MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2017-01-01から1年間の記事一覧

運命を開く(安岡正篤)

『運命を開く』(安岡正篤) 安岡正篤人間学シリーズより。運命(命を動かすダイナミックスさ)を開いていくには、徳性が大事であり、これがあれば、知識や技能は付いてくるもの。極端に言えば、知識や技能がなくても徳性があれば、人間らしく生きていくこと…

人前で話す・教える技術(寺沢俊哉)(後編)

『人前で話す・教える技術』(寺沢俊哉)(後編)(◯) ポイントが多いので2回に分けてまとめることにしました。 ◯前編より(本書について) 日本生産性本部のコンサルタントで、ライブ講師®︎として講師界でも著名な寺沢さんの著書です。研修講師としても数…

言志四録(佐藤一斎・岬龍一郎編訳)

『言志四録』(佐藤一斎・岬龍一郎編訳) 西郷隆盛も座右の書とした本書。著者である佐藤一斎(1772年〜1859年)は、幕府の儒官で朱子学、陽明学まで広い見識で、後世のリーダーに影響を与え続けています。本書は、言志四録(言志録、言志後録、言志晩録、言…

考える技術・書く技術(山﨑康司)

『考える技術・書く技術』(山﨑康司) ベストセラーになっている『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント)。私にはちょっと読みにくいなぁと思っていたところ、日本人向けに少し易しくして書かれていた本書を発見。はじめににも書かれているとおり「本…

人前で話す・教える技術(寺沢俊哉)(前編)

『人前で話す・教える技術』(寺沢俊哉)(◯)(前編) 日本生産性本部のコンサルタントで、ライブ講師®︎として講師界でも著名な寺沢さんの著書です。研修講師としても数万人の研修を担当され、リピート率8割以上。コンサルタントとしても28年間のご経験が…

老子(蜂屋邦夫訳注)

『老子』(蜂屋邦夫訳注) 生年は不詳ですが紀元前6世紀ごろ(春秋戦国時代)など諸説ある中国の哲学者である老子。熾烈な戦国時代を生き抜く処世の知恵であり、一種の統治理論であるが、同時に、世の中と人間についての深い洞察力によって、人生の教科書と…

ジェダイの哲学(ジャン=クー・ヤーガ)

『ジェダイの哲学』(ジャン=クー・ヤーガ) それまで登場人物たちのセリフを通して断片的にしか見えていなかったジェダイの教えは、1999年に公開された『エピソード1 ファントム・メナス』に始まる新3部作以降、徐々に一つの体系化された思想としての一…

人生の大則(安岡正篤)

『人生の大則』(安岡正篤) 安岡正篤人間学シリーズより。大いなる調和である「大和」。東洋思想においては、あらゆる実在は発現、分化、発展を本領とする陽の原理と、統一調和、全体性、永遠性を本領とする陰の原理との「陰陽相対的原理」によって成立し活…

運命を創る(安岡正篤)

『運命を創る』(安岡正篤) 安岡正篤人間学シリーズより。「命」は動かすことができるダイナミックなものと考える「運命」。これをいかに創りあげていくか。「宿命」とは違う、主体的なもの。東洋哲学をベースにした、思考の発想が詰まった一冊です。講義形…

エンプティチェアテクニック入門(百武正嗣)

『エンプティチェアテクニック入門』(百武正嗣) まず裏表紙より。「エンプティチェアテクニックは、心理関係、カウンセラーなどの専門家の中ではかなり知られた技法だが、ゲシュタルト療法という特殊な分野から生まれたテクニックのため、カウンセリング技…

ブレイン・プログラミング(アラン・ピーズ&バーバーラ・ピーズ)

『ブレイン・プログラミング』(アラン・ピーズ&バーバーラ・ピーズ、市中芳江訳)(◯) これは興味深い内容でした。哺乳類の脳幹にある「網様体」という神経の集まりで、体の生命活動維持する働きをするRAS(網様体賦活系)。脳に毎日送られる情報のうち、…

論語の活学(安岡正篤)

『論語の活学』(安岡正篤) 日常遭遇する現象や問題がことごとく原理的に説明されている論語。本書は、安岡正篤人間学講話シリーズの一冊。「利の本は義」「利は義の和なり」。本当に利を得ようとすれば、「いかにすることが義か」という根本にたちかえらな…

論語コンプリート(野中根太郎)

『論語コンプリート』(野中根太郎) いろいろな本を試してみたけれど全部途中で積ん読行きとなっていた『論語』。ようやく本書で最後まで読めました。各話につき、①一文超訳、②現代語訳、③書き下し文、④原文、⑤注釈で構成され、とても読みやすいことが特徴…

マインドコントロール(岡田尊司)

『マインドコントロール』(岡田尊司)(◯) マインドコントロールには、他人の心理状態を操作することにより他人を支配したり搾取したりするマイナス側面と自分の心理状態をコントロールすることで能力を発揮したり、より高いパフォーマンスを実現するポジ…

「空気」で人を動かす(横山信弘)

『「空気」で人を動かす』(横山信弘) 重苦しい「空気」や緩んだ「空気」を何よりも最初に変える。すると、驚くような結果が出始める。チームのメンバーが実力以上の力を発揮できるカギ、それが「空気」。本書は、リーダーがチームを率いていくうえでぶつか…

