久しぶりに手に取った電子書籍。漫画は電子書籍でいいかなと思って、試してみましたが、やはり、電子書籍でOKでした。紙の本は、線を引く、パラパラ読む、ページを行ったり来たりするなど、圧倒的に電子より効率的な利点を活かした読み方が効くジャンルに向いているなぁと実感しました。今回、仏教書籍を読み進める中で、そういえば読んでいなかったなと思って読んでみました。やはり良書でした。わかりやすく、イメージしやすく、おもしろい。今後仏教書籍を読む上においても、当時の時代背景がイメージできて、読書の質を高めてくれそうです。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯「法力だとか術だとか・・・そんな無理な力なんか使わなくっても雨は降る時にはふり、火はいつか消える・・。それが自然の成り行き。いつかはそうなるのだからそれでいいではないか。人間の力ではそれを止めることはできない。」「人間の心は欲しいもののためにいつも燃えている。そうするとそのために泣いたり怒ったり、悩んだりする。それは消すことができる。目を瞑るように心を閉じるのだ。何も考えず、一切を忘れるのです。そうすれば迷いや悩みもなくなって、かえって苦しみがとれ、おまけにこの自然に溶け込むことができるのです」
◯「死体がなぜ薄気味悪いのかね?ハエも死体ではないかね。人間の死体はなんとなく恐ろしいというのはあなたの気のせいだろう。人間もハエも死ぬということは同じ。生きているということも同じ。この世の中に生きているものはみんな同じなのだ。生まれて、生きて、死ぬ。死体が怖いのは本当は死が怖いのでしょう。だが生まれればいつかは死ぬものだ。」「あなたは財産が心配だ、富が心配だ、何もかも心配だから死ぬのが怖いのでしょう。その心配を止めれば楽になる。死ぬ日まで幸せに暮らせるだろう」
◯「みなさんはみなさんの方法でやれば良い。お金を持っている人は苦しんでいる人に与え、力のある人は苦しんでいる人を支えてやりなさい。余分なお金も力もない人は・・せめて相手の気持ちを汲み取ってかわいそうに・・と同情してあげなさい。それだけでもいいのです。それであなたは相手のために苦しんだことになる。このことを「慈悲」と呼びましょう。どんな人の心にも宿っているはずです。だからあなたが誰か苦しんでいる人のことを哀れんだとき、同じように別の人がきっとあなたについて哀れんでくれているはずです。それは誰もかれも生きとし生けるものがつながっているからだ」
文庫本で14巻、全集で7巻。ボリュームはありますが、漫画だからさっと読めてしまう手軽さがいいですね。漫画も電子書籍も柔軟に読書習慣に取り入れていきたいと思います。