MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

仏教要語の基礎知識(水野弘元)

『仏教要語の基礎知識』(水野弘元)

 高野山大学の参考書籍です。本書は、仏教を学ぶ上で欠かせない重要ワードを解説した一冊。言葉を見ただけでは理解するのが難しいものが多いので、解説を読みながらイメージを掴んでいくことは学びの過程としても大事だと思います。仏教を学ぶ上でのお役立ち本的存在です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

三宝

①仏

 教法の説主であって、信者の帰依数心の対象となっているもの。釈尊だけでなく、法華経法身としての釈迦牟尼仏浄土教阿弥陀密教系仏教の大日如来など。

②法

 仏によって説かれた教法。

③僧

 仏に代わって民衆に仏教の理論や実践を伝え、民衆を指導教化する出家者の団体。

 

◯三科

 現象のことを仏教では有為とか行とかいう。我々はこの現象界の中で生滅変化し、苦しみ、悩み、喜び、楽しみ、迷い、悟るなどの生活を続けている。我々にとっての世界は現象界のみである。この意味における一切の現象界を仏教では一切とか一切法とか呼んでいる。仏教界が取り扱うのは、この現象界に限られる。

五蘊

一切法を身と心または物質と精神となし、これを要素的に5つに分けたもの。

1)色:肉体または物質

2)受:苦楽などの感受作用

3)想:概念や表象を作る作用。心の中に思い浮かべられる相。

4)行:無常遷流の義であるとされ、有為と同じく現象の意味でもある。

5)識:分かち知る(分別・判断・認識の作用)、分かち知るもの(分別・判断・認識する主体としての心)

 

②十二処

一切法を感覚や知覚の認識の上から考察して、認識の主観的能力としての六内処と客観的対象としての六外処の12に区分したもの。

・入ってくる場所

1)色処:眼根の対象となる色境

2)声処:耳根の対象となる声境

3)香処:鼻根の対象となる香境

4)味処:舌根の対象となる味境

5)触処:身根の対象となる触境

6)法処:意根の対象となる意境

・入ってくるもの

7)眼処:視覚能力、視覚器官

8)耳処:聴覚能力、聴覚器官

9)鼻処:嗅覚能力、嗅覚器官

10)舌処:味覚能力、味覚器官

11)身処:触覚能力、触覚器官

12)意処:知覚器官、知覚能力

 

③十八界

・前の十二処の上に、感覚や知覚の認識そのものとしての六識を加えて、十八種としたもの。

1)眼界

2)耳界

3)鼻界

4)舌界

5)身界

6)意界

7)色界

8)声界

9)香界

10)味界

11)触界

12)法界

13)眼識界:視覚的認識

14)耳識界:聴覚的認識

15)鼻識界:嗅覚的認識

16)舌識界:味覚的認識

17)身識界:触覚的認識

18)意識界:知覚的認識

 

四法印

諸行無常

 すべての現象は一瞬の停止もなく、無常にして生滅変化する。

諸法無我

 無我とは、「我がない」「我でない」となるが、我とは生滅変化を離れた永遠不滅の存在とされる実体や本体と言われるもの。

③一切行苦

 元来、苦には苦苦、壊苦、行苦の三苦があるとされる。苦苦は肉体的感覚の苦。壊苦とは壊滅損失などによって感ぜられる苦。行苦というのが一切行苦にあたる。現象の法は苦であるということ。現象が苦というのは迷いの凡夫だけに言えることであって、悟りの聖者にとっては現象は苦とならない。

涅槃寂静

同時に苦のない理想が意識されていることを意味する。涅槃とは、「吹き消すこと」または「吹き消されれている状態」を意味する。つまり、煩悩の火を吹き消すことが涅槃。

 

 仏教要語は解説を読んでも難しいなというのが率直なところですが、これも繰り返し色々な書物を読み重ねていくうちに少しずつイメージが掴んでいけるのかなと思います。最近、『仏教辞典』なる辞書を発注したので、外国語を学ぶのと同じく、わからない言葉は辞書を引きながら学ぶというスタイルを早めに確立していこうと思います。

仏教要語の基礎知識

仏教要語の基礎知識

  • 作者:水野 弘元
  • 発売日: 2006/01/01
  • メディア: 単行本
 

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