『科学的に元気になる方法集めました』(堀田秀吾)(◯)<2回目>
本書は、明治大学教授の著者が、毎日を元気にしてくれるノウハウを38項目にまとめた一冊。2017年現在、世界の科学論文などで紹介されているエビデンスのあるノウハウで、誰でも、どんな環境でも実践できる簡単なものが紹介されています。ちょっと知っておくだけで、毎日を気持ちよく元気に過ごせるとは、お得な情報集だと思います。
(印象に残ったところ・・本書より)
①各界の一流たちが実践している「やる気スイッチ」の入れ方、それは「とにかくやり始める」こと(リベット他、最新の科学の結論)
②別に楽しいことがない時でも「フェイク・スマイル」で笑顔を作るとストレスが軽減されて気分が良くなる(クラフト、ブレスマンらの研究)
③顔がくしゃくしゃになるくらいのフェイク・スマイル(強化版)でコミュニケーションをとると環境が良くなる(クラフト、ブレスマンらの研究その2)
④手足の動きは、表情よりもさらに優位に感情を動かす=楽しい動きをすると、楽しくなってくる(エルサレム・ヘブライ大学アヴィーゼールらの研究)
⑤背筋をピン!と伸ばして堂々と歩くと気持ちが積極的になり、さらにストレスホルモンが減少する(ハーバード大学カディらの研究)
⑥動作に効果音(掛け声)を足すことで、効果や効率が増していく(リヨン大学ラバヒらの研究)
⑦「なりきり」作用を駆使して、「なんか、この状況を逆に楽しんじゃってる」気持ちになってみる(池谷裕二ら脳科学者の研究)
⑧胸を張って生活することで「できる人」のオーラが自然と発せられるようになる(南カリフォルニア大学ボーンズ、ウィルタームスの研究)
⑨仲間同士の「愛ある注意」で途切れた集中力がよみがえる(ブラウンらの研究)
⑩「ぼーっ」とすると脳は平常時の15倍働き、良いアイデアが湧いてくる(ワシントン大学レイクルらの研究)
⑪20〜30分のマイクロスリープで能力が睡眠前よりも34%向上する(NASA(米航空宇宙局)ローズカインドらの研究)
⑫「やらせ成功体験」でモチベーションを高め、「パブリック・コミットメント」で賛同してくれる仲間を増やす(マートン、レヴィンらの研究)
⑬時間を測り、「あと◯分!」とゴールを見ながら仕事をする(ヒューストン大学ラッドらの研究)
⑭赤やオレンジのアイテムを身につける、身の回りに置くとやる気が湧いてくる(ただし、赤は攻撃的に見える色なので注意)(チチェスター大学グリーンリーズらの研究)
⑮社会的な「意義」よりも個人の「好き」の方が動機づけとしては強力(エール大学レゼニエウスキーらの研究)
⑯正しい自信をつけるには「認知バイアス」の壁を打ち破る必要がある(コーネル大学大ニングらの研究)
⑰ヤケ酒をすると、イヤな記憶、イヤな気持ちがより強く定着してしまう(東京大学大学院の村と松本の研究)
⑱怒りの感情は、人やモノにあたっても解消できず、それどころかより激しい怒りが湧いてくる(アイオワ大学ブッシュマンらの研究)
⑲落ち込んでいる時ほど、人はネガティブなものに巻き込まれてしまう(心理学者ピアジェの研究)
⑳「減点法」で人を見ているとイライラが止まらなくなる(エラスムス・ロッテルダム大学ヴァンディーレンドンクとスタムの研究)
㉑「権力を持っている」という感覚は共感力を鈍らせる(ウィルフリッド・ローリエ大学ホグヴィーンらの研究)
㉒昔の恋人のSNSをチェックする人は、人間として成長できない(オハイオ州立大学フォックスとハワイ大学トクナガの研究)
㉓青空を見上げることで、1)まず空の色で神経が落ち着き、2)姿勢が正されることで気分が整う(大阪市立大学水野らの研究)
㉔お茶をゆっくり淹れ、「何もしない時間」をつくることで脳がリセットされ、平静が戻ってくる(明治大学堀田のおすすめ)
㉕コーヒー豆の香りをじっ・・・と嗅ぎ、良い気分になるのを待つ(ソウル大学スーらの研究)
㉖一息20秒ほどの深呼吸をすることで、脳に「休んでいいんだぞ」という指令を送る(東邦大学医学部麓らの研究)
㉗心のざわつきやモヤモヤは、「不安の原因」を特定し、「やるべきこと」を明確にすることでおさまる(ヒューストン大学ラッドらの研究)
㉘勝負の直前に「不安」を書き出すことでパフォーマンスがむしろ高まる(シカゴ大学ラミレスらの研究)
㉙空腹状態を避け、腸内の環境を整えてあげると気分が安定する(オハイオ州立大学ブッシュマンらの研究)
㉚まるで温泉に入った時のような幸福感を得られる「手浴」(北海道大学矢野らの研究)
㉛朝起きた時に息が上がるくらいの運動をすることで、脳がベストな状態に覚醒する(ハーバード大学レイティの研究)
㉜41度の熱めのシャワーを浴びることで自律神経が整ってくる(千葉大学リーらの研究)
㉝朝のルーティンの究極コンボは、運動→41度のシャワーで汗を流すからの「38〜41度の風呂につかる」(千葉大学リーらの研究その2)
㉞身近な友人、知人、恩師などが喜んでくれそうなことを1週間に5回行うと幸福感が高まる(ヒューストン大学ラットらの研究)
㉟食事をするときは、いつも仲良しのチームとだけではなく、「これから仲良くなりたいなぁ」と思う人とワイワイと(心理学者ラズランの研究)
㊱指圧マッサージでセロトニンとドーパミンが分泌される(マイアミ大学フィールドらの研究)
㊲人と関わる気分になれないならば動物と触れ合うことでセロトニンを増加(アメリカの最新治療法ペットセラピー)
㊳外国語を学ぶと脳が発達し、マルチタスクが得意になる(ルンド大学マルテンソンらの研究)
毎日を元気に過ごすには、気持ちの持ちようだけでなく、体→心で元気にする方法も色々あるんだなと感じます。38項目もあるので、1つでも2つでも自分に合ったものから実践するだけでも毎日に変化が起きるのではないかと思います。自分が元気になると、周りへ与える影響も変わり、周りも元気になる。周りが元気になれば、その人と接している人(私も含む)も元気になっていく。元気循環で職場環境や家庭環境も徐々に変化していくのだろうと思います。