『いい緊張は能力を2倍にする』(樺沢紫苑)(◯)
著者は精神科医。本書はなぜ緊張が起きるのか?という緊張の正体・原因について脳科学的に解説し、緊張の原因をなくす根本的解決方法がまとめられた一冊です。著者の書籍はとってもわかりやすく、ほぼ全冊購入して読み続けているところです。本書の学びも深く、身近で実践できる内容がてんこ盛りです。人に紹介したくなる本とは著者が書かれているような、わかりやすさ、実践しやすさ、理論的裏付けという要素がすべて含まれている本かなと感じます。緊張をコントロールして、最高のパフォーマンスを!
(印象に残ったところ・・本書より)
◯緊張の逆U字理論
・過緊張の状態ではパフォーマンスが下がる。
・リラックスのしすぎ(テンションが上がらない)は、パフォーマンスが高まらない。
・適度に罰やストレス、緊張などの不快なものがあった方がパフォーマンスは高まる。
◯緊張の原因は3つ
①交感神経が優位 ⇨ 副交感神経を優位にする
◯副交感神経を優位にする
①深呼吸
・30秒1呼吸(5秒吸って25秒吐く)
・1分間呼吸(5秒吸う、10秒吐く、5秒さらに吐く。これを3セット)
・間違った呼吸
呼吸が浅い、呼吸回数が多い、「吸う」に意識、吸う時間が長い
・正しい呼吸
全ての息を吐き切る、細く長く吐く、腹式呼吸、呼気は吸気の2倍以上の時間、10秒以上かけて吐く
・副交感神経は息を吐いているときに活発になり、交感神経は息を吸っているときに優位になる。
②ゆっくり話す
・早口は呼吸が浅く、交感神経優位で、緊張している証拠。
③筋肉をほぐす
・首まわし
・手先ブラブラ
・肩ストン
・腕ストン
・ツボ押し など
④笑顔
・10秒笑顔を作ると副交感神経がオンになって過緊張が和らぐ
・癒しの脳内物質セロトニンが分泌される
・幸福物質ドーパミンが分泌される
・脳内麻薬エンドルフィンが分泌される
⑤睡眠
・睡眠不足の人は、常時交感神経が優位になっており、過緊張しやすい。
⑥片鼻呼吸
・右鼻が交感神経、左鼻が副交感神経を司る。
・鼻の粘膜では一酸化窒素が作られる。一酸化窒素は血管を拡張させ、脳や全身に酸素や栄養がスムーズに行き渡り、自律神経が整う。
◯セロトニン(癒しの物質)を活性化する
①朝日を浴びる
・朝2500ルクスの光を5分浴びるだけでセロトニン神経は活性化する
・セロトニンの合成は、朝起きてからスタートし、午前中にピークに達し、午後になると低下し、夜になるとほとんど作られなくなる。
・朝の散歩も効果的
②リズム運動
・ウォーキング(最低5分、できれば15〜30分)
③朝食をとる
・噛むことはリズム運動。
・15分ほどかけて食べればそれだけでセロトニンは活性化する。
④トリプトファンを摂取する
・セロトニンはトリプトファンというアミノ酸がないと生成できない。
・穀物(米・玄米)、乳製品、豆類、卵黄、ナッツ類など。
・最も推奨されるのはバナナ。
・ノルアドレナリンは、追い詰められた状態で一瞬で正しい判断を行うための脳内物質。闘争か逃走か。制限時間が決まったギリギリの状態、切羽詰まった状態の時に出る。
①徹底して準備する
②正しくフィードバックする
③イメージトレーニングする
1)リラックスしてイメージする
2)ビジュアライゼーション(視覚化)する
3)五感を活用する
4)ゴールとプロセス、両方をイメージする
5)何度もイメージする
6)毎日行う
④正しい情報を集める
⑤ポジティブワードをつぶやく
⑥ルーティンを作る
緊張を適度保つための方法はたくさんあります。自分の生活で取り込めそうなものを意識しておくとすぐに役立ちそうです。とりわけ、呼吸は手軽で便利。息を吸うと交感神経が刺激され目覚めていく。逆に息を吐くと副交感神経が刺激されリラックスする。こういう基本的なことも知ると知らないで呼吸を続けると大きな差(というか間違った方向?)になりますね。自分がやっていることの意味を知ることはとっても大切だと思います