『調べる技術 書く技術』(佐藤優)(◯)
インプットとアウトプットの両輪が揃って初めて知識が教養力という深みを持った人間へと成長する。本書は、月に500冊の本を読み、ひと月平均2冊の本を出し、コラムなどの原稿を月に90本抱えるという著者が、自らの情報収集と書くという行為についてのノウハウをまとめた一冊。著者の行動量がとてつもないので、ちょっと引いてしまうくらいですが、書かれている内容は、日常に取り入れられるヒントがたくさんあります。特に、「スタディサプリ」という小学生〜高校生向けの学習サイトは実際に無料お試し期間を利用して試してみると、とても興味が惹かれ、基礎学習力の底上げとして、有料になってもしばらく続けてみようかなと思っています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯知的生産能力
・第一段階として重要なのはインプット。中学〜高校の教科書レベルの基礎学力をつけることと、自分の仕事に関する知識をアップデートすること。
・自分のアイデアが付加価値となるかどうかはアイデアを実行してみないとわからない。まず必要なのはアイデアの実行力。つまり「やってみる」こと。
◯45歳までは知的生産、45歳以降は知的再編
・45歳までがカードを増やす知的生産の段階だとしたら、45歳は今までに増やしたカードを組み替えて生かす知的再編の段階。
◯AIとの住み分け
・分析力の部分はほとんどAIが担うようになっていき、人間は、人間的な価値判断や感覚、発想力、創造力、想像力を動員し、付加価値をつける総合力がなくては、豊かに幸せにいきていけない。
・総合力は、①中学〜高校の教科書レベルの基礎学力と自分の仕事に関する知識のアップデート、②それらを元に付加価値をつけるための思考力、③人間関係構築力の3つで鍛えることができる。
◯インプット
①理解力の土台を作るためのインプット
②具体的なアウトプットのために行うインプット
・仕事に関する知識を身につければ、新たにインプットする情報の理解度が底上げされる。当然、そのインプットを元に行うアウトプットの質も高まる。
・まず基礎的な知識・教養があるかどうかで、知的生産力は大きく変わってくる。
◯調べる技術の基本は「読むこと」「聞くこと」
・新聞などの情報を読みこなすために必要な基礎的知識・教養。基本は高校の日本史A、世界史A、政治経済、数学I・Aの教科書。
・本は「誰」が書いているか、その人は過去にどんな本を書いているか、さらにはパラパラとページを繰ってみて、どんな章立てになっているか、専門用語を正しく使っているか、といったことから質を推測する。
◯お勧め高校の知識・教養学び直しの本
①教科書
・『日本史A』
・『要説世界史 世界史A』
・『要説政治・経済研究』
・『長岡の教科書 数学I+A全解説』
②書籍
・『試験に出る哲学』
・『もういちど読む山川倫理』
・『生き抜くための高校数学』
・『生き抜くための中学数学』
③新聞
・『新聞ダイジェスト』
④Web
・iTune U(無料)
日本の初等教育から大学、海外の大学などの授業を無料で視聴できる。
・スタディサプリ(有料)
小学校4年生〜高校3年生までの学習範囲が網羅されている。授業を受け持っているのは、優秀な塾・予備校講師。すなわち講師のマーケットで勝ち残っている人。
◯ノート
・手書きが基本。使うのは1冊。
・今日あったことを書き出す。1日を振り返ることは日々の仕事の効率アップにつながる。行動記録が「記憶のトリガー」になることも多い。
・本の抜き書き、それに対する自分のコメント。特に重要だったと思った箇所。これに加えて1〜2箇所、「現時点では理解できないが、重要だと思われるところ」も抜き出しておく。
・1ヶ月に10冊の本を読み流して「わかったつもり」になるのと、1冊についてしっかり読書ノートを取るのとでは、後者の方がはるかに知的生産力は高まる。
本書の中で「そうだなぁ」と共感できたところに「基礎学力」があります。基礎学力があれば理解度が一気に高まり、インプットも早い!ビジネスも同じ。ビジネス基礎知識があるとビジネス関連の書籍の吸収も早い!本を読むスピードと関連している部分だなぁと思いました。私も速読法はまったく知らなくても早く読める方法を実践していますが、この「基礎学力」を身につけるはとても大切。自分が興味関心のある分野の基礎学習(セオリー)を一通り学び直すことからトライしてみようかなと思います。まずは、物理かな・・!
調べる技術 書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意 (SB新書)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2019/04/06
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