MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

新瞑想法入門(OSHO)

『新瞑想法入門』(OSHO)(◯)

 本書は、瞑想に対するOSHO(和尚)の深い働きかけの中から編纂された瞑想全集のような一冊です。代表的な瞑想法については、そのやり方も詳しく書かれていますが、基本的には、様々な瞑想法がもたらす効果や考え方についての解説が中心です。「へぇ〜、こんな瞑想があるんだ」っていう驚きも多数。瞑想を知らない方が読むと「宗教っぽくて怪しそう」っていうものも多いのは事実ですが、人間の本質に迫るという意味では、宗教と瞑想は近い存在なんだと思います。ただ、特定の考え方に固執するわけではなく、広く目を向けて本質的なものに収斂するというところは共感できるところでもあります。

 

【本書の学び】

①エゴは何か難しいものに関心を抱く。そこに挑戦があるから。その困難が克服できたらエゴは満足を感じる。

②ヴィパッサナーは単純だが本質的なもの。1)自分の行為・身体・マインドに気づくこと、2)呼吸・腹の動きに気づくこと、3)鼻孔の入り口で気づくこと、の3通りでできる。

③何ものも対極なしには存在できない。自分の内側に、対極的な感覚を創り出せれば自分自身が主人となる。さもなければ他人が主人となる。

④知られるもの、知る者の両方に気付けば観照者となる。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯瞑想は観照すること

・瞑想の本質的な核心、真髄は、いかに観照するかを学ぶこと。

・気づきながらすることは何であれ瞑想。行為が問題ではなく、行為に持ち込む質が問題。気づきの第一歩は肉体に注意すること。次に思考に気づくこと。体と心がくつろいでいるとき、自分の感覚、調和、気分に気づくようになる。

・注意深く見守っていると、見守っていた物事が消え失せるという変容が起こる。そのとき初めて「見守る者」自身が見られるものとなる。観察者自身が観察されるものとなる。

 

◯呼吸

・呼吸が変えられれば多くのことが変えられる。くつろいでいるときのような呼吸をしながら、同時に怒るということはできない。

 

◯ダイナミック瞑想(60分間)

・早朝、空腹の状態で行う。

①早く、深く、激しい呼吸(10分間)

②発散浄化の運動(10分間)

③「フー、フー」のジャンプ(10分間)

④突然の停止(15分間)

⑤祝祭のダンス(15分間)

 

◯クンダリーニ瞑想

①ゆったり立ち、エネルギーが足許から上昇してくるのを感じながら、全身を揺さぶり、振動させる。振動そのものになる(15分間)

②感じるままに踊る(15分間)

③目を閉じて静止(15分間)

④目を閉じたまま横たわり、じっとする(15分間)

 

 ◯ミスティック・ローズ瞑想

①笑い

はじめに数回「yaa-hoo!」と叫び、それから45分間なんの理由もなく笑う⇨その後数分間完全に静止したまま目を閉じて座り、用意が整ったら、再び座りなおし15分間静かに観照しながら座る。

②涙

はじめに数回やさしく「yaa-hoo!」と言い、それから45分間ただ泣くがままに任せる⇨その後数分間完全に静止して座り、用意が整ったら、再び座りなおし15分間静かに観照しながら座る。

観照

ただリラックスして見守る。何が通過しようと、それをただ目撃する。この「見守る」というプロセスが瞑想。

 

◯ノーマインド瞑想

①ジベリッシュ(意識的な狂気)

立つか、座り、目を閉じて意味のない音声(ジベリッシュ)を出す。もしジベリッシュができなければ「ラ・ラ・ラ・・」という。

観照

ベリッシュが終わったら、完全に静止し、沈黙し、くつろいで座る。

③レット・ゴー

観照の後には、何も制御せず、体がそのまま後ろに倒れるままにする。横たわりながらも観照を続ける。

 

◯ナタラジ瞑想

①目を閉じたまま、とりつかれたように踊る。無意識層が自分を完全に乗っとるままに任せる(45分間)

②すぐ横たわる。静かに黙ってじっとする(20分間)

③祝福の中で踊り楽しむ(5分間)

 

◯ワーリング瞑想

①たっているその場で、時計と反対回りの方向に旋回する。右腕を高く上げ、手のひらを上向きにする。左腕を低く下げ、手のひらを下向きにする。(60分間)

②直ちにうつ伏せになり、ヘソがじかに大地と接触するようにする。

 

◯ヴィパサナ

・ヴィパサナは本質そのもの。3通りの方法がある。

①自分の行為・肉体・感情に対して気付いていること。自分の体の動きに油断なく醒めている。

②呼吸に気づくようになること。息が内に入ると腹が膨れ、息が外に出ると元に戻る。この腹に気づくこと。

③息が鼻孔から入っていくとき、その入り口で息に気付いていること。鼻の先端で感じる。

・ヴィパサナ歩行:足の裏が地面に触れることに気づきながら歩くこと。

・呼吸の隙間を見守る:吸う息と吐く息の間は、わずかな瞬間呼吸がされていない。

 

 怪しげなものから気持ち良さそうないい感じのものまで、多くの瞑想法が紹介されています。本書の最後に紹介されているのが、瞑想を妨げる2つのこと。それは、①エゴ、②思考のおしゃべり。自分がコントロールしようとすること、これまでの知識・経験。こうしたものが自分に絶えず訪れる。そして、外部環境にも影響を受ける。こうした、「ありのまま」の状況を見つめることを妨げる要素に日々触れているわけですが、こうしたことが「物事を歪んで見る(自分が好きなように見る)」ことになるんだなぁということに気づきました。

 すなわち、瞑想をすることの良さというのは、今ここ気づけること。しかも、ありのままの状態に気づけること。それが、物事の捉え方の歪みを矯正し、的確な判断や平穏な心の状態につながっていくのではないかと思います。

 瞑想を続けているうちにまた感覚が変わるかもしれませんが、もう3年近く続いてきた瞑想ですので、ずっと続けてまた変化を感じたいと思います。

新瞑想法入門―和尚の瞑想法集大成

新瞑想法入門―和尚の瞑想法集大成

 

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