『ありがとうとお金の法則』(小林正観)
本書は心の在り方について、多くの著作活動と講演活動に取り組まれた著者が感謝とお金の関係についてまとめられた一冊です。「この人にお金を持たせたほうが良いのか、持たせないほうが良いのか」。神様視点ではこのように見えるようです。ということは、より良いお金の使い方を支える人間性とは何か?この問いを持ちながら読み進めてみると、より理解が深まるものと思います。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯お金が集まる使い方
・喜ばれるお金の使い方をすれば、その人にはもっともっとお金が集まってくる。
・お金をいかに喜ばれるように使うかということは、お金の問題を含めて、いかに自分が喜ばれる存在になるかということに他ならない。
◯3つのゴミを捨てる
・①我欲、②執着、③こだわり
・この3つが邪魔をして無限のダム湖の水、すなわちエネルギーをブロックしている。
・「お金が欲しい」と思っている人にはお金が入ってこない。「お金が入ってこないから欲しい」という人がいるが、欲しがっているから入ってこないというのが因果関係。
◯お金と人間関係
・みんなに喜ばれるお金の使い方をすると、その人を好ましく思う人たちが周りにどんどん増えてくる。
・集まった人たちに対しても、またその人は喜ばれる形でお金を使うので、周りの人からすると、その人に裕福になってもらいたい、お金には困らないで欲しいと思うわけ。
・みんなが応援し、またお金は回ってきて、みんなが潤うということになる。
◯1の力が500になる
・近江商人に「三方よし」という言葉がある。売り手よし、買い手よし、世間よし。
・近江商人には、「飢饉普請」という思想があった。「飢饉になって周りの人が困ったら、増改築をしなさい。必要のないところでもいいから、増改築をしなさい」。
・「周りの人が困ったとき、いかにお金を使うか」ということを考えていると、周りの人から勝手に富が集まってくれる。つまり、その人は、周りを支えると共に、周りから支えられる人になる。
◯働く
・働くの本質は、「はた」を「ラク」にすること。自分が体を使って、汗を流して、周りをラクにすること。
・ですから「自分のため」「自分のためだけ」に働いている人は、働くことの本質から少しずれているかもしれません。
◯仕事
・よく文字を見れば、「事に仕える」となっている。「事」にお仕えするのが仕事。
・どんな「事」にお仕えするのかといえば、「喜ばれる事」「はたをラクにする事」。これこそ「仕事」の本質。
本書を読んでいると、お金は後からついてくるもの。まずは、日常を過ごすにあたっての心構えというか、考え方、自分の姿勢、こういったものが人を引き寄せ、仕事を引き寄せ、その結果お金も引き寄せてくるのだと思います。そして、その得たお金をどのように使うか、そこでも自分の心構え、考え方、姿勢といったものが問われ、それがお金の循環を生んでいくという流れを作っていくのだということを、本書を読むとイメージできると思います。