112の瞑想秘法の書(上)(OSHO)<3冊目『第三の眼』より>
『112の瞑想秘法の書(上)』(OSHO)(◯)
<3冊目『第三の眼』25〜36の技法より>
20世紀のインドを代表する思想家OSHO。ガンジー、ブッダらと共にインドの運命を変えた10人に挙げられる方です。数々の講話が書籍になっていますが、本書は、112の瞑想法を講話した内容を書籍10冊にして発売されていたものを、上下巻にまとめたもの。この上巻には5冊分の書籍が掲載されています(なので、上下2段書きの体裁で900ページ超のボリューム)。
単に瞑想法というよりも、人間の探究本といった感じで、宗教でもなく、思想本でもなく、「人」を本質的に掘り下げていった内容となっています。OSHO初読でお勧めする書籍ではありませんが、私は、コーチング、組織づくり、人間関係づくり、人や組織の理解などに役立てています。
(『第三の眼』より・・印象に残ったところ)
◯第25の瞑想技法(停止の第一の技法)
・経文:「何かをしようという衝動が現れる。まさにそのとき、止まる」
・行動の最中、踊りの最長、動いている最中、突然停止すると、そこに隙間ができる。「身体は何かをしようとしているのに、自分はもう止まってしまった」・・・そこに隙間が現れる。
・行動しているときのあなたは自分をすっかり忘れてしまう。そしてその行動があなたの注意の中心となる。
・停止の技法は、いきなり人を無活動の中に放り投げる。それが特長だ。あくまでも突然に。もし無活動になろうと努めたら、それは活動になってしまう。だから努めることなく、いきなり無活動となる。「ストップ」と言ったら、直ちに止まる。
・覚えておくことが3つある
①真の衝動があるときにだけそれを行う。
②止めることについて考えないで、ただ止める。
③待つこと。止まったとき、呼吸もなく、動きもなく、ただ待つ。そして起こることを見る。
◯第30の瞑想技法
・経文:「目を閉じ、自己の内側の存在をつぶさに見る。そうして自己の本性を見る」
・見るものが何もなくなるように目を閉じること。外側にも対照はなく、内側にも対象の心象がなく、まさに何もない闇。
・目を閉じ、その動きを止める。自分の目を石のようにする。まったく動いてはいけない。これを実践していれば、ある日突然、内側を見ることができるようになる。いつも外側を見ていた目が内へと向きを変え、あなたは内側を一瞥する。
◯第32の瞑想技法
・経文:「あたかも初めて見るかのように、うるわしき人、あるいはありふれた対象を見る」
・最初は目が必要だ。でも二度目はさほどでもない。三度目になるともう目は要らなくなる。何度も繰り返された後では、あなたは盲目になってしまう。私たちは盲目的に生きている。
・あたかも初めて見るかのように、麗しき人間、あるいはありふれた対象を見る。どんな物でもいい。例えば自分の靴を見る。何年も使ってきた靴。その靴を、初めて見るかのように眺め、その違いを見てみる。すると意識の質は突如変化する。
・この技法はあなたの目を新鮮にさせるためにある。いつもと同じ通りを歩いている時でも、新鮮な目でそれを眺めれば、それは新しい通りだ。見知らぬ人のように友人と会う。また、まだ知り合っていなかった頃のように、妻を見る・・。
・もう一度新鮮な目で見てみる。あたかも初めてであるかのように。するとあなたの見るものは、いつも同じ見知らぬ人間だ。何ひとつ、何ひとつ、古くなっていない。すべては新しい。それによってあなたの眼差しは新鮮になる。あなたの目は無垢になる。そのような無垢な目にはものが見える。そのような無垢な目は、内側の世界に入っていける。
全10巻で解説されている計112の瞑想法には、セットとなる「112の瞑想カード」というのが発売されています。カード112枚には、それぞれの瞑想のタントラとイメージ画が描かれ、説明書にワークの要点(本書からの抜粋)がまとめられており、瞑想の実践に使えると思います。