MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

エモいプレゼン(松永俊彦)

『エモいプレゼン』(松永俊彦)(◯)

 プレゼンは、相手に自分の考えを伝え、納得し、行動してもらうこと。相手に行動してもらうことが大事で、伝えることがすべてではありません。そのためには、先に感情、後から理屈。エモーショナルなプローチが有効となります。本書は、シンプルでわかりやすいエモーショナルなプレゼンのコツをまとめたスキル本です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯エモいプレゼンを成立させるための3大原則

①事前にプレゼンの目的を伝え、聞き手に心の準備をさせる。

・本題を切り出す前に、聞き手とプレゼンの目的を共有しておく。

②プレゼンの中にストーリーの要素があり、それを具体的に伝えている。

・ストーリーを語ると、聞き手は自然に、話の内容についてフルカラーのイメージを頭の中で作り出し、その時の雰囲気を感じ取ろうとする。ストーリーがない話には、人は引き込まれない。

③プレゼンの内容に嘘がなく、感情を乗せたエモーショナルな伝え方をしている。

・臨場感、感情的な伝え方

 

◯緊張や不安、恐怖を遠ざける3つの心構え

①プレゼンを行う際は自分以外の誰かを演じる。

・うまくいったら自分の成果、失敗したら人のせい

②話に興味を持ってくれた一人の味方に意識を集中させて話す。

・最大公約数を考えるより、一人に刺さる方が結局は多くの聞き手に行動してもらえる

③冒頭1分は、最大の熱量で話し始めること。

・聞き手の集中力のピークは、プレゼンの開始直後。

 

◯3つのステップと基本テクニック

・オープニング→ボディ→クロージング

①満面の笑みと大きな声。ギャップの演出。

・視覚・聴覚のギャップ

②シンプルにストーリーを語る。

・長く話すほど、プレゼンの本質からは遠ざかる

・実際に話す内容をシンプルにまとめるフォーマット

「私は(①具体的な聞き手)に、(②理想とする姿)状態になって欲しいので、(③メッセージ・主張)ということを伝えます。それは、(④理由)だからです。具体的には、(⑤方法)ことで理想とする姿を実現できます。」

③「主張の整理」+「行動の依頼」

・楽に実行可能で、測定可能

 

◯7つの応用テクニック

①プレゼンの冒頭で違和感を演出

・表情×声×間×挨拶
②質問・エピソード・結論

・3つのうちどれから始めるか?
③適切な指示や声掛け
④結論でボディを始めて共感させる
⑤5つの人格を演じ分ける

・先生、医者、占い師、演出家、役者を演じる
⑥聞き手がプレゼンの内容を忘れないように「トリガーワード」を用意
⑦アクションレベルでの依頼

 

◯感情を揺さぶる5つのポイント

①120% の笑顔と全力の真顔
②「4区画視線分配法」
③手の動き
④話すスピードと声の大きさ
⑤「強調の間」と「思考の間」

◯「わかりやすい」プレゼン

「わ」笑える

「か」簡単

「り」理由

「や」やるべきことが具体的

「す」数字で語る

「い」意味がある

 

 こういうタイトル自体が惹きつける要素がありますね。内容は至ってシンプルですが、どのように普段から意識して実行するか、反省するか。そのきっかけになる一冊だと思います。やりながら何度もチェックしたい内容です。

感動させて→行動させる エモいプレゼン

感動させて→行動させる エモいプレゼン

  • 作者:松永 俊彦
  • 発売日: 2019/07/10
  • メディア: 単行本
 

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