MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

あなたの魂を照らす60の物語(OSHO)

『あなたの魂を照らす60の物語』(OSHO)

 人間はこの世のランプ。自分の内側を深く見つめる時に永遠不滅のものを認知することができる。真実というのは直接的に伝えることのできるものではないが、寓話によって真実に誘うことはできる。本書は20世紀のインドの思想家OSHOによる60の寓話集です。1話あたり4ページ程度と短いので読みやすいです。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯第3話「手放すことを手放す」より

・「富を手放すことはそれほど難しくはない。しかし、手放すことを手放すことはとても難しい。しかし、手放すことを手放すことができた者だけが、本当に富を手放すことができる。世界を手放すことはできても、マスター(物語に出てくる支援者)を手放すことは難しい。しかし、マスターを手放すことができれば、さらに偉大なマスターに会える。富であっても富を手放すことであっても、良心の呵責であってもプライドであっても、世界であっても、俗世間への別れであっても、結局のところどんな心の支えであっても、神性への道の障害になる」

・「どんなものでも心の拠り所がなくなればすぐに、それを超える拠り所が見つかるだろう。富であっても、宗教であっても、拠り所を探している限り、それはエゴを守るものを探していることになる。拠り所を手放せば、支えてくれるものを守ってくれるものもなくなる。そして思考は、自身の基本的実在の中に沈み消えていく。それこそが平穏だ。それこそが救済だ。そしてそれが解脱なのだ。

 

◯第7話「勇気」より

・真実への旅に出るには、安全を求める気持ちを手放さなければいけない。それに加え、未知の世界へ乗り出すには、揺るぎない勇気が必要である。安全を手放す勇気を持たない者が、未知の世界を発見することなどできない。安全を求めるあまり、私たちは本来の自分ではない自分を演じているのではないか?全てのごまかしは、安心したいがための方法でしかないのではないか?

・恐れない心が味方であり、真の自分をさらけ出せる者だけが思考から恐れを追い出すことができ、恐れから自由になれるのだ。真の自分を絶えず隠し続けることで恐れは増大し続け、内なる存在は力を失っていく。だが、自分自身をさらけ出すと、恐れは覚醒という光の中でかき消され、今までにない新たなエネルギーの根源をそこに見出す。

・真実とは、真の自分と向き合う勇気のある者の所にやってくる。

 

◯第8話「野心と劣等感」より

・劣等感と野心は、相反するどころか、実は同じ感情の両端。劣等感を解放しようとするとき、野心へと姿を変える。それは飾り立てられた劣等感なのだ。

・悟りへの野心ですら破滅をもたらす。これは自分への暴力である。自分自身への憎悪なのだ。世俗的な野心は他人への暴力であり、悟りへの野心は自分への暴力だ。野心のあるところには暴力が存在する。

 

◯第26話「お互いを知ること」より

・私たちが相手について判断を下すことの早いことよ!実際には、誰かのことを判断するほど難しいことはない。おそらく、神を除いて誰も他人を批判する権利を持ち合わせていない。なぜなら、神以外の誰が人を判断するために必要な忍耐を持ち合わせているというのか?取るに足らない平凡な人間が?

・私たちはお互いを理解しているのだろうか?非常に関係の近い人でさえ、本当にお互いのことを理解しているのだろうか?友人同士でさえ、お互いを分かり合えず、見知らぬ人になってはいないだろうか?だが、私たちは知らない人のことですら理解していると主張し、他人についてあまりにも早く判断を下す。

 

◯第41話「真実は内側にある」より

・人生の真実が外側の覆いに存在しないとしたら、外側にあるものを変えることが何の役に立つというのだ。真実はまさに内側に存在する。内側にしかない。それを発見するには、人格の外側ではなく、その中心で努力する必要がある。その中心を見つけるのだ。もしそれが見つかったら、真実も見つかるだろう。つまり、真実は自分の中に隠れているのだ。

 

◯第54話「はしごの最初の一段」より

・究極の真実を探し求める時、最初に必要な真実とは何か?最初の真実とは、一個人としてありのままの自分を知ることだ。これがはしごの最初の一段になる。だが、ほとんどのはしごはこの最初の一段が見当たらないため、はしごと言っても名ばかりで実際に登ることができない。

 

 寓話から導き出される解説は、本来であれば「直接説明することができない」ものに該当するのかもしれませんが、解説であっても考えさせられる内容です。 

あなたの魂を照らす60の物語

あなたの魂を照らす60の物語

  • 作者:OSHO
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2019/11/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

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