MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ザ・ミッション(ドクター・ジョン・F・ディマティーニ)

『ザ・ミッション』(ドクター・ジョン・F・ディマティーニ)(◯)

 人間行動学のスペシャリストであるディマティーニ博士シリーズの一冊。
 人生の目的は7つの領域がある。人の価値観には優先順位がある。ここを出発点にして、恐れやネガティブ感情への対応をはじめ、日常の様々な局面で直面する課題に対し、自分が持っている優先順位の高い価値観に基づき対応していく方法について、随所にワークを盛り込みながら解説されています。理解のしやすさとともに、ワークによる分かりやすさという点でも優れています。人生を前進させるポジティブな面はすでに自分の中にあり、それに気づくか気づかないか、意識をどこに向けるかという点に気づきが多い良書だと思います。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯人生の目的

①心と精神性の領域(自分と繋がる)
②知性の領域(知性や知識)
③ビジネスの領域(キャリアでの成功)
④お金の領域(富)
⑤家族の領域(新しい人との関係性)
⑥社会・人間関係の領域(人脈や友情)
⑦身体の領域(健康と活力)

 

◯価値観の順位

(1)次の12の質問に当てはまる答えを思い浮かぶ順に3つ出す(12×3=36個)

①身近にあるものは何ですか?
②1日をどんなふうに過ごしていますか?
③何をしている時に元気を感じますか?
④何にお金を使っていますか?
⑤きちんと整理がついていることは何ですか?
⑥スキルを積んでいることは何ですか?
⑦いつも頭の中にあるのは何ですか?
⑧そんなビジョンを描いていますか?
⑨どんな独り言を言っていますか?
⑩どんな話題が好きですか?
⑪何に心を動かされるでしょうか?
⑫目標は何ですか?

(2)(1)で出た36個の答えの内容がにたものをグルーピングして、名前をつける。そして、まとめた数を数える。

(3)多い順に並べる

→特に1〜5位までにある価値観が決め手となり、1位が最も重要で、その他の価値観は、この目的を達成するための手段になる。

 

◯自分の人生がわからなくなり、自分を責めたり、落ち込んだりする理由

①本当は望んでいるものではないことにしがみついている

②自分以外の誰かの価値観に合わせている

 

◯優先順位の調整

・人生の目標を達成する2つの選択

①自分にとって最も大切なものを人生に示してくれる最高の価値観に合わせて目標を掲げる

②目標に合わせて自分の価値観の優先順位を修正する(新しい優先順位を作り、目標とリンクさせる)

1)上位に移動させたい価値観を選ぶ

2)上位に移動させたい価値観が、トップ3の価値観を満たす場合を10以上書き出す

3)その価値観を優先させないときに、トップ3に与えるマイナス面を10以上書き出す

 

◯「気にしない」「気にする」「気にかける」の違い

・「気にしない」:自分の信念を他人に押し付ける

・「気にする」:人の価値観を自分の人生に取り入れようとする

・「気にかける」:相手の価値観の優先順位を、自分の優先順位と同じように素晴らしいと認める。相手の価値観のために、自分の優先順位の高い価値観を使って何ができるか?と考える。

 

◯夢を叶えるのに役立つ4つの感覚

①感謝

②無条件の愛

③インスピレーション

④情熱

 

◯9つのネガティブ感情への対処

・その経験があったからこそ受けた恩恵は?

①怖れ
②過去の罪悪感
③怒り
④後悔
⑤悲しみ/うつ状態
⑥萎縮
⑦ストレス
⑧悲しみと喪失
⑨裏切り

 

◯7つの怖れを克服し、目的に沿った生き方をする

・ネガティブなこととポジティブなことはセットになっている。人生の2つの側面は常に背中合わせになっている。

①既存の宗教に対する怖れ
②知性が足りないのではないかという怖れ
③失敗することへの怖れ
④お金を失うことや稼げないことへの怖れ
⑤身近な人を怒らせ、その信頼を失うことへの怖れ
⑥拒否されることへの怖れ
⑦容姿や体力に関する怖れ

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