『多動力』(堀江貴文)
多動力とは、いくつもの異なることを同時にこなす力のこと。日本人は「石の上にも三年」に代表されるように「一つのことにコツコツとやる」という価値観から脱し得ていない。10年前は転職すらもネガティブに捉えられていたくらい。産業ごとの壁が崩壊していく時代。次から次に自分が好きなことをハシゴしまくる「多動力」が求められる時代に突入している。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯全部自分でやらなければならないという思い込みをしては、多くの仕事を手がけることはできない。
・タスクをすべて書き出し、他の人ができる仕事はすべて赤ペンで潰す。
・残ったのが、あなたがやるべき仕事。
◯すべての仕事で100点を取らなければならないと追い込まれてしまっては、すぐに息切れするし、大量のアウトプットをすることはできない。
・企画やプレゼン資料のうち2割は手抜きでやってみよう。
・その分浮いた時間で新しいことを始めよう。
◯準備にかける時間は無駄。見切り発車でいい。走りながら考えよう。
・「とりあえず初めてみて後から修正していきましょう」を口癖にしよう。
◯「ハマる」ことも才能。バランスなんて考えず、偏って、極端に。
・もし明日から会社が1ヶ月間休みだったら何をしたいか?一つ思い浮かべる。
・そして、それを今日から実行しよう。
◯飽きるのはネガティブではない。慣れて余裕が出てきたということ。
・この1年間飽きてしまったことはいくつあるか。飽きたことを羅列した「飽きたことノート」を作ってみよう。
◯人生の中でワクワクしない時間を減らそう。そのためには、やらないことを決めること。
・1日24時間を細かく書き出す。
・その中でワクワクしないことを赤で潰す。
◯「自分の時間」を生きるためには「付き合わない人」を決めることも明確にする。
・明日以降のスケジュールを見て、会うことがワクワクしない人はいるか?
・その人と会うのは次で最後にしよう。「付き合わない人」を決めることがあなたの生き方を決める。
◯世の中には2種類の人間がいる。「原液」を作る者と「原液」を薄める者だ。
・一番わかりやすいのは、あなたが会議でした発言が一人歩きして多くの人間を動かしているか?と考えること。
◯「原液」を作る者に必要なものは「教養」
・何か疑問がわいたら、その歴史を深く掘って、根幹から理解しよう。
・10冊の流行のビジネス書を読むよりも、1冊の骨太の教養書を読もう。
◯専門外の情報や知識は、恥ずかしがらないで、聞けばいいだけだし、ネットで調べれば一瞬でわかる。
・知らないことは恥ではない。どんなことでも恥ずかしがらずに質問する癖をつけよう。
・子供は「なんで?なんで?」と質問魔になるから成長が速い。
◯まともな「質問」ができない人が多すぎる。「いい質問」をするためには、自分の中で論点や疑問をきちんと整理しないといけない。
・「質問力」がない人に共通する問題点。それは、メールやLINEも長いということ。
◯スマホでできるのに電話を使い、家でできるのに通勤する。あなたが忙しいのは、仕事が多いからではない。
・昨日の仕事を思い浮かべてみよう。
・その中で、スマホでできなかった仕事はあるだろうか。できなかったというのは思い込みではないだろうか。
◯大量の仕事をこなすために必要なものは、「速度」ではなく「リズム」
・強制的に退社時間を2時間早めてみよう
・そうすれば、効率的に仕事を終わらせるにはどうしなくてはいけないか、考える癖が自然とつく。
◯会議は1回1時間、会食は1日1回など、固定観念で決めていないだろうか。
・超過密スケジュールの旅行、休日を一度作ってみよう。
・やりたいことはやりたいときに全部やり倒す習慣をつけよう。
◯あなたが多動になるための最大のハードルは「他人にどう見られるだろう」という感情。
・恥をかけばかくだけ、自由になれる。
・とっても恥ずかしい格好をして街を歩こう、とっても恥ずかしい過去の失敗を話してみよう。
◯リーダーはバカでいい。いや、バカだからこそ、リスクを考えずに手を挙げられる。
・できるかどうかはおいて、とにかく手を挙げよう。
◯多動力は大人になるにつれて失われていく。いつまでも3歳児のような好奇心を持って生きていこう。
・昨日と同じ今日を過ごしていないか?
・3歳児のように、毎日何かを発見し、興味あることで頭がいっぱいになる生き方ができているか考えよう。
◯ハワイに別荘なんて持つな。予定調和の幸福を求める人生はつまらない。
・予定表を広げてみよう。どうなるか予想もつかない予定はいつくあるか。
・先週も先々週も同じような予定を過ごしてはいないだろうか?
藤原和博さんも堀江さんも「100万分の1の人材」(1/100×1/100×1/100)の話をされています。本当にそう感じます。一つのことだけじゃこの先の未来、怖すぎるし、コモディティ化してしまう。得意分野を3つ、4つと築いていこうとすると、自ずと新しいことにチャレンジするし、新しいこと自体を探そうとする。すると、とっても楽しい。心はプレッシャーでざわつくことはあるけど、その分野が自分のものになってきたとき、自信もつくし、またチャレンジしようと思う。そんな循環が作り出せたらいいなと思っています。今の私の取り組みとも近い領域の一冊でした。