『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(名越康文)
表紙とタイトル通り、ゆるい本です。精神科医である著者が人間関係で悩んでいたときに友人がアドバイスした言葉がタイトルの「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ」。本書は嫌な気持ちを引きずらないための考え方のコツが64の観点に分けて整理されています。特にSNSの時代特有の悩みについてページがまとめて割かれています。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯SNSのモヤモヤ
・リアクションしなきゃいけないことが多すぎる?
⇨SNSにお返し文化はなくてもいい
・もしかしてこれって私のこと?
⇨それって街を歩いていてゴミ置き場が目に止まったからってゴミを家に持ち帰るようなもの。持ち主不明のゴミは無理に持って帰らない。
・人の幸せや成功に嫉妬してしまう
⇨SNSで目に見える幸せは、映画のハイライトだけ見ているようなもの。
・人の自慢話にイライラしてしまう
⇨イライラしているものを見ているのは自分。
・「いいね」がたくさん欲しい
⇨本当の「いいね」は目に見えない。
・SNSに書かれていることが全部自分のことに感じる
⇨宛先のないものは自分宛にしなくていい。
・情報に乗り遅れたくない
⇨「今すぐ」知らなくても、大体のことは問題ない。
◯人間関係のモヤモヤ
・嫌な人や苦手な人がいる
⇨いい人悪い人は「今の自分にとって」都合の良い人悪い人。
・理不尽な目にあって忘れられない
⇨「今ごろパフェとか食ってる」とつぶやいてみる。
・どうも合わない人がいる
⇨自分と合わない人は、幸せ担当が違うだけ。
・ワガママな人に振り回される
⇨相手は変えられないけれど一緒にいたい相手を選ぶことはできる。
・無理な頼みごとをされて断れない
⇨みんな逃げてる時は理由があるから最後の一人になっちゃダメ
・人を偏見で決めつけてしまう
⇨顔も名前も塗りつぶして、全く知らない人として考えてみる。
・人からダメ出しばかりされる
⇨「あなたの為」と言われたら「私の為」になる言葉だけ聞けば良い
・人の悪口ばかり言ってしまう
⇨上に投げたボールのように悪い言葉は全部自分に戻ってくる
◯職場のモヤモヤ
・人と比べて仕事ができない自分に落ち込む
⇨目標は、目に見える高さからで良い。
・会社の人間関係がしんどい
⇨会社を出ればどんなに偉い人だって、ただの人。
・仕事がストレスでも耐えて頑張ってしまう
⇨このストレスをいつまで抱えるか「期限」を決める
◯自分のモヤモヤ
・人から褒められても、素直に受け取れない
⇨謙遜のしすぎは、「お前は見る目がない」と言っているのと同じ
・自分の居場所や世界がわからない
⇨誰だって、この世界というパズルの1ピース。どんなちっぽけな自分でも、この世界を埋めるために必要な1ピース。
・小さなことで悩んでしまう
⇨自然の中にいくと、自分の中の不自然なものが逃げていく。
・やりたいことがあるけど、やる時間がない
⇨先延ばしにする限り、「いつか」は、ずっと「いつか」
ちょっとした悩みは、認知レベルで発想を変えて対処する。自分じゃ深刻だと思うことも案外他から見たらそうでなかったり。誰かに同じ悩みを相談されたら本音でどう思う?自分との向き合い方を深刻ではなく考えるのに適したゆるい一冊でした。