「空気」の研究(山本七平)

『「空気」の研究』(山本七平)(◯) 本書は昭和52年に発行された単行本が昭和58年に文庫本化されたものです。現代に発行されている場の「空気」に関する本は、だいたい本書を参考にしています。目に見えない空気と同じく、目に見えない場の空気に支配され…

「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法(鈴木博毅)

『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』(鈴木博毅) 「空気」は、日本人にとって様々なものを左右する見えない存在。日本には「空気を読む」文化がある。そうした「空気」も歴史を振り返れば戦争が引き起こされたり、ビジネスの世界でも何かおかし…

あなたの脳のはなし(デイヴィッド・イーグルマン 大田直子訳)

『あなたの脳のはなし』(デイヴィッド・イーグルマン 大田直子訳) 本書は、脳神経科学の世界的権威であり、スタンフォード大学の神経科学者。人はどうやって決断を下すのか、どうやって現実を認識するのか、私たちは何ものなのか、人生の舵はどうやって切…

人工知能がほぼほぼわかる本(坂本真樹)

『人工知能がほぼほぼわかる本』(坂本真樹) タイトルに惹かれて購入した本書。タイトル通り、ほぼほぼ分かるくらいの緩めの本でイラスト多数と、とっつきやすいです。「いきなりAIの本は難しそう。でも気になる分野・・」という方におすすめです。まとめも…

ヒトは「いじめ」をやめられない(中野信子)

『ヒトは「いじめ」をやめられない』(中野信子) 著者は、脳科学者、医学博士、認知科学者。本書は、子供、大人の「いじめ」がなぜ起こるのか、どのように防止・対応していけば良いのか、脳科学の観点から論じたもの。人間社会において、どんな集団において…

スクールセクハラ(池谷考司)

『スクールセクハラ』(池谷考司) 「なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか」というサブタイトルがついた本書。友人に勧められ読んでみました。なぜそういう心理になるのか、人の心理には悪の部分もいろいろ渦巻いている。加害者も周りも。そんな人の心…

難題が飛び込む男 土光敏夫(伊丹敬之)

『難題が飛び込む男 土光敏夫』(伊丹敬之)(◯) 昭和を代表する経営者であり改革請負人である土光敏夫さんを伊丹教授が書くとなれば良書でない訳がないと思い、迷いなく買いました。で、やっぱり良書でした。石川島重工の社長、東芝の再建、行政改革に取り…

成功することを決めた(遠山正道)

『成功することを決めた』(遠山正道)(◯) 著者は、Soup Stock TOKYOの創業社長。三菱商事⇨KFC(日本ケンタッキー・フライド・チキン)を経て独立。本書は、同社立ち上げの思い、社内ベンチャーとしての起業企画、立ち上げ時の苦労話が盛り込まれたビジネ…

やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉(岩崎由純)

『やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉』(岩崎由純) ペップトーク(短くて分かりやすくて、相手の心に響き、自信や勇気を持たせ、やる気を引き出す究極のショートスピーチ)の根底にある「心」について深く掘り下げ、日常生活の中で身近に…

図解 基本フレームワーク50(著:グロービス、執筆:嶋田毅)

『図解 基本フレームワーク50』(著:グロービス、執筆:嶋田毅) 現在取り組んでいる、コンサル&コーチングへの活用を考えたときに、改めてフレームワークは実践的で便利なツールであることを再認識し、復習してみたい意欲が沸々と湧いてきました。知って…

ヤマト正伝(日経ビジネス編 日経BP社)

『ヤマト正伝』(日経ビジネス編 日経BP社) 名経営者の小倉昌男さんが遺した小倉イズムを歴代経営者5人が語った一冊。小倉氏の思いを繋いだ歴代経営者がどのようにイノベーションを起こし、人を育て、危機を乗り越えてきたのか。守るべきものと、変えてゆ…

プラットフォームの教科書(根来龍之)

『プラットフォームの教科書』(根来龍之) ITの分野でよく聞くプラットフォーム戦略。プラットフォームの特徴として、①急速に成長することができる、②一人勝ちすることができる、③一人勝ちが突然覆されることがあることが挙げられます。本書は、こういう特…

ブルー・オーシャン戦略を使いこなす(古田靖、監修:米山茂美)

『ブルー・オーシャン戦略を使いこなす』(古田靖、監修:米山茂美) 本書は、『ブルー・オーシャン戦略』の入門書的な感じで、図表・チャートを多用して易しく解説しています。なるほど、ブルー・オーシャン戦略とは、こういうステップで考えていくのかとい…

養生訓(貝原益軒、現代語訳:城島明彦)

『養生訓』(貝原益軒、現代語訳:城島明彦) 1713年に刊行され300年以上読み継がれている国民的健康書。著者の出版時の年齢が84歳(徳川家歴代将軍の平均寿命が50歳)、しかも虫歯や抜けたが1本もないことが人気の秘密となっている。日常で実践できること…

ヤフーの1on1(本間浩輔)

『ヤフーの1on1』(本間浩輔) 著者は、ヤフー上級執行役員(コーポレート統括本部長)。人材育成を目的に2012年に導入された上司と部下との定期的なコミュニケーション機会である、1on1の面談について、制度導入の思いや留意点がまとめられています。「…