『112の瞑想秘法の書(下)』(OSHO)(◯)
<10冊目『空の哲学』100〜112の技法より>
20世紀のインドを代表する思想家OSHO。ガンジー、ブッダらと共にインドの運命を変えた10人に挙げられる方です。数々の講話が書籍になっていますが、本書は、112の瞑想法を講話した内容を書籍10冊にして発売されていたものを、上下巻にまとめたもの。それぞれ5冊分の書籍が掲載されています(なので、上下2段書きの体裁で900ページ超のボリューム)。
単に瞑想法というよりも、人間の探究本といった感じで、宗教でもなく、思想本でもなく、「人」を本質的に掘り下げていった内容となっています。OSHO初読でお勧めする書籍ではありませんが、私は、コーチング、組織づくり、人間関係づくり、人や組織の理解などに役立てています。
(『空の哲学』より・・印象に残ったところ)
◯第100の瞑想技法
・経文:「対象と主観の認識は、悟った者でも、悟っていない者でも同じだ。しかし、前者には偉大な点がひとつある。それは、常に主観的な姿勢の中にとどまり、物事の中に失われないことだ。」
・成長には3段階ある。第一段階では、状況が主人で、あなたはそれに引きずられる。第二段階では、あなたは存在する。もはや状況に引きずられることはない。第三段階では、あなたは状況に影響を与え始める。あなたがそこにいるだけで状況が変化する。第一の状態は悟っていない状態。第二の状態は、絶えず覚醒しているが、まだ悟っていない状態。第三の状態が、悟った人間。
・悟った者は主観性の中にとどまっている。自分自身の中にとどまっている。意識に中心を据えている。要はこの主観性の中にとどまる実践をすること。
◯第101の瞑想技法
・経文:「全智、全能、遍在を、信じる。」
・あなたの現状は、すべて信じ込み。「自分はこれこれだ」と信じ込んでいる。そのように育てられてきた。そのように条件付けられてきた。
・目を閉じ、「自分には体がない」と感じてみる。まるで、体が消え失せ、溶け去ったかのように。そうすれば遍在性が感じられる。
・数日の間、目を閉じ、ひたすら「自分は体ではない」と考える。考えるだけでなく、「自分は体ではない」と感じる。そうして目を閉じて座っていれば、距離が生まれる。体はどんどん遠ざかっていく。そしてあなたはどんどん内側に入っていく。そして大きな距離が生まれ、「自分は体ではない」と感じるようになる。「自分は体ではない」と感じたら、次には、「自分は遍在しており、全能で、全智だ・・なんでも知り、なんでもできる」と信じられるようになる。
全10巻で解説されている計112の瞑想法には、セットとなる「112の瞑想カード」というのが発売されています。カード112枚には、それぞれの瞑想のタントラとイメージ画が描かれ、説明書にワークの要点(本書からの抜粋)がまとめられており、瞑想の実践に使えると思います。