『Excel株投資』(森口亮)
著者は元美容師の投資家。毎朝夕にYouTube配信されている内容が的確でよくまとまっており、日々のマーケットの動きを把握するのにとても役立っています。本書は、著者が実践しているエクセルを使った効率的な「ファンダメンタル分析」を紹介した一冊。巻末にExcelフォーマットがダウンロードできる二次元バーコードが掲載されており便利です。私もダウンロードしてみましたが、「なるほど、投資家の方は、こういう観点から株価予測をしているのか」と、その視点がとても参考になりました。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯著者がExcelシートにまとめている主な指標
①目的・・目標株価を算定する
②主な指標(→四季報から取得する)
・実績PER(株価収益率):過去3期分の最高値の平均
・1株あたり当期純利益(EPS):前期・今期・来期の3期分
・営業利益:前期・今期・来期の3期分
・売上高:前期・今期・来期の3期分
・四季報に掲載されているコメント見出し(2つあります)
◯株価の予想
・基本算式
PER(株価収益率)=株価÷EPS(1株あたり当期純利益)
→これは、並び替えると
株価=EPS(1株あたり当期純利益)×PER(株価収益率)
→つまり、将来の株価を予測しようと思うと、
1)EPS(1株あたり当期純利益)
2)PER(株価収益率)
を予測する必要がある。
1)EPS(1株あたり当期純利益)は、四季報での予測値を把握(営業利益を採用)
2)PER(株価収益率)は実績値の中の最高値の平均を把握
・ここまで来れば、株価が最大いくらまで上昇する可能性があるかという、当たりをつけることができる。
◯その他の参考指標
・PER(株価収益率)の基準値は15倍
・成長性
①営業利益の増益率・・前期→今期、今期→来期の平均
②売上高の増収率・・前期→今期、今期→来期の平均
→①+②が40%以上かどうか?
グロース市場(新興企業向け)の有望株を探す際に有効として、著者が利用している。プライム市場(旧東証一部)では40%は難しい。
マーケットは数字が広く揃っているので、逆にどの指標を定点観測するのかというところが知りたくなります。特に株式市場は投資額の過半が海外投資家によるものであるため、米国、EU、中国などの動きを見ておく必要もあり、グローバルな視点から捉えておく必要があります。日経平均、円/ドル相場、長期金利(国債10年物)は基本として、ダウ平均、NASDAQなどの米国市場、また最近であれば、金融政策の判断材料の一つである物価、主要景気指標などを見ておく必要があます。統計データの発表日も見ておくと、今週はどこで動きが大きそうかも把握できると思います。主要指標の理解と定点観測(慣れ)が必要な世界ですね。