大富豪からの手紙(本田健)
『大富豪からの手紙』(本田健)
本書は、大富豪と呼ばれた祖父が孫に宛てた9つの手紙を紹介する物語形式で、人生で一番大切なものを学ぶ機会が書かれています。仕事の成功、十分なお金、良い人間関係、家族との幸せな暮らし・・人生に必要なものが自然に手に入るためのエッセンスが学べます。そして、とても読みやすいです。
(印象に残ったところ・・本書より)
①偶然
・偶然というものはこの世に存在しない。「単なる偶然では説明がつかない、人との出会い」がキミの人生を変える。このことが腑に落ちれば、「自力ではなく、何かに生かされている」という感覚で、毎日を楽しむことができるだろう。
・すると、「どんなことにも意味がある」ように見えてきて、目の前のことに一喜一憂することが減っていく。
・これからの人生で「すべてのことには意味があって、自分を幸せにするために起こっている」という可能性を見てもらいたい。
②決断
・決めると、物事は動き出す。信じられないかもしれないけれど、「決断した瞬間」に「その未来は、同時に誕生する」。「決断をすること=自分の新しい未来を創り出すこと」。
・決めることに慣れてきたら、「もう1ランク上の決断」ができるようになってほしい。1ランク上の階層に行くと、今まで全く見えていなかった「新しい未来」が見えてくる。新しい未来は、未知の「パラレルワールド」。
・最高の未来は、いつも、今の意識の外にある。
・何も決断しない、行動しないことが、一番のリスク。「不安のコスト」=「手に入ったかもしれない最高の未来」
・不安への対処法
1)不安や恐怖を感じて当たり前だと気づく
2)不安の裏側にあるワクワクする気持ちにフォーカスする
3)決断にストレスを感じることほど、即決する
③直感
・ワクワクする、ゾクッとくる、体が熱くなる、楽しくなってくる、などが「直感からのサイン」。自分が進むべき方向にいるとき、人は自然と高揚感を感じるもの。
・人生で一番つまらないのは、何も決めないまま、ただ時間をダラダラと過ごしてしまうこと。
・直感の使い方
1)目を瞑って、心を静かにする
2)自分が決める内容をイメージする
3)直感の答えが、どういう経路でくるかを見る(あるいは感じる)
・直感のスイッチの入れ方。手軽なのは、自分で「直感のスイッチオン」って言ってみればいい。
・カンはあやふやなもの。一瞬心に浮かぶだけで感情に訴えてくるものがない。直感は、ずっとそこにある確かな感覚。
④行動
・2つの行動パターン
1)将来不都合があるからイヤイヤやる行動
2)今楽しいからやるワクワクする行動
・プラスの行動エネルギーを増やすコツ
1)子供の頃に純粋に楽しんでいたことを思い出して、それをやってみる
2)ずっと気になっていたけど、やっていない楽しいことを20個書き出して、おもしろそうと思ったものから順番にやってみる
3)うまくいった未来の自分をイメージしてみること
⑤お金
・「金を失うことは些細なことで、名誉を失うことは甚大だ。だが、勇気を失うことは全てを失うことだ」(ウィンストン・チャーチル)
・お金の正体
1)お金とは「エネルギー」であり、善悪ではない
2)多くの人が「お金を信頼すること」によって、その価値が成立している
3)「お金とどう付き合うか」は選択できる
・お金とちゃんと向き合った上で、お金との距離とバランスを取ることが大切。
・いいお金の使い道というのは、「自分と周りの人を幸せにできる」という視点。
⑥仕事
・仕事をしないでたくさんお金を得たとしても、本当の意味で、人は幸せを感じることはできない生き物。
・「天職」の探し方の一例は、小さい頃から楽しかったこと、努力せずに上手にできることの周辺から探す。
・成功している人は、みんな仕事が大好きだ。というようりも、「心から仕事が大好きだから成功した」というのが正しい順番かもしれない。
・仕事で大切な2つのことは、「情熱」と「工夫」
・仕事には工夫が大切。仕事の工夫には、「量」と「質」と「方向性」が大切。
⑦失敗
・失敗の数だけ、老後の楽しい思い出が増える。
・誰しも幸せな時間というものは、ずっと長続きするものではない。
・失敗とは、うまくいっていない時点で、あきらめること。
・失敗の3つのパターン
1)傲慢さ
2)計画と検証の甘さ
3)人間関係
⑧人間関係
・結局は「人は、お金や社会的地位では、幸せになれない」ってこと
・人を幸せにするのは、良い人間関係に尽きる(ハーバード大学が75年間にわたって研究した結果)
・人を好きになってもらいたい。そして、人に好かれる人になってほしい。
・幸せは、獲得したり、掴み取るものではなく、感じるもの。
・人間関係で一番大切なことは、内面的に満たされている人になるということ。
・まず最初に与えること。与えることで内面を満たすこと。
⑨運命
・「宿命」:自分が生まれたときに決まっているもの。
・「運命」:どうやって生きるかは自由に決められる。
・運命と宿命の境界線は、自分で引くことができる。
考え方ひとつで、そしてその考え方に基づく行動の積み重ねで、幸福感というのは随分と変わってくると思います。急には変わらないけど、毎日積み重ねていけば、振り返ればいつの間に変わっている。本書で伝えられていることは、そうした毎日の積み重ねをどういう考え方で行うかという、長期的に役立つ内容だと思います。