『原始仏典 中部教典Ⅲ』(第6巻)(監修:中村元)(○)
まずは第1シリーズ7冊完読に向けて読み進めております。第6巻も500ページ超えで、なかなか時間がかかりました。このあと、第2シリーズ全6巻、第3シリーズ現在7巻でまだ続きそう。とそこまで読んで、ブッダの布教活動の初期の12年分。そのあと37年分が残っていると思うと膨大な量になります。さて、この第6巻では、第77〜106経までの30経典がまとめられています。文章自体は読みやすいので、ストレスなく読み進んでいます。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯第77経「釈尊が尊敬される理由(箭毛経)」
・4つの注意力の確立(四念処)
①修行者は、身体について身体をよく観察し、熱心で、しっかりと意識して、よく注意を払い、世間における欲望と憂いを制御している。
②修行者は、もろもろの感受について感受をよく観察し、熱心で、しっかりと意識して、よく注意を払い、世間における欲望と憂いを制御している。
③修行者は、心について心をよく観察し、熱心で、しっかりと意識して、よく注意を払い、世間における欲望と憂いを制御している。
④修行者は、もろもろの事象について事象をよく観察し、熱心で、しっかりと意識して、よく注意を払い、世間における欲望と憂いを制御している。
・4つの正しい努力(四正勤)
①修行者はまだ生じていない悪・不悪のことがらを生じさせないために、意欲を起こし、つとめ、精進し、心を励まして、努力します。
②修行者はすでに生じた悪・不悪のことがらを捨て去るために、意欲を起こし、つとめ、精進し、心を励まして、努力します。
③修行者はまだ生じていない善のことがらを生じさせないために、意欲を起こし、つとめ、精進し、心を励まして、努力します。
④修行者はすでに生じた善のことがらを確立し、失念せず、増大させ、拡張させ、その修得を完全なものとするために、意欲を起こし、つとめ、精進し、心を励まして、努力します。
◯4つの成就の基礎(四神足)
①修行者は精神統一と努力とを伴った、意欲という成就の基礎を習得する。
②修行者は精神統一と努力とを伴った、精進という成就の基礎を習得する。
③修行者は精神統一と努力とを伴った、心という成就の基礎を習得する。
④修行者は精神統一と努力とを伴った、観るという成就の基礎を習得する。
◯5つの優れたはたらき(五根)
①修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす信仰という優れた働きを習得する。
②修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす精進という優れた働きを習得する。
③修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす注意力という優れた働きを習得する。
④修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす精神統一という優れた働きを習得する。
⑤修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす智慧という優れた働きを習得する。
◯5つの優れた力
①修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす信仰という優れた力を修得する。
②修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす精進という優れた力を修得する。
③修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす注意力という優れた力を修得する。
④修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす信仰という精神統一を修得する。
⑤修行者は安らぎをもたらし、悟りをもたらす智慧という優れた力を修得する。
◯7つの悟りの因となる部分(七覚支)
①修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす注意力という悟りの因となる部分を修得する。
②修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらすもろもろのことがらの検討という悟りの因となる部分を修得する。
③修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす精進という悟りの因となる部分を修得する。
④修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす喜びという悟りの因となる部分を修得する。
⑤修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす軽快さという悟りの因となる部分を修得する。
⑥修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす精神統一という悟りの因となる部分を修得する。
⑦修行者は遠離に依り、欲情のないことに依り、滅に依り、最終的に煩悩を捨て去ることもたらす中庸という悟りの因となる部分を修得する。
◯8つからなる高貴な道(八正道)
修行者は、
①正しい見解を修得し、
②正しい意思を修得し、
③正しいことばを修得し、
④正しい行いを修得し、
⑤正しい生活を修得し、
⑥正しい努力を修得し、
⑦正しい注意力を修得し、
⑧正しい精神統一を修得
する。
などなど。さぁ、第1シリーズ最終巻へ進みます。