MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

「法句経」一日一話(A・スマナサーラ)

『「法句経」一日一話』(A・スマナサーラ)(◯)

 最古の仏教教典のひとつ『ダンマパダ』(法句経)。『ダンマパダ』とは、「真理のことば」。2,500年経っても色褪せない、生き方に関する教えが詰め込まれています。人間の本質的な部分、思考、行動、言動を整え、心穏やかに過ごすために参考になるヒントが満載です。

 『ダンマパダ』に関する書籍を5冊購入しましたが、この本が一番入りやすかったです。

f:id:mbabooks:20210716080311j:plain

三毒

・貪(どん):貪欲→執着

・瞋(しん):いかり

・痴(ち):真理を知らない、無知

→この中で「瞋(しん):いかり」については、現代では、「アンガーマネジメント」として、ひとつの領域が築かれています。

 日常生活において「イラッ」とすることは、小さなこと〜大きなことまでいろいろあると思いますが、私が思う対象方法は大きく2つ。

①捉え方

 まず、ネガティブな出来事そのものは、コントロールが難しいので、「起こったことは仕方ない」。むしろ大切なのは、「その出来事をどのように捉えるか」。例えば、「誰にでもあるよね〜」(私だけじゃない)と一般化する。「将来使える事例」(将来同じ体験をした身として誰かに親身に寄り添える)と事例化する。「時間が解決する」といつか期限がある有限なものと捉える(注射は嫌だけど永遠に続くわけじゃない・・みたいな)。

 ここは、捉え方の発想のバリエーションをいかに広げられるかが勝負です。共通するのは、その出来事から「少し距離を置く」ということです。

 

②反応(対処)

 捉え方を工夫しても、やっぱり腹立たしい!!というときは、「どのように行動するか」が次のテーマとなります。よくないのは、反射的・無意識に行動すること。基本パターンを決めておくのがいいと思います。例えば、深呼吸する、一旦席を外す、一晩寝かしてから相手に返すといった方法です。

 

 いずれにしても、「いかり」は物事を悪循環へ導く出来事なので、悪循環を断ち切り、通常モードに戻すという作業が必要になります。ちょっとした意識と実践(訓練)の繰り返しで、ネガティブな出来事への対応力がアップし、やがて「耐性が上がった」「キャパが広がった」「楽になった」といった言葉でその効果が実感できるようになると思います。