112の瞑想秘法の書(上)(OSHO)<4冊目『沈黙の音』より>
『112の瞑想秘法の書(上)』(OSHO)(◯)
<4冊目『沈黙の音』37〜47の技法より>
20世紀のインドを代表する思想家OSHO。ガンジー、ブッダらと共にインドの運命を変えた10人に挙げられる方です。数々の講話が書籍になっていますが、本書は、112の瞑想法を講話した内容を書籍10冊にして発売されていたものを、上下巻にまとめたもの。この上巻には5冊分の書籍が掲載されています(なので、上下2段書きの体裁で900ページ超のボリューム)。
単に瞑想法というよりも、人間の探究本といった感じで、宗教でもなく、思想本でもなく、「人」を本質的に掘り下げていった内容となっています。OSHO初読でお勧めする書籍ではありませんが、私は、コーチング、組織づくり、人間関係づくり、人や組織の理解などに役立てています。
(『沈黙の音』より・・印象に残ったところ)
◯第38の瞑想技法(第二の音の技法)
・経文:「音のただ中で音に浴する。例えば絶え間ない滝の音の中で。あるいは耳に指を入れ、音の中の音を聴く」
・ひとつのやり方は、どこでもいいからまず座ってみる。音はどこにでもある。静かに座る。音には非常に変わった特長がある。音がするときには、いつもあなたがその中心だ。いろんな音が、至る所から、あらゆる方向から、あなたに向かってやってくる。
・あらゆる音は創られたものだ。だが耳を閉じたときに聴こえる音は、創られた音ではない。例え世界が完全に沈黙したとしても、きっとその沈黙は聴こえるだろう。
・マントラはすべて意味のない音。マントラとはあくまで無意味なもの。マントラはあなたの内側で純粋な音になるべきものだからだ。
◯第40の瞑想技法(第四の音の技法)
・経文:「どんな文字でもいい。その音の始めに、また、徐々に鈍化しながら、目覚める」
・音が現れる前、見つめる、それから目を閉じる。そして、音が現れるとき、打ち鳴らされるとき、その音とともに進む。その音はだんだん小さくなっていく・・。だんだん微かに。注意を鋭ぎすまし、覚醒する。音が無くなるまで、音とともに進む。
・肝心なのは、音の現れる前の状態と、音の消えた後の状態を、しっかり見据えることだ。何も見逃してはいけない。
◯第42の瞑想技法(第六の音の技法)
・経文:「聴こえるように音を唱える。それから少しずつ音を小さくしていく。その感覚が沈黙の調べの中へ深まっていくのに合わせて」
・どんな音でもいい。自分の愛する音があったら、その方がいい。自分の愛する音は、単なる音ではない。その音を唱えれば、そこに隠された感覚がその音とともに唱えられる。そして少しずつ音は消え去り、感覚だけが残る。音を感覚への通路として使ってみる。音はマインドであり、感覚はハートだ。
・ひとつの音を唱える。唱え続ける。まず自分に聴こえるように声を出して、それから少しずつ、ゆっくりと、小さくしていく。もはや他人には聴こえない。でも自分の内側では聴こえる。引き続きそれを、もっと小さくしていく。そしてスッパリとそれを落とす。そこには静寂がある。だが感覚はそこにある。もはや想念はない。だが感覚はある。
全10巻で解説されている計112の瞑想法には、セットとなる「112の瞑想カード」というのが発売されています。カード112枚には、それぞれの瞑想のタントラとイメージ画が描かれ、説明書にワークの要点(本書からの抜粋)がまとめられており、瞑想の実践に使えると思います。