『年収443万円』(小林美希)
著者は、元新聞記者のフリージャーナリスト。本書は、第一部では平均年収で生活する6人、第二部では平均年収以下で生活する5人のインタビューが掲載されています。平均年収でも生活が崩れてしまうという現実がもたらす未来はどんな世界か。平均年収前後の生活を知ることから今後問い直すべきことを考えるための一冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯所得実態
・2021年「民間給与実態統計調査」(国税庁)では、平均年収443万円、平均年齢46.9歳。正社員は508万円、非正規社員は198万円。
・平均年収の分布を見ると、最も多いのが「300万円超400万円以下」17.4%、3番目が「200万円超300万円以下」14.8%この2つを合わせると、3人に1人が200万円〜400万円の収入となる。
内容は、平均年収前後でできること、できないことをインタビューで明らかにされています。苦しいこと、楽しく工夫できること。収入で制約されることは大きいかもしれませんが、そこに生活の実態があります。
100年人生の時代を迎え、働く時間が長くなることが予想されますが、収入・支出・貯蓄をうまく組み立てて楽しい人生を送りたいものです。ライフプランを考えるときにも、こうした生の声を知ることは意味があるように思います。