脳を最適化すれば能力は2倍になる(樺沢紫苑)
『脳を最適化すれば能力は2倍になる』(樺沢紫苑)(◯)
本書はベストセラーを連発されている精神科医による代表的な脳内物質をわかりやすく解説した一冊です。論理とわかりやすさと実践での使いやすさが絶妙で、著者の出版されている書籍は制覇したくなります。脳内物質の基本を知っているだけで、行動を変えようという動機づけにもなり、日々の行動に使えると思います。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯研究が進んでいる7つの脳内物質とキーワード
①ドーパミン(幸福物質)
・幸福、快楽、報酬系、学習脳
・ドーパミン型モチベーションは、楽しさ、ご褒美、褒められるなどの報酬を求めて頑張る。
1)明確な目標を設定す
2)目標を達成した自分をイメージする
3)目標を繰り返し確認する
4)楽しみながら実行する
5)目標を達成したら、自分にご褒美を与える
6)すぐに新しい高い目標を設定する
7)目標達成のプロセスを繰り返す
②ノルアドレナリン(闘争か逃走か)
・恐怖、不安、集中、ストレス反応、ワーキングメモリ、仕事脳、交感神経
・ノルアドレナリンは、「短期集中」「一発逆転」
・ノルアドレナリン型モチベーションは、恐怖、不快、叱られることを避けるために頑張る。
③アドレナリン(興奮物質)
・興奮、怒り、交感神経(昼の神経)
・アドレナリンの効果は長くても30分続かない。
・アドレナリンをオフにする7つの習慣
1)興奮系娯楽はほどほどに
2)風呂、シャワーは温度に注意する
3)入眠前に激しい運動をしない
4)遅くまで残業しない
5)ゆるい時間を持つ
6)家族や仲間と過ごす(コミュニケーションによる癒し)
7)休息を意識する
・アドレナリンの過剰分泌を防ぐ呼吸法
1)まっすぐ正しい姿勢で立つ
2)重心をおへそ下15センチにおき、お尻の括約筋を締める
3)呼吸は鼻から吸って鼻から吐く
4)5秒間大きく息を吸い、一時息を止め、7秒間大きく息を吐く
④セロトニン(癒しの物質)
・落ち着き、平常心、心の安定、共感脳
・セロトニンを活性化する3つの方法
1)日光を浴びる
2)リズム運動
3)咀嚼(よく噛んで食べる)
・気分転換仕事術
1)外食ランチで午後のセロトニンをチャージ(上記3つの方法を全て含む)
2)歩きながら考える
3)深呼吸
4)音読する
5)簡単な運動
6)気分転換を組み合わせる
7)セロトニン活性化を習慣にする
⑤メラトニン(睡眠物質)
・眠気、回復物質、アンチエイジング
・快適な眠りを与えてくれる7つの習慣(メラトニンを出す方法)
1)部屋を真っ暗にして眠る
2)入眠前に薄暗い部屋でリラックスする
3)入眠前に蛍光灯の光を浴びない
4)深夜のコンビニで立ち読みしない
5)入眠前にゲーム、スマホ、パソコンをしない
6)日中のセロトニンの活性化
7)朝、太陽の光を浴びる
⑥アセチルコリン(記憶と学習)
・ひらめき、副交感神経(夜の神経)、ニコチン、シータ波
・アドレナリンで踏み込んだアクセルをアセチルコリンのブレーキで抑制する
・アイデアが生まれやすい「創造性のB」
1)お風呂・トイレ(bathroom)
2)バス(BUS)
3)ベッド(bed)
4)バー(BAR)
・午前中は、論理的で決断を要する仕事。午後と夜は想像力と創造力を求められる仕事
⑦エンドルフィン(脳内麻薬)
・多幸感、恍惚感、アルファ波
・物理的にエンドルフィンを出す6つのテクニック
1)運動
2)激辛料理を食べる
3)油っぽいものを食べる
4)チョコレートを食べる
5)熱いお風呂に入る
6)鍼治療
・日常的な仕事の場面で、フローを生むための準備過程
1)長期目標と短期目標を設定する
2)今日やるべきことをToDoリストに落とし込む
3)ToDoリストへの落とし込みは可能な限り詳しく行う
4)ToDoリストの各項目に制限時間、または終了時間の目安を書き込む
5)終了したらToDoリストを斜線で消して、進捗状況を把握する
6)チャレンジの精神を大切にする
7)適度な難易度の課題を設定する
8)仕事に必要なスキルを日頃から磨いておく
本書は、脳内物質について人に思わず話したくなるような気持ちにさせられます。やはり、理論的な裏付けを知ると納得感があり、体感していることに自信が持てます。かといって専門書だと難しい・・・そんなギャップを埋めてくれる本書(というかこういう書籍を連発して執筆してくださる著者)はありがたい存在です。
脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
- 作者: 樺沢紫苑
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/12/14
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