『あり方で生きる』(大久保寛司)(◯)
私の考えている生き方に近い価値観で書かれていました。日々どのように考え行動するかによって、幸福感も人とのつながりも仕事の成果も変わってくる。著名な方で評価も高い方ですので、お名前だけは存じ上げていますが、一度はお会いしてみたい方。こういう書籍が書ける方が普段どんなふうに過ごされているのか、どんな習慣を持たれているのか、とても興味が湧いていきます。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯表情は他人のためにある
・顔は自分のもの。でも表情は自分のためではなく、実は他人のためにある。自分の顔は鏡を見なければ良いが、部下はその顔を見て仕事をしている。
◯言葉の奥にある心を観る
・なんか不可思議なこと、理解できないこと、変なことを言われたときには、「ところでこの人は心の奥底では何を考えているのかな?何を悩んでいるのかな?」という観点で、言葉の奥底にある心を観て、感じ取ることができるか。
◯どんな人でもやる気はある
・どんな人でもやる気はあるが、そのやる気が底の方に溜まっている。その奥底にまで言葉が届かないから出てこないだけ。
・メッセージを送る側の力がないから、熱意が足りないから、継続できないから、だから変わらない。
◯雰囲気は仕事力
・雰囲気が良くなるだけで業績が上がる。その観点で捉えると色々なものが見えてくる。リーダーの役割の一つ、それは職場の雰囲気をよくすること。
◯知恵と愛と推進力
・このすべてが整ったときに事を成すことができる。
◯相手にはそうする理由がある
・言っていることは正しくても相手に受け入れられることはない。相手にはそうする理由がある。それなりに。
◯指を自分に
・人を変えることはできないが、人が変わることはできる。相手に指を向けて相手を変えようとするのではなく、指を自分に向ける。そこから解決に至る一口を掴むことはできる。
◯心の扉は中からしか開かない
・相手の心の扉は外から開けることはできない。心の扉は、その人の中からしか開けられない。
◯人は一点しか見ていない
・見える世界を、自分の目に映る世界を良くしたいのであれば、自分自身を美しくすること、自分自身をよくすること。
・自分自身の心の持ち方、あり方を変えることが、あなたが日々生きていく中で出会う景色を変えていく。
◯人は発信体であり、受身体である
・何を発信し、何を受信するかは、あなたの心が握っている。
・輝いている人は、輝きを発信し、輝きを受信している。
◯強く観るところが伸びる
・長所を伸ばすことが、短所を相対的に縮めていく、無くしていくことに繋がる。
・相手の良いところを見るというのは、実は、その見るところ自体を伸ばすという効果がある。
◯余韻のある人
・強い力で叩くと、瞬間、大きな音がしても、遠くまで音が響かない釣鐘。軽く叩いたにもかかわらず、その音が遠くまで伝わり、余韻の残る釣鐘。
・深さのない人間は、叩いた瞬間、大きな音が出たとしてもすぐに消えてしまう人。強く叩いてもほとんど響かない人。軽く叩いただけでも、どこまでも響き続ける自分になりたいもの。
◯人は自分が見えない
・人は恐ろしいくらい、自分が見えていない。
・一番自分を分かっていないのは、自分なのかもしれない。
◯しているつもりと、できているの違い
・「つもり」と「できている」は、まるで関係ない。
・しているつもりは、できていない。
◯正論で人は動かない
・正しいことを言うのは、実は正しくない。
・正しいことを語るのではなく、正しい状況を作ること、実現すること、ここに焦点を置く。
◯顔がすべて
・顔をごまかすことはできない。
・「40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持て」と言うリンカーンの言葉があるが、誠にその通り。
・人の生き様は顔に出るもの。
◯人は多面体
・もし、あなたの周りの人が、嫌な人ばかりだとしたら、あなたは見事に、あなたの周りの人たちから嫌な側面を引き出している、ということ。
・反対に、自分の周りには素晴らしい人ばかりだというのであれば、あなたは、周りの人から素晴らしい側面ばかりを引き出している存在であるということ。
◯信頼されるリーダー
①自分の話をよく聴いてくれる人
②自分を理解してくれる人
③いつも自分を見てくれている人
◯何を言うかより、誰が言うか
・人は正しいことを言われたからといって、受け入れられるわけではない。実は何を言うかより、誰が言うかの方が、はるかに大切。
内省本としても役立つ内容でした。普段の自分がどの程度意識しているか、そして行動しているか。特に意識しない普通の状態であっても実践できているような人になりたいものです。