『月曜日が楽しくなる幸せスイッチ』(前野マドカ)(◯)
幸福学で有名な慶應大学の前野隆司教授の奥様の著書です。「幸せスイッチ」なる発想・考え方の切り口がまとめられており、自分の中に1つでも2つでも取り入れられれば、より心が楽に、幸せに過ごせそうな内容です。全体にほのぼのとした内容です。ご夫婦の幸せな雰囲気も伝わってきて、こういう発想で過ごすと人生が豊かになるんだなぁって思えます。
(印象に残ってところ・・本書より)
◯長続きする幸せを得る「幸せの4つの力」
①「やってみよう」力(自己実現と成長の因子)
夢や目標、やりがいを持ち、それを実現させようと自ら成長すること。
②「ありがとう」力(つながりと感謝の因子)
他者を喜ばせたり、支援すること。家族や友人たちなど人とのつながりを感じること。
③「何とかなる」力(前向きと楽観の因子)
物事に対して常に楽観的でいること。自己肯定感が高いこと。
④「ありのままに」力(独立とあなたらしさの因子)
周りの人と比べず、自分らしく、あるがままでいること。
◯「やってみよう」力を高める幸せスイッチ
①夢いっぱいスイッチ
最終目的をたくさん決めておき、何か一つのことだけに全てをかけすぎないようにする。
②結果より過程スイッチ
「100点を取って偉いね」ではなく、「100点を取るまでよく頑張ったね」思考。
③体験スイッチ
記憶を含めた体験を体が覚えていくため、その分記憶も長く続き幸せども高まる。
④マイルールスイッチ
決めることをできるだけ少なくして生活すること。悩みや迷いに振り回されがちなときは、自分なりの定番の習慣を作るようにすると効果的。
◯ありがとう」力を高める幸せスイッチ
⑤信じるスイッチ
人を成長させるためのポイントの1つが相手を信じること。でもただ信じるだけではない。大事なのは、100%信じ切ること。
⑥感謝スイッチ
幸せ体質を手に入れるために、たまにしか体験できないことだけでなく、平凡な毎日の中の些細なことに喜びを見つけ出して感謝する。毎日寝る前に「その日あった感謝したいことを3つあげる」
⑦お願いスイッチ
明らかにキャパオーバーの時は、自分一人で、「どうしよう」と悩むより、誰かの助けを借りた方が得策。
⑧バラエティスイッチ
友人はタイプが多様なだけでなく、数と接する密度が多い方が幸せだと言われている。多様なたくさんの友達との心の通う交流をして、幸せになろう。
◯「なんとかなる」力を高める幸せスイッチ
⑨上を向いて歩こうスイッチ
見上げるという動作は、考え方をポジティブに変えるだけでなく、呼吸を深める効果もある。深呼吸することによって酸素が体じゅうに行き渡るため、自然と元気も出て心も落ち着く。
⑩ヒーロースイッチ
ピンチとは、それに挫折して不幸になるか、それを乗り越えて強く幸せになるか、の瀬戸際ですから、大切な幸せを掴むための試練とも言える。クレームの電話が来ても、それを楽しむような気持ちで。
⑪自分大好きスイッチ
得意も不得意も含めて、自分を嫌いにならないであげてください。簡単に自己受容が身につく魔法の言葉「ありがとう」。得意なことを褒められたら、必ず「ありがとう」と応えましょう。
⑫空想スイッチ
空想スイッチを活用できれば、何かされたとしても、嫌な気持ちを抑えることができる。「あの人なら子の状況をどう捉えるだろう?」(尊敬する人目線)、「自分のやったことが相手のためになっている」(利他的)、「相手も頑張って生きようとしているんだ」(その人の立場で)。
⑬俯瞰スイッチ
問題に直面して、なかなか解決できない時、あなたの視点は狭くなっている可能性が高い。いつもと違う立場で眺めた考え方や捉え方は色々な場面で役立ちます。
◯「ありのままに」力を高める幸せスイッチ
⑭適当スイッチ
おおらかなほうが幸せ。料理なら、調味料をきっちり量るのではなく、薄目の味付けにしておいて後からプラスしていくくらいのさじ加減が大事。最初から完璧主義を目指さないほうが、人生もハッピーになる。
⑮満喫スイッチ
自分の目の前の出来事にできるだけ集中して取り組む。自分を本気で信じ込ませて、言葉や表情、身体を使って少し大げさに表現してみるのがポイント。
⑯冒険スイッチ
いつも右に曲がっていた道なら左に曲がって見て。自分で作っていた壁を壊すことができます。
⑰外交官スイッチ
先手必勝。内向的な人ほど早めに会場に行って待っていたり、浅きに相手に声をかけたりすると、気持ちにゆとりが生まれて、コミュニケーションもスムーズにできるようになる。とりあえず出席しておいて、誰か一人に挨拶してこようという感じで、自分が達成できそうな目標を決める。そして、目標を達成したら、「今日はこの後用事がありまして・・」などと言って、途中で帰ってきてしまえばいい。
◯さらに「ハッピー指数」を高める幸せスイッチ
⑱緑スイッチ
緑のある公園などに行けない場合は、スマートフォンで森林の動画を見ながら、美しい鳥の声の音を聞くだけでもOK。
⑲善意は拒まずスイッチ
幸福学の研究では、社会的なつながりの多様性と接触の頻度が高い人は、幸福度が高い傾向にある。皆で善意を表し、受け取ることで、善意の輪を広げて行きましょう。
⑳絆スイッチ
長続きする幸せをもたらすものの多くに「人との繋がり」が隠れている。物より人、あるいは人との繋がりをもたらすものを意識的に選ぶようにすれば、自然と幸福度が高くなる。
自分が幸せでいるかどうかは、自分がどう感じるか。つまり自分でしか分からないということ。その納得感が大事ですよね。その幸せを感じる感覚を日々の生活に取り込んで行くために、自分の思考を変えて行こうという本書。マイナス思考が来そうだったら、その思考に対処して手を打てるように、本書の切り口を参考にして、「◯◯スイッチ」「◯◯思考」などと自分でネーミングしてもいいと思います。自分が幸せであることが、自分の周りも幸せにしていくのですから。