『第三の眼』(OSHO)
本書は20世紀のインドの思想家OSHOによる瞑想法シリーズのひとつです。
【本書の学び】
①愛は行為や努力ではなく、心の状態
②思考とは時間。考えなければ時間は存在しない。だからこそ、瞑想の中で無時間性が感じられる。
③意識は中心にあり、感覚は境界にあり、対象は境界を超えている。
④知性タイプでも感性タイプでもないと感じるなら知性タイプ。知性は疑いに立脚し、完成は信頼に立脚している。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯BeingとDoing
・生にはBeingとDoingの2つのバランスがある。
・生きるためにはいろんなことをする。するとだんだんその活動が障壁となって、自分のBeingがわからなくなる。活動は周辺部分でしかない。
・何を持っていようと何をしようと何ができようと、それはBeingではない。あなたのBeingは一切のDoingに先立つ。
・Beingは選べない。
◯瞑想技法:ストップ!
・何かをしようという衝動が現れたときに止まる。「ストップ!」という言葉を聞いたら即座に止まる。突然凍結することにより隙間ができる。止まるのは身体で、止めるのは中心。周辺部と中心が分かれる。その突然の停止の中で、初めて自分自身を感じることができる。
・”いきなり”が肝心。止まろうという努力は一切いけない。。止めることについて考えないでただストップする。
・待つこと、止まったときに呼吸もなく、動きもなく、ただ待つ。
◯瞑想技法:どんな欲求とも面と向かう
・何らかの欲求が現れるとき、それを考察する。それから、突然それを去る。
・解釈してはいけない。解釈は考察ではない。考察とは、あくまでもこの事実を考察し、この事実とともにとどまること。
◯瞑想技法:疲れ果てて地に落ちる
・円を描いてひたすら走る。跳ぶ。踊る。また走る。疲れ果ててもう一歩も進めないと感じるまで。そのとき地に落ちる。その落ちることの中で全面的になる。
・それを感じるまで続ける。考えるのではなく、感じるまで。
・ひとつの全体として落ちる。準備してはいけない。死んだように崩れ落ちる。
◯瞑想技法:全身の力が失われていくと想像する
・力や知識が奪われていくと想像する。その喪失の瞬間、超越する。
・「自分は死んでいく、死んでいく、死んでいく」と想像する。もしその感覚が本物だったら、身体は重たくなっていく。
・もし突然、自分があと一時間で死んでしまうとわかったら、一体あなたはその一時間になるにをするか?
・もうあなたは一切の「つもり」を今後も生き続ける他人に任せてしまう。死とともに「つもり」は停止する。死とともに悩みは停止する。なぜなら悩みとは生にまつわるものだから。明日のことを考えると瞑想には入れず悩みの中に入ってしまう。
◯愛と憎しみ
・愛の中には何の行為もない。愛は存在の状態。もし愛を行なっているとしたら、その息抜きは憎むこと。なぜなら逆のことしか息抜きにならないから。
・だからこそ、私たちの愛はいつも憎しみと混じり合っている。同じ人間を今この瞬間に愛しながら、次の瞬間にはもう憎んでいる。同じ人間が愛と哀しみの両方の対象となる。これこそが恋人たちの葛藤。愛が行為であるからこそ、こういう苦悩が存在する。
・愛は努力ではない。それを人間関係と考えてはいけない。心の状態として捉える。
◯瞑想技法:目を閉じ、その動きを止める
・目を閉じ、動きを停止させる。心像や観念やいろんな記憶が湧き上がってくる。それもまた外からのもの。
・目を閉じ、自己の内側の存在をつぶさに見る。その最初の部分、外側の部分は、自分の身体を内側から見ること、自分の中心から見ること。「見る者」は決して「見られる者」ではない。観察者と対象物は別物。
・目を完全に閉じることが必要。まず目を閉じ、その動きを止める。自分の目を石のようにする。まったく動いてはいけない。これを実践していれば、ある日突然、内側を見ることができるようになる。
◯瞑想技法:対象物を全体として見る
・なんでもいいから眺めて見る。部分部分に分割せず材質を見ることなく対象を全体としてみる見る
・材質を見ず、形として見る。素材とは物質的な部分であり、形とは精神的な部分。
・「全体像」や「形」にとどまると、突然自分自身に目覚める。
◯瞑想技法:あたかも始めて見るかのように対象を見る
・自分の前を過ぎていくすべてを、あたかも初めてであるかのように見る。絶えずそれを心がける。あたかも初めてであるかのように、すべてに触れる。
・瞬間ごとに過去から抜け出す。過去を自分の中に入れない。過去を持ち運ばない。過去をさる。あたかも初めてであるかのようにすべてを見る。この技法は、あなたを過去から解放してくれる偉大な技法。
瞑想領域は感覚的な部分なので言葉にして伝えるのが非常に難しいですね。「これって瞑想?」って思うようなこともありますが、すべては今ここを感じているかどうか。普段私たちの意識は過去や未来に行きがち。一方で今現実に動いていることも幸せを感じることもすべては今この瞬間。瞑想を本格化してから、なんかいい感じです。
第三の眼―ヴィギャン・バイラヴ・タントラ (タントラ秘法の書)
- 作者: OSHO,和尚サクシン瞑想センター,スワミ・アドヴァイト・パルヴァ
- 出版社/メーカー: 市民出版社
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