『やりたいことを全部やる!時間術』(臼井由妃)(◯)
著者は、2つの会社を経営しながら、年間60本以上の講演活動、年間3冊以上の執筆、毎年1つペースの国家資格取得、多数のメディア出演などをこなす方です。本書は、時間貧乏から時間リッチへ。同じ24時間をどのように過ごすと、より多くのやりたいことが実現できるのか、著者の体験に基づく実践からのフィードバックです。自ら実践されている裏付けがあるからこその説得力は、真似して取り込みたくなる欲求が高まります。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯時間貧乏な方の誤解
・やることがたくさんあるから、時間が足りない。
・やることを減らせば、時間は増える。
⇨引き算発想から、足し算発想へ。「あれか、これか」ではなく、「あれも、これも」
◯時間の手綱を離さない
・「いつでもいいですよ」っていう返事をせずに「それでは、明日の19時に銀座のオフィスで」と返事をする。時間をできるだけ有効活用するには、できる限り時間の手綱を握る。そうすることで、自分のスケジュールは思うようになる。
・電話をかけて相手が不在なら、折り返しをお願いするより「それでは、こちらからまたかけ直させていただきます」と伝える。
◯長く熱心に話すほど人に伝わらない
・ポイントだけに絞って話すと、相手に伝わる。
・コミュニケーションの時間効率を上げる
①結論&結果を最初に話す
②言いにくいところは早めに話す
③人を叱るときやアドバイスするときには、いくつも問題点を述べない
④相手を納得させるには、ごり押しではなく質問形式で
⑤事実と意見を分けて話す
◯自分ルールに従ってメールを処理
・メールのチェック時間を始業時と終業時の2回と決めて、それ以外は開かない
・要らないと思うものはその場で即削除
・保存するものは、やり取りする必要性を感じる相手だけ
・送信する言葉、数字などを吟味して、心待ちにしていたメールだとしてもすぐには返信しないようにする
◯メールの達人の3つの時間術
①結論を明確に伝える
②(受信したという)反応は早くする
③(会話などの)アナログツールを併用する
◯SNS
・SNSを続けている理由は?
・理由や目的がなくSNSと関わり、なんとなく友だちができて、コメントやメッセージが増え、その返信や投稿に悩まされているならば、即刻、手を切りませんか?
◯1週間は金曜日から始める
・「ドタバタしていたらもう金曜日。今週も早いなぁ」。これでは、その週にやらなければいけないことだけに時間を取られ、あっという間に1週間が過ぎる。
・その週にやるべきことは、月曜日から水曜日の3日間でやる。今やらなければならないこと、回収度の高い仕事(重要かつ締切があり、かけた時間に対し対価が短期的に帰ってくる仕事)を優先的に行う。
・木曜日は、なるべく月曜日から水曜日までに行った仕事の進み具合や仕事の問題点をチェックする日。
・金曜日は翌週の仕事に備え、資料の準備やアポイントの確認をする。そうすることで翌週が、月曜日から「やることハッキリ、用意もバッチリ」な状態になり、1週間全体の時間密度が高まる。
◯締切は自分で前倒しに
①自分で締め切りを設定する
②前倒しに締め切りを設定し、それを宣言する
⇨締切を自分で前倒しにすると、「締切や時間に追われる立場」から「締切や時間を支配する側」に回るので、精神的にもアクティブな状態になることができる。
◯スケジュールは1つに集約する
・併用こそ「時間泥棒」
・スケジュール帳は手帳1冊にまとめる。
・自分の時間(自分アポイント)を入れる
・計画は腹八分で。
◯明日の時間密度を高める3色マーカー活用法
①明日しなければいけないことを全て紙に書き出して、3色にマーキングする。
・赤:優先順位が高いもの(相手があって時間が固定されている。急ぎ)
・青:優先順位が低いもの(特に急ぎではない。一人でもできる)
・緑:隙間時間にできるもの
②明日の予定表には、まず「赤」を書き入れる。
③残された時間に「青」の仕事を埋める
④「緑」の時間は、特に書き込まなくても良い
◯脳のバイオリズムに合わせて仕事組む
・午前
脳の中で前頭連合野(思考したり計画を練る部分)の機能が高まる時間帯。論理的な思考力が求められる仕事や情報を処理する仕事をするのに適している。
・午後
感情がよく働く時間帯。打ち合わせなど人とコミュニケーションをとる仕事をするのに適している時間。
◯考えるのは15分でやめる
・クローズド・クエスチョンで、YESかNOかを即座に出す
・15分をリミットに、自分にオープン・クエスチョンを出し続ける
⇨6割できたところで見直す(やり直しの時間を節約)
◯会議の密度を上げる7つのテクニック
①目的を明確にする
②終了時間を短めに設定する
③起立して会議を行う
④タイマーをセットする
⑤基本は「1発言1分」
⑥発言の流れを決めておく
(結論もしくは現状報告⇨理由あるいは経過⇨行動指標や改善計画提案)
⑦金曜日の終業間際や夕方などの帰りたい気持ちが高まる時に会議を設定する
◯睡眠時間
・かつては、午前2時就寝、朝7時起床
⇨心身に無理を強いていただけでなく、なんとなく仕事をする「グレーゾーンな時間」が多かった。
・次に、21時就寝、朝4時起床
⇨朝4時起床では辺りはたちまち明るくなって物音もするから、時間の主導権を握っている感覚は覚えなかった。
・現在は、19時就寝、2時起床
⇨時間の主導権を握っている感覚。明け方まで静かな中で作業に集中できる。仕事や付き合いで就寝が23時になっても2時に起き、その日は昼寝を有効活用する。
時間に対する感度が高く、効率的に時間が組まれている感じが伝わってきます。かといって、ガチガチにスケジュールを組むのではなく、流動的にもなる。同じ時間を投入してどれだけのアウトプットが返ってくるのか、同じアウトプットならどれだけ短時間でできるのか。時間に対する感度を高めることは、自分のパフォーマンスを高めるためにも重要なことですね。