甘え上手は幸せ上手(金盛浦子)
『甘え上手は幸せ上手』(金盛浦子)
甘え上手。それは、本当は愛情の行き交わし方が上手だということ。迷惑をかけたりかけられたり、世話になったりお世話をしたり。それこそが人間として生きることに他ならない。本書は、上手に甘えられる人は、自分だけでなく周囲のみんなも幸せにできる。そんな甘え上手になるために女性向けに書かれた一冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯自分を許せば、相手も許せる
・人の心理にはいくつか単純な原則がある。私たちの心は「自分に許されていることであれば、他の者にも許しやすい」。裏を返せば「自分に許されていないことは、他の者にも許さない」。
◯素直に「ごめんなさい」が言えますか?
・自分を許せるようになる、そして他の誰かも許せるようになったとき、人は初めて「素直に適切に謝ること」ができるようになる。
・素直に「ごめんなさい」が言えないのは、何らかの理由で不安と恐怖の虜になってしまった結果に過ぎない。不安と恐怖はたいてい後付けのもの。生まれ持っての不安や恐怖は、生命そのものの危機を感じさせる類のごくごくわずかな部分でしかない。
◯甘えと甘ったれ
・甘ったれから離脱し始めた人にとって、甘ったれる人は負担。
・恋って、きっと少将の裏切りでは終わらない。けれど一見誠意に見える甘ったれは、終わりへの道を急がせてしまう。恋は、残酷だというけれど、必死に求める者にこそ厳しい結末になりがちだという意味で、本当に残酷。
◯私たちの愛はいつだって揺れ惑っている
・私たちはみな、誰かに愛されたい。誰かに頼られたい。誰かに甘えられたい。だからこそ、誰かに愛を贈ります。頼りもします。甘えもします。
・でも、人の心は疲れる時がある。ゆとりを失う時がある。そうなると、愛され・愛し、頼られ・頼り、甘えられ・甘え、という、例えていうなら、”等価交換”でこそ成り立つ場合が多い、「愛のやりとりのバランス」が崩れてしまう。
・そうなったときに犯す過ちが、愛されたがりばかりであり、頼りたがりばかりであり、甘えたがりばかり、です。
・これって仕方ないこと。多くの場合、許された方がいいこと。誰にだって心が疲れてしまうときがある。ゆとりがなくなってしまうときがある。心って揺れる。愛も揺れる。寄せては引いて、を繰り返す波。だから、大事な誰かがあなたに向けてくれる愛が薄く遠くなったように見えるときがあっても、焦る必要はない。焦って不安になって、追いすがると、相手は負担を感じてしまう。
◯もっと力を抜いて、甘えていい
・一般論として女性の方が男性よりもいいね、と言えることがある。
①女性には力みのない人が多い。
②女性には頑張りすぎていない人が多い。
③女性には心も生き方も美しく、そのおかげで姿も美しい人が多い。
④女性には甘え上手な人が多い。
・リラックスしている人って、楽。本人も楽でしょうが、そばにいるこちらも楽。
・心が楽になって、心が甘えられるようになる。そうなれること、体がリラックスできるようになることは、きっと同時進行。
・うわぁ気持ちがいいな。心地いいな。心の中で呟いてみるといい。つぶやきながら、ほのかだけど豊かな香りに「私を慰めてくれてありがとう」とつぶやけるなら、なおさら素敵。「甘える」とは、そんなときに味わえる感覚をいう。
・あなたが、例えば海が好きだったら、海にも甘えて見てください。目を閉じて寄せては返す波の音に耳を澄ませながら、ほのかに香る潮風で胸を満たす。「私包んでくれる全てに、ありがとう。慰めてくれて、ありがとう」
・甘える、ゆったりとくつろいで身をまかせること。様々な場面で試しているうちに、あなたは気づいていくことでしょう。「甘えていいよ。もっと楽にしていいんだよ」。なんとたくさんの物事が、あなたを甘えさせてくれようとしていることか。
・女性性。それは女性そのものを意味するわけではない。女性にも男性にも、どちらの内面にも備わっている「愛と慈しみ」の性質。
甘え・甘えさせるバランス。”等価交換”という表現で出てきましたが、どちらかに偏るのではなく、どちらも大切にしていきましょう。そして、甘えの対象は人だけに限られるものではない。このあたりが、本書からの学びです。女性向けに書かれていますが、男性が読んでももちろん大丈夫だし、参考になります。