどない。「ナンバー2が優秀だとなぜ会社は伸びるのか」「どういうナンバー2が本当に優秀なナンバー2なのか」「どうしたら優秀なナンバー2になれるのか」。本書は、こうした企業経営のカギを握るナンバー2について、理解を深めるのに役立つ一冊です。
(印象に残ったところ‥本書より)
〇なぜ社長ではなく、ナンバー2なのか
「目標」も「戦略」も「マネジメント」も、実際社員を動かしてそれを模範となって実行し、形にするのはナンバー2であり、ナンバー2の責務だから。それができる人のことをナンバー2と呼ぶ。
〇3種類のナンバー2
①ポジション的にナンバー1の次
②トップが自分の次に信頼している人
③トップの後継者
⇒ナンバー1は船長であり、舳先に立って船の進路を決定し、進むべき方向を指し示す。ナンバー2は、ナンバー1の指示を受けて、クルーを統率し、ナンバー1が指し示す方向へ実際に船を進める。
〇ナンバー2の顔にはトップも知らないことが書いてある
・ナンバー2の顔が暗かったり、目が死んでいたりしたら社長がどんなに景気のいい話をしていても、社内は沈滞し、空気が淀んでいると思って間違いない。
・目つきや口ぶりからナンバー2が何か不満を抱えていることがはっきりわかるときは、すでに多くの社員がその不満に同調している。
・ナンバー2に緊張感が無いようなら、現場のほうはゆるゆるになっており、社長が社員の意識改革を望んでも思うように進まないケースが多い。
・社長の信頼を裏切る行為をしているナンバー2は、こちらの何でもない質問に答えるときも、社長の様子を気にして、明らかに目つきが落ち着かない。
・不都合な事実を隠しているナンバー2は、一般に多弁である。
・トップと考えが一致しているときは自信に満ちている。
〇これは、ナンバー2の優秀さを占う手がかり
トップが現場のことを分かっているか?
〇ナンバー2が優秀になる魔法のことば
「社長は自分のやりたいことを思いっきりやってください。やりたいことが思い切りできるように私が頑張ります。私に何でも言ってください」
〇戦闘手段の強さの3要素
①的確な目標を立て、現有戦力に相応しい作戦を立てることができる。
②トップが立てた目標や作戦をチームに浸透させ、そこへメンバー全員の気持ちを誘導して一つにまとめ上げる。
③各選手が作戦を確実に実行できる技能を身につけ、充実した気力で試合に臨める。
⇒ナンバー2は①と③をつなぐ、②を担当している。
〇組織にナンバー2が必要な理由
①トップはトップマネジメントに専念しなければならない。
②規模が大きくなると、トップ一人で対応するのは難しくなる。
③トップはオールマイティでなければならないが、人はそうではない。
④「ひとり」は失敗しやすい。
〇役割と能力
①トップマネジメント:概念化能力、洞察力、問題発見能力・解決能力
②ミドルマネジメント:リーダーシップ、コミュニケーション能力、プレゼン能力、調整能力、交渉力
③ロアーマネジメント:高度な処理の力、説明能力、コーチング
〇優秀なナンバー2になるには
①トップの考え方を徹底的に理解する。
②「自分の美学」を捨てる。
③ナンバー1に心底惚れる。
④どうしても惚れられなければ尊敬する。尊敬できなければ、せめて好きにな。好きになれなければ仕方ないから形だけでもナンバー1を立てる。
⑤愚直であれ、とことん愚直であれ
⑥大いなるイエスマンになる(無責任なイエスマンではなく、トップに共感し、トップに自信と確信を与えられるようなイエスマン)
⑦トップにヒントを与えて、積極的に助ける黒子になる。
〇ナンバー2選びのポイント
①ナンバー1とナンバー2の得意分野が異なっていること
②ナンバー2は几帳面な人がよい
③ヒューマンスキルの高い人が向いている
⇒保有能力は決定的な要件ではなく、決定的要件は「自己犠牲力」。
組織を牽引するナンバー1、組織をまとめてトップの実現したいことをサポートしながら実行するナンバー2。どちらかと言うと、私はナンバー2の立ち位置がしっくりくると感じています。このナンバー2、本書にもありますが、ナンバー1とは異なる力量が求められます。ヒューマンスキル+レベルの高いゼネラリスト的能力+視野・思考の柔軟性。優秀なナンバー2というのは、求められるものが相当高いレベルだと思いますが、ここにチャレンジすることには燃えるものがあります。いずれそういう立場で誰かに協力して仕事ができると嬉しいなと考えが広がりました。
No.2理論: 最も大切な成功法則 (能力開発の魔術師・西田文郎)
- 作者: 西田文郎,「元気が出る本」出版部
- 出版社/メーカー: 現代書林
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