『データの分析、統計的な推測』(佐々木隆宏)(◯)
統計学の書籍を「初級的わかりやすさ」で探し続けた結果、行き着いたのが本書です。
私の高校時代は、「確率統計」と言えば高三あたりでちょっとおまけ的な存在でしたが、今や小学生でデータの種類やグラフを学び、中学生で度数分布表やヒストグラム、四分位数や箱ヒゲ図を学びます。
そして、高校1年生の数学Ⅰで「データの分析」、高校2年生の数学Bで「統計的な推測」と主要テーマの一つになっています。「情報」科目が入ったり、小学生からプログラミングをやったりと、データを扱う能力が求められる時代の移り変わりを感じます。
統計だけを切り出して勉強しようと思うと、「数学Ⅰ」と「数学B」を学ぶ必要があるのですが、この両者を1冊にまとめて、極限までわかりやすく解説されているのが本書。
(本書で扱う主なテーマ・・目次より)
◯代表値とグラフの基本
・データの種類とグラフ、代表値(小学校)
・度数分布表とヒストグラム、相対度数、四分位数、箱ひげ図(中学校)
・分散と標準偏差(数学Ⅰ)
◯2種類のデータ間の関係(数学Ⅰ)
・散布図と相関係数
・偏差値と共分散
・相関係数
◯確率分布と統計的な推測の準備(数学Ⅰ、数学A、数学B)
・推定と検定
・場合のかず(順列と組み合わせ)
・確率変数と確率分布
・確率変数の期待値(平均)、分散、標準偏差
・標本調査
◯確率分布(数学B)
・二項分布
・正規分布の標準化
◯統計的な推測(数学B)
・推定
・検定
分からないところがあると、より初級レベルに遡っていくことになりますが、分かりやすい書籍を探すのに一苦労するところですが、初学者であれば、本書からスタートすれば、統計の世界にすんなり入れるのではないかと思います。先日丸善丸の内店に行きましたが、本書は書棚に4冊並んでおり、ニーズの高さを感じました。
私の場合は、書籍を読んで問題を解くだけではモチベーションを保てないので、とりあえず統計検定でも受けてみようかと考えています。
とりあえず、「統計調査士」試験に合格したので、次は「統計検定3級」に進んでみようと思います。