MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

親子の法則(三凛さとし)

『親子の法則』(三凛さとし)

 「親毒」と呼ばれる、過干渉や暴言・暴力などで、子供にとって毒になる親。「親ガチャ」と呼ばれる親にも当たり外れがあり、それによって子供の人生が左右されてしまうこと。

 人は、親の影響を思いのほか受けて、ブロックを作っているもの。本書は、人間行動学のスペシャリストDr.ジョン・ディマティーニのディマティーニメソッド®️を親子関係にアレンジした「親捨てワーク」という、親への思い込み、親へのイメージを捨てる、コーチング・カウンセリグメソッド本です。

 ディマティーニメソッド®️を学んでいるところということもあって、実際にコーチングで活用するイメージで読める、私にとっては、活用しやすい一冊でした。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯親の影響

・心理学では、幼少期の経験が「人生脚本」となり、大人になってからもその人の考え方や行動パターンに影響すると言われている。

・癒やされない感情は、さまざまな形で人生に影を落とす。

 自己肯定感が持てない

 「すみません」が口癖になっている

 満たされない感じががする

 自分に制限をかけてしまう

 自由になることに罪悪感がある

 お金を計画的に使えない

 仕事に対して積極的になれない

 メンタル面のアップダウンが激しい

 ルーズで自己管理がうまくできない

 恋愛運が悪い

 他人の言動に左右されてしまう

 

◯「親捨てワーク」8つのステップ

①ネガティブ感情の源を明らかにする

・親に対して、今までで最もネガティブな感情を抱いたシーンを思い浮かべる。

・出来事だけを書き出す

・「父はケチだった」「母は冷たかった」など、自分の「解釈」によるものは対象外。

(本当にそうだったのかは分からない。自分の思い込みの可能性があるため)

 

②親への「不幸の手紙」を書く

・恨みつらみの気持ちを「これでもか!」と書き出す。

・感情を出すのが目的。

 

③自分も同じことをしていたと自覚する

・自分もまた親に傷つけられたのと同じように、他者を傷つけていることを認識する。

・ポイントは、親があなたにやったことと「同じような意味を持つこと」をあなたも他人にやったシーンを思い出すこと。

 

④親の行為が自分の助けとなっていたことを知る

・ワーク①で特定した親の一番嫌だった行為が、その瞬間から現在までに、自分にとってその行為がもたらしたメリットを書く。

・(例)親にねだった時に「買えるわけないだろ!」と怒鳴られた→「欲しいものは自分で買おう」という自律精神が芽生えた。

・「反面教師」にしたというのはNG。「反面教師」というだけで、自分のジャッジが入っているため。

 

⑤自分の行為が他者にも利益をもたらしたと考える

・ワーク③で気づいた、あなたが傷つけた相手もまた、そこから「メリット」を受け取っているはず。

 

⑥親は正反対の性質も持っていたことに気づく

・親はあなたに対して、ワーク①で書いた言動とは正反対のこともしてきているのではないか。それに気づくのが目的。

・(例)冷たい仕打ちが心の傷となっている場合→愛情深い、優しい性質が現れたシーンを思い出す。

 

⑦愛されていた証拠集めをする

・特別な出来事でなくて良いので、父親または母親にこれまでの人生で「愛されていた」と感じられるシーンを思い出して書き出す。

 

⑧親への「感謝の手紙」を書く

・①〜⑦のワークで解きほぐされていった親への想いを感謝の手紙に表現する。