112の瞑想秘法の書(上)(OSHO)<2冊目『源泉への道』より>
『112の瞑想秘法の書(上)』(OSHO)(◯)
<2冊目『源泉への道』13〜24の技法より>
20世紀のインドを代表する思想家OSHO。ガンジー、ブッダらと共にインドの運命を変えた10人に挙げられる方です。数々の講話が書籍になっていますが、本書は、112の瞑想法を講話した内容を書籍10冊にして発売されていたものを、上下巻にまとめたもの。この上巻には5冊分の書籍が掲載されています(なので、上下2段書きの体裁で900ページ超のボリューム)。
単に瞑想法というよりも、人間の探究本といった感じで、宗教でもなく、思想本でもなく、「人」を本質的に掘り下げていった内容となっています。OSHO初読でお勧めする書籍ではありませんが、私は、コーチング、組織づくり、人間関係づくり、人や組織の理解などに役立てています。
(『源泉への道』より・・印象に残ったところ)
◯第18の瞑想技法(中心を定める第6の技法)
・経文:愛を込めてなんらかの対象を見つめる。他の対象へと移らない。ここ、つまりこの対象の真ん中にー祝福が。
・そこから何かを得たいと思っているのか。だったらそれは情欲だ。愛ではない。情欲とは、どうやって何かを自分の幸福のために使うかということ。愛とは、自分の幸福はまったく眼中にないということ。
・愛を込めて見つめると、なんでも人間になる。物と人の区別がない。もし、愛の関係があったら、どんな物でも人間になる。もし情欲の関係があったら、そのとき人間は物になる。
・自分のことを思わないとき、あなたは空虚になる。空っぽになる。内側に空間ができる。マインドがどこまでも相手を思いやるとき、あなたは内側で無心になる。内側に想念がなくなる。
◯第19の瞑想技法(中心を定める第7の技法)
・経文:足や手の支えなく、ただ臀部で座る。突然、中心が定まる。
・椅子にリラックスして座り、目を閉じる。自分の左手か右手を感じる。どちらでもいい。左手にしよう。身体全体を忘れ、ひたすら左手を感じる。感じれば感じるほど、左手は重たくなっていく。手が重たくなっていくとき、その重たくなっていくのを感じ続ける。
・それを毎日、少なくとも3週間の間続ける。いつでもいいから、一日十分なり十五分なり続ける。ひたすら左手を感じ、身体全体を忘れる。
・手でうまくいったら、今度は臀部で試してみる。まず目を閉じる。そしてこう感じてみる。「臀部だけが存在して、自分はもういない」意識全体を臀部に向かわせる。難しいことはない。もし臀部を感じるようになり、臀部がごく敏感になったらーもし内側に起こっていること、わずかな動きとか、わずかな痛みなどー、を感じるようになったら、その時には分かるだろう。そのとき意識と臀部は一緒だ。
・それからこの技法を行う。足や手の支えなくー地面に座る。足や手の支えなく、ただ臀部で座る。
◯第21の瞑想技法
・経文:あなたが過去の何かの出来事を見ている、そのところに注意を向ける。そうすればあなたの姿でさえ、現在のありようを失って、変容する。
・夜眠りに落ちようとしている時、今にも眠りに落ちそうな時、その日全体の記憶を逆に辿る。朝から始めないで、今自分のいるところから始める。逆戻りしながら絶えず覚えておく「自分はそれに巻き込まれない」と。
・この技法に慣れたように感じたら、1週間後に自分の過去全体について試してみる。一日休暇をとって、どこか人里離れたところへ出かける。断食するといいだろう。断食して沈黙する。人気のない浜辺とか、木下に横たわり、現在の時点から過去へと遡る。浜辺に横になって砂と太陽を感じながら逆戻りする。どこまでも、どこまでも、どこまでも。思い出せる最後のところまで行く。
・この技法をやってみれば、少しずつその壁が壊れていく。そして、いとも簡単に、自分の生まれた最初の日が思い出せるようになる。それは一つの開示だ。
◯第23の瞑想技法
・経文:あなたの前の対象物をひとつ感じる。そのひとつを除き、他の対象物のすべての不在を感じる。それから、その対象物の感覚と不在の感覚を排除して、覚れ。
・自分の好きなものを選び、世界全体を忘れる。その存在を愛で、その存在を味わい、感じ、その中に深く入る。それを自分の中深くに入れる。それから、その対象物の感覚を排除して。さて、ここからがこの技法で、最も難しいところ。
・もはやふたつのものしかない。それ以外はすべて不在だ。今度はその不在も捨て去る。ただこのバラだけ、ただこの顔だけ、この女だけ、この男だけ、この石だけが存在している。それも捨て去り、その感覚も捨て去る。突然あなたは、絶対的な空虚の中に落ち込む。そして何物も残らない。
全10巻で解説されている計112の瞑想法には、セットとなる「112の瞑想カード」というのが発売されています。カード112枚には、それぞれの瞑想のタントラとイメージ画が描かれ、説明書にワークの要点(本書からの抜粋)がまとめられており、瞑想の実践に使えると思います。