ザ・ワーク(バイロン・ケイティ)
『ザ・ワーク』(バイロン・ケイティ)
「人生を変える4つの質問」という副題が付いている本書。
非常にシンプルなのが良い点です。人はそれぞれのものの見方があるので、それを問いによって考え直すことで、いろいろな気づきが生まれます。まさに、コーチングやカウンセリングで行われていること。よりシンプル化する方向で絞り込んでいけば、こういう形になるのかと、普段は「深め、広げる」方に意識が向いていたので、逆に絞り込む大切さを感じました。対話の事例もたくさん掲載されているのですが、事例を読んでいても、シンプルな問いで十分効果があることを実感します。大切なことはシンプルなのかも!と改めて考える機会にもなりました。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯「4つの質問」と「置き換え」の基本
(例)「彼は私を大切にしていない」
・4つの質問
①それは本当でしょうか?
→「はい」であれば②へ、「いいえ」であれば③へ進む。
②その加賀絵が本当であると、絶対言い切れますか?
③そう考える時、(あなたは)どのように反応しますか?
④その考えがなければ、(あなたは)どうなりますか?
・置き換え
①「内容を反対」に置き換える
(例)彼は私を大切にしている
②「主語」を置き換える
(例)私は彼を大切にしていない
③「自分自身」に置き換える
(例)私は私を大切にしていない
◯ワークの基本的な考え方
①自分の考えが現実と闘っていることに気づく
②自分自身の領域にとどまる
③自分の考えを理解する
④自分のストーリーに気づく
⑤苦しみの背景にある考えをつきとめる
⑥問いかけ(探求)
◯ジャッジメント・ワークシート
・あなたがまだ100%許していない誰かのことについて、空欄に簡潔に記入する。その状況が今、起きているかのように、怒りや痛みをフルに味わうようにする。この機会に、自分が誰かや何かについて裁いている考えを紙に表現してみる。
①誰について怒りを感じたり、混乱したり、悲しかったり、失望しますか?それはなぜですか?あなたが好きではないのは、どんな点ですか?
私は「◯◯」に対して、「・・・」。なぜなら「・・・・・・」。
②あなたはその人にどのように変わって欲しいですか?何をして欲しいですか?
私は「◯◯」に「・・・・・・」。
③その人がすべき(あるべき)こと、すべき(あるべき)でないことは何ですか?考え(感じ)るべきこと、べきでないことは何ですか?あなたは、どのようなアドバイスをしますか?
「◯◯」は、「・・・」すべきである/すべきではない。「・・・・・・」。
④あなたが幸福になるために、その人はどうする必要がありますか?
私は、「◯◯」に「・・・・・・」してもらう必要がある。
⑤その人のことをどう思いますか?リストアップしてください。
「◯◯」は、「・・・・・・」。
⑥その人との間で、二度と体験したくないことは、何ですか?
私は二度と「・・・・・・」。
コーチングセッションに取り組み初めて7年目に入りました。毎回セッションは生き物で、予測不能、そしてその時の流れに乗りながら質問させていただいています。本書のように、「基本質問」を持っておくことの大切さを感じます。それにしても、「問いの効果」「問われる効果」というものがあり、「良い問い」を立てることができると、素晴らしい貢献ができるなぁと思います。そのための訓練は、どうやっているのだろうという次の興味が湧いてきました。