MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

生の神秘(OSHO)

『生の神秘』(OSHO)

 本書は、20世紀のインドの思想家OSHOのタントラ瞑想シリーズの1冊。瞑想法とその考え方、質疑の講義録です。OSHOシリーズは内容が深くて考えることが多いため、読むスピードは落ちますが、それだけ本質的な内容と言えます。

 

【本書の学び】

①瞑想は、「気づき+無思考状態」

②重点を「遊び、現在・今ここ」に置く

③エゴが存在するのは他人がいればこそ。だから一人は苦悩。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯瞑想技法92:無想の瞬間に気づく

⇨心底を表現不能なほどに澄み渡らせ、それを、ハートの上方、下方、そして中に置く

・知識が重要なら頭が中心、子供のような無垢が重要だったらハートが中心。思考は科学の道具であり、感じることは宗教の道具。

・頭は人間に明瞭さをもたらす。この明瞭さによって大きな混乱が出現する。頭は明瞭に定義し、境界を印し、地図を作る。すべては理性によってはっきりとされる。何の曖昧さも、神秘も許されない。曖昧なものすべては拒絶され、明瞭なものだけが真実とされる。理性は明瞭さをもたらす。この明瞭さによって、大きな誤解が生じてくる。明瞭さと真実とは違う。真実は常に不明瞭で、曖昧。概念は明瞭だが、真実は神秘的。概念は合理的だが、真実は非合理。

・眠ってはいない。気づきと無思考さが出会うのが瞑想。思考もなく、夢もなく、かき乱されることもなく、小波ひとつなく、全く穏やかで静か。しかし気づいている状態。

 

◯瞑想技法93:体を無限とみなす

⇨体のどの部分でもいいから、限りなく広がったものとみなす。

・この技法は想像力のある人間に有効。マインドは限界を作る。もし考えなければ、あなたは限界なきものの中に入る。

・小さな実験

 両手を握りしめて、目を閉じる。5分間椅子に座ってくつろぐ。両手を握りしめてこう想像する「手が固く握りしめられているから、開こうと思っても開かない」。「ではこれから手を開くが、それは無理だろう、もう固まっている」。そう言って、それを開けてみる。3割はきっと手が開けられないだろう。手はすっかり固まっていて、開けようとすればするほど開けられなくなっていく。そんな人間にこの技法が向いている。

 

◯瞑想技法94:自分が侵されていると感じる

⇨感じてごらん。自分の実態や骨や肉や血が宇宙的本質に侵されていることを。

・7日間次の感覚を深く想い続ける。そして7日後、自分がどう感じるかを見てみる。すると、自分が今まで苦しんできた悲しみは真のものではなかった。自分がその創造者だったと気づく。

⇨体の細胞が全て悲しい。自分の周りを暗い夜が覆っている。ひどく重く、陰鬱で一条の光もなく、希望もなく、まるで死に瀕しているかのような。生はもう自分の中に脈打っておらず、ただ死を待つばかり。もはや死が座を占めた、あるいは占めようとしている。

・まず悲しみから始めてみる。7日間、生まれて初めて、完璧に不幸になる。それによってあなたはすっかり変容するだろう。一度意識的に不幸になれることがわかったら、自分が不幸になったとき、いつでも意識を保つことができる。

 

◯中心から始める

・外側のものを変化させたところで、その変化の深部には、また同じパターンが働いている。要はそのパターンを根こそぎにし、変容すること。だからこそ、中心から始めなさいという。とはいえ、中心から始められない場合には、事情は異なる。もし中心から始められなかったら、ぜひとも表層から始めてほしい。何もしないより、何かをした方がまし。きっと長い時間がかかるだろう。あるいはできないかもしれない。でもその努力が役に立つ。

 

◯瞑想技法96:無限の空間に見入る

⇨木もなく、丘もなく、人もいない。限りなく広々としたところに居住する。それによって、心による圧迫は終わりを迎える。

・いろんな出来事の喧騒の下に、その独存はある。ちょうど数珠の糸のように、独存はあなたの中を走っている。数珠の珠は外から見えるが、糸は見えない。でもその珠は糸によってつながっている。珠は多数でも糸は一つ。実際、数珠とはこの真実の特徴。糸は真実であり、珠はそれに纏わるいろんな出来事だ。その根本的な糸への洞察に達しない限り、苦悩はいつまでもそのまま。

 

 瞑想は解決の手法。なぜその瞑想法が必要になるのか、なぜその事象が発生するのか、人はなぜその問題を問題と感じるのか。改めて考えて見ると人が自然に行っていることには歪みがあり、その歪みに気づき、ゼロ化していくところに瞑想法の手段としての役割があるのかなと思います。

生の神秘 (タントラ秘法の書)

生の神秘 (タントラ秘法の書)

 

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