『112の瞑想秘法の書(下)』(OSHO)<6冊目『覚醒の深みへ』より>
『112の瞑想秘法の書(下)』(OSHO)(◯)
<6冊目『覚醒の深みへ』64〜72の技法より>
20世紀のインドを代表する思想家OSHO。ガンジー、ブッダらと共にインドの運命を変えた10人に挙げられる方です。数々の講話が書籍になっていますが、本書は、112の瞑想法を講話した内容を書籍10冊にして発売されていたものを、上下巻にまとめたもの。それぞれ5冊分の書籍が掲載されています(なので、上下2段書きの体裁で900ページ超のボリューム)。
単に瞑想法というよりも、人間の探究本といった感じで、宗教でもなく、思想本でもなく、「人」を本質的に掘り下げていった内容となっています。OSHO初読でお勧めする書籍ではありませんが、私は、コーチング、組織づくり、人間関係づくり、人や組織の理解などに役立てています。
(『覚醒の深みへ』より・・印象に残ったところ)
◯第64の瞑想技法
・経文:「くしゃみの出始め、恐怖の中、悩みの中、断崖の上、戦場での疾駆、極度の好奇心の中、空腹の始め、空腹の終わりに・・・絶えず覚醒を保つ」
・くしゃみが出そうだと感じたら、努めて覚醒を保つ。そうすればくしゃみはまったく出てこなくなるだろう。
・出始めに、深く覚醒する。感覚が来た瞬間覚醒する。目を閉じ、瞑想的になる。くしゃみがやってくると感じたその場所に、意識のすべてを注ぎ込む。出始めに覚醒する。すると、くしゃみは消え失せる。そのエネルギーは変容され、覚醒が増大する。
・もし空腹を感じたら、空腹がそこにあることに覚醒する。それを見つめ、相対し、それに直面する。覚醒すればするほど、空腹は感じられるようになる。覚醒がなければないほど、空腹空腹は近く感じられる。覚醒していなければ、まさに自分の中心で「私は空腹だ」と感じる。でも深く覚醒していれば、空腹は外に投げられる。空腹はそこにあり、あなたはここにいる。空腹は対象であり、あなたは観照者だ。
◯第67の瞑想技法
・経文:「ここにあるこの領域は、変化、変化、また変化だ。変化を通じて変化を枯渇させる」
・あなたは変化についてしか知らない。あなた、つまり知る者を除いて、すべては変化だ。変化を覚えていられたら、そこに分離が起こる。一切が変化しているのに、どうしてあなたは執着していられるだろう。誰かの顔を見る。とても美しい顔だ。そんな美しい顔を見ると、「その美しい顔はいつまでもそのままだ」と思いがちだ。でもよく理解するように。「それはいつまでもそのままだ」ということはない。もし「この顔は速やかに変化している」と知ったら、そして「この顔は今この瞬間は美しいが、次の瞬間には醜くなるかもしれない」と知ったら、どうしてそれに執着が感じられるだろう。それは不可能だ。
◯タントラ(経文)の焦点
・自己実現とは、自らの成長の最高点のこと。そこに到達するとあなたは深い満足を感じ、「これこそ私の運命だ。これこそ私の定めだ。これこそ私が今この地上に存在する理由だ」ということだろう。タントラの焦点は、この自己実現にある。
・タントラは決して「これこれであれ」とは言わない。タントラに理想はない。タントラは決して理想について語らない。タントラは技法について語る。タントラが語るのは、決して何になれるかではなく、どうしたらなれるかだ。タントラとは技法を意味する。
全10巻で解説されている計112の瞑想法には、セットとなる「112の瞑想カード」というのが発売されています。カード112枚には、それぞれの瞑想のタントラとイメージ画が描かれ、説明書にワークの要点(本書からの抜粋)がまとめられており、瞑想の実践に使えると思います。