MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

JOY(喜び)(OSHO)

『JOY(喜び)』(OSHO)

 20世紀のインドの思想家OSHOによる「喜び」についての講話録。自分の人生を自分の手にするには、自分で決めること。自発性を見つけない限り、本領を見つけない限り、幸せにはなれない。他の誰もあなたのために決めることはできない。もし、問題がわかって惨めな思いがしたとしても、それはあなたが間違っているのではなく、あなたのパターンが間違っている。強調するところが間違っている。学んだ生き方が間違っている。では、どうすればいいか?そこを論じた一冊です。何にフォーカスするかということは大切ですね。

 

【本書の学び】

①瞑想で幸せになるのではない。幸せな人には瞑想的な雰囲気があるのでそう関連づけられているだけ。幸せと関係するのは意識であり、幸せのパターンを作ること。

②快楽は一時的で、外に求められるもの。至福は常にあり、内側にあるもの。うちにすでにあるから、外に求めても見つからない。発明するものではなく発見するもの。幸せは追求するものではなく副産物。

③真実(サット)、意識(チット)、至福(アナンド)は、三位一体であり、究極の真理。

④問題はすぐに捨てられる。問題は自分の視点の問題。一度問題を持てば解決してもすぐに次の問題が来る。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯幸せとはあなた次第

・幸せと成功とは何の関係もない。幸せは向上心とも関係がない。幸せとはお金や、権力、名声とも関係ない。幸せと関係するものはあなたの性格ではなく、あなたの意識。

・この瞬間がすべて。今が唯一の時間であり、ここが唯一のスペース。その時、突然、全天空があなたに降り注ぐ。これが至福。この至福を探すこと。

 

◯表面から中心へ

・「快楽があり、至福がある。快楽を手放し、至福を手に入れなさい」(ブッダ

・4つの言葉(幸せの違い)

①快楽

 快楽は表面的なものであり、外側の状況に依存するしかない。持てば持つほど今後はそれを失うことがどんどん怖くなる。もっと求めれば、もっと欲しくなり、さらに自分には何か足りない気がしてくる。

②幸せ

 快楽は肉体的なものに対し、幸せは精神的なもの。同じコインの裏表。快楽は原始的で動物的なのに対し、幸せは少し文化が発達していて、少し人間的。基本的にこの2つにあまり違いはない。

③喜び

 喜びはスピリチュアル。外側とは関係ない、他人とは関係ない。喜びは状況に依存していない。それはあなた自身のもの。ものによって生み出される刺激ではない。

④至福

 至福は全体的。分離できないもの。ある意味超越的。至福は、あなたが発明するものではなく、発見するもの。まさに最初からそこにあるのに、それに目を向けていなかっただけ。当たり前と思い込んでいた。あなたは自分の内を見ようとしない。これこそが人間の唯一の不幸。人は外ばかり見て探し求めているということ。外には見つけることができない。そこにはないから。

 

◯追求

・もしあなたが幸せを追求しているならば、一つだけ確かなことがある。あなたがそれを手に入れることはないだろう。幸せは常に副産物。追求した結果ではない。

・徳は訓練によって習得できる、善行を練習することができる、幸せになる方法を学ぶことができる、幸せになろうと努力することもできる、幸せをもたらすある種の性格を作り出す人は持っている、という思想によって、全人類は育てられている。そしてそれは全く間違っている。

 

◯惨めさの原因

・人は幸せを望んでいる。そのために彼は惨めな状態を作り出す。もし、惨めさから抜け出したいならば、幸せに対する欲望から抜け出す必要がある。幸せに対する欲望そのものが惨めさの原因でありうる。

 

◯苦しみからエクスタシーへ

・喜びとは、自分自身の中へ入ること。最初はそれは難しくて苦しい。最初はあなたは惨めさに直面しなければならない。その道は非常に険しい。しかし内に入れば入るほど、その報酬は大きくなる。

 

◯問題を捨てる

・あなたは何も問題を持っていない。この瞬間、あなたはすべての問題を捨てることができる。なぜならば、それらはあなたが作ったものだから。

・あなたの問題を見る別の視点を持つこと。あなたが深く見れば見るほど、それらはより小さく見えるようになる。それらを見つめ続けるとだんだん消え始め、突然、そこに空を発見する。

・何かの問題を作り出しているあなた自身に気づいた時は、必ずそこから抜け出すこと。一度問題の中へ入ってしまうと、解決することが必要になる。あなたが解決策を見出したとしても、その解決策から何千という問題が再び起こってくる。一度、最初の一歩を逃すと、あなたは罠にはまってしまう。

 

 喜びも惨めさも作り出しているのは自分自身であり、解決は自分の内側に求めなければならない。外側で探しても永遠に見つからない。これは実践が難しい問題ですね。まだそういう境地に至っていませんが、何かが少し見えてきている気もします。すぐに変化は現れないものですが、振り返った時に物事が発生した時の自分の気持ちがより穏やかな方向に変化してきている気がします。もう少し探求しながら、日々の体験の中で気づきが得られないか、より瞑想的な(気づきの多い)日常を過ごしてみたいと思います。

Joy 喜び (海外文学)

Joy 喜び (海外文学)

 

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