『コンフォートゾーンの作り方』(苫米地英人)(◯)
著者は、脳機能学者、計算言語学者、分析哲学者等の肩書きを持つ専門家。本書はコーチングの原理が図解も含めてとてもわかりやすく解説されています。新書サイズで『夢を叶える方程式』と言う著者の書籍がありますが、本書はこれを図解によって、より平易に初心者でもわかりやすくまとまっている点が特徴です。なぜ、描いたゴールが実現するのか、脳の特徴を踏まえて、きちんと理解できるので、原理を人に説明する際にもとても参考になります。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯ゴール達成のメカニズム
・ゴールの世界のゲシュタルト(統合された人格)が現在の自分よりも強くリアルに感じれば、ゴールを達成することができる。
・ゴールの世界のゲシュタルトには、ゴールのために何をすれば良いかがわかっている。
◯RASとスコトーマ
・RAS:脳の活性化ネットワークで、毎秒五感に入ってくる大量のメッセージの中でどれを意識するかを決定する。
・スコトーマ:盲点。私たちは身の回りの情報を認識しているかのように感じるが、実はスコトーマのせいで隠されている。
◯人は過去に生きている
・目の前の現実とその延長線上としての未来は、全て過去の情動記憶が決めたもの。
・私たちは情動記憶が重要だと決めたものしか、RASのフィルターによって受け取ることができない。
◯人は現状を維持する
・ブリーフとブリーフ・システムに合致しない、あるいは違反する行動を取ろうとしない。ブリーフがパフォーマンスを限定してしまう。
◯セルフ・トークの重要性
・セルフ・トークを繰り返すと、それが自分とはこういうものだというセルフ・イメージを作る。
・ポジティブなセルフ・トークをしていても、強い情動記憶として残らなければ意味がない。だから、正しいセルフ・トークをすることが重要。すると、新しいセルフ・イメージが作られ、コンフォートゾーンが変わる。
◯セルフ・イメージを高めるには
・今の自分よりもはるかに高いゴールの世界の自分に、強いリアリティーを持たせることによって、マインドにある自分自身の基準を引き上げていく
・そのためには、マインドを変える、コンフォートゾーンを広げ、高める
◯高いゴール設定
・現状との差が大きくなるので、大きなエネルギーが生まれる
・混乱と無秩序の中にいるときに、人はアイデアを発揮する。高いゴール設定をして、現状を壊し、秩序の混乱を作ると、ゴールを達成するためのアイデアが出てくる。
・現在の年収500万円と理想のゴールの年収1億円。人間は、よりリアルな方を選ぶ。ゴールをリアルにすれば、理想の自分を実現することになる。
・抽象どの高いゴールはリアリティーができにくい。ゴールに近づくにつれて、テンションが下がるので、「もう達成できそうだ」と思ったら、新しいゴールを設定する。
・理想的な現状ではダメ。今の延長線上にある理想的な現状をゴールに設定すると、ゴールに自分を引っ張り上げるテンションがなくなる。
◯ルー・タイス・プリンシプルの公式
・イメージ×臨場感=リアリティー
◯ゴールを先にイメージする
・ゴールを設定し、ゴール世界のセルフ・イメージに対する臨場感を強めれば、ゴールの世界に対するスコトーマが外れる。すると、RASがゴール達成に必要なものを新たに感知するようになる。
・こうやってみよう、こういう人に会ってみようという新しい認識が生まれ、ゴールを達成できる。
◯「ねばらなない」ではいけない
・「ねばならない」で動けば潜在能力が低下する
・強制される、やらされると考えてしまうと、自尊心を傷つけることになり、潜在能力が低下する。
◯未来の記憶の臨場感を強めるイメージ法
・ゴールを達成した時の自分を心に描く。
「会社や社員の様子はどうか」
・さらにその時の新しい習慣、アティテュードを思い浮かべる
「どのような眼差しをして相手と接しているか」
『夢を叶える方程式』を先に読んでいたので、復習的に読めました。読む順番としては、本書を読んでから、『夢を叶える方程式』を読むと段階的に理解が深まっていきます。そして、大元を辿れば『アファメーション』(ルー・タイス)に行き着くと思いますので、そこまで深めていけると理想的です。