君は何のために「働く」のか(渋沢栄一、編・解説:竹内均)
『君は何のために「働く」のか』(渋沢栄一、編・解説:竹内均)(◯)
本書は、『渋沢栄一全集』のエッセンスをまとめた一冊。タイトル通り、働き方に関する渋沢栄一氏の考え方がまとめられており、随所に深い示唆があり、これ一冊で相当な学びになります。自分の「働く」ということに対する考え方と照らし合わせながら、じっくり読むと善いと思います。
◯注目したところ
冒頭で登場するこの言葉。
「怠惰はどこまでいっても怠惰。人は良い習慣を作らなければならない」という、勤勉努力の習慣について。
◯活読(実践どう活かすか)
「働く」とは、「傍(はた)を楽にすること」とも言われますが、近道はなく(あっても長い目で見れば大した近道ではなく)、勤勉な姿勢でコツコツと積み重ねていく。ここが基本にだと思います。
「積み重ねる」という点がとても大切なところで、何をどのように積み重ねるのか。いわゆる自己啓発として知識や考え方を学ぶことも大切。日々のコミュニケーションの取り方(言葉の選び方、聞く姿勢、表情など)も大切。
時々振り返って、「もっとこうすれば、さらに良くなる」という点を見つけて、次の行動や発言に活かすことも大切。
「何を、どのように積み重ねるか」。ここに意識を向けるだけで、積み重ねた時間や体験の分だけ揺るぎない実力となって定着していく実感があります。20代や30代の頃は意識していなかった習慣の力。歳を重ねるほどその大切さを実感します。
今が何歳であっても、「気づいた時が始めるタイミング」。何を、どのように積み重ねるのか、あらためて、自分の「思考・行動・言動」に意識を向けてみたいと思う一節でした。