MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

般若心経(OSHO)

『般若心経』(OSHO)(◯)
 20世紀のインドの思想家OSHOが般若心経を語った一冊。「あなたの内なるブッダにご挨拶します。あなたはそれに気づいてないかもしれない。あなたはそんなことを夢に見たこともないかもしれない。自分がひとりのブッダであるなどとは」から始まる本書。500ページ超に渡り、解説書というよりは、般若心経を題材にしたOSHOの講話録です。OSHOシリーズは、たくさんの本が捨てられるくらい学び・気づきが凝縮されていますが、本書もそうした濃い内容でした。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯瞑想

ブッダは言う。「瞑想は自分の問題を解決するには充分だが、そこには何か欠けている」と。慈しみだ。もし瞑想に慈しみが伴っていれば、あなたは他の人たちが彼らの問題を解決するのに手を貸すことができる。

・彼は言う。「瞑想は純金である。それはそれで完成している。しかし、もしそれに慈しみが備わったならば、その黄金には香りが出てくる。そうしたら、それは一つのより高度の完成である。それは一つの新しい別な完成である」と。

 

◯真実

・真実は誰にも属さない。が、誰もが真実に属する。真実とは「在るそのもの(that which is)」という意味だ。

・一旦解釈が入ってくると、そのときには、あなたが知るのは、現実であって真実ではない。それが真実と現実の違いだ。現実とは真実の解釈されたものだ。

・だから、あなたが「真実とは何か?」に答えたその瞬間、それは現実になってしまう。それはもう真実じゃない。その中には解釈が入り込んでしまっている。心がそれに色づけしてしまっている。そして、現実というものは心があるのと同じだけたくさんある。

・真実はひとつだ。なぜならば、真実というものは、心がそこになくなったときに初めて知られるものだからだ。

 

◯知識

・知識は距離を作ってしまう。あなたが知っていれば知っているほど、その距離は大きくなる。知らなければ知らないほど、その距離は小さい。そして、もしあなたが知らないという瞬間の中にいたならば、そこには何の距離もない。あなたは橋渡しされているのだ。

・知識というものが分割する。知識というものが距離を作るということを理解するのはまさに瞑想の秘密を理解することだ。瞑想とは知らない状態を指す。瞑想とは知識に邪魔されない純粋な空間のこと。

 

◯心の3つの状態

①中身+意識 ⇨「心」

②中身なし+意識 ⇨「瞑想」

③中身なし+意識なし ⇨「サマーディ(三昧)」

 この中身なし、意識なしは無意識状態とは違う。それは一つの超意識状態、超越意識状態。意識は今やただそれ自身を意識しているだけだ。

 

◯過去に対して死ぬ

・正しい道は、毎瞬間毎瞬間過去に対して死ぬこと。絶対に一瞬たりとも過去を持ち運ばないこと。毎瞬のように過去に対して死に、現在に生まれる。それがあなたに新鮮さと若々しさと活気と輝きを保ってくれるだろう。それがあなたを生き生きと脈打たせ、エクスタシーの状態にさせ続けてくれるだろう。

 

◯メガネ

・あなたはどこに行ってもこの同じメガネをかけていたに違いない。あなたは自分自身の現実を作り出し続けている。そして、その現実は真実ではない。仏陀が無ということに、無心ということにこれほど力点を置くのはそのためだ。なぜならば、心が何の思考も持たないとき、あなたは何も投影することができないからだ。

・そうしたら、あなたは在るそのものを見ないわけにはいかない。あなたがどんな観念も持たないとき、あなたがただただ空っぽであるとき、ものを映し出す一枚の鍵であるとき、それが何であれあなたの前に来るものを映し出される。それもそれはその在るがままに映し出される。

・だが、もしあなたがいろいろな観念を持っていたら、その時にはあなたは物事を歪めてしまう。思考というものが歪曲の触媒なのだ。

 

◯知恵

・知識への憧れを落とし、物知り顔を落としたら、どうしてあなたが無知でいられよう。知識が消え失せるとき、それに伴って、その影のように無知が消え失せる。その時にこそ、人間は賢くなる。

・知恵というのは知識じゃない。知恵というのは、知識と無知両方の不在なのだ。

・可能性は3つある。

①あなたは無知であることもできる。

②無知で物知りであることもできる。

③無知で物知りであることもできる。

・その3つ目の可能性こそ知恵のなんたるかだ。それがブッダ般若波羅蜜多、彼方の知恵、超越的な知恵と呼ぶものなのだ。それは知識じゃない。

 

 前半戦からピックアップしただけでこのくらい出てきます。現実と真実や、知識と知恵。語彙を覚えるというよりは、イメージを押さえる。言葉にすると言葉に引きずられてしまうので、言葉になる前の感覚を大事にするというのは 、最近のハマり事。この感覚はごく自然な感じ。そこから言語化すると解釈が入り、もうそれは人に説明するためのものに過ぎなくなってしまう。こういう瞬間瞬間に意識を向けるという意味でも瞑想は大切な技術だと思います。

般若心経―バグワン・シュリ・ラジニーシ、色即是空を語る

般若心経―バグワン・シュリ・ラジニーシ、色即是空を語る

 

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