MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

ごえんの法則(小林正観)

『ごえんの法則』(小林正観

 著者は、作家であり、心理学博士、教育学博士、社会学博士、コンセプター(基本概念提案者)、歌手、デザイナーなど幅広く活躍され、2011年に逝去されました。多数の著書を出され、日常生活を生きやすくするための知恵や法則について述べられている内容は、とてもわかりやすく、共感できます。本書は、縁・円・援・宴・園という「5つのえん」について書かれており、自分の日常にも取り入れたいなぁという発想が多く、在り方を磨くために参考になる一冊です。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯縁

・「投げかけたものは必ず帰ってくる」という法則

 過去に投げかけたものの集積で現在がわかり、現在投げかけているものの集積で未来が読み取れる。目の前にいる人を観察すると、過去が見え、未来が見えてくる。

・その道を究めるプロフェッショナルには、目配り、気配り、心配りが必要。相手を観察する「目配り」、相手の気持ちを読む「気配り」、相手を喜ばせる「心配り」。この3つを兼ね備えているのが、その道の達人。

 

◯円

・どうも、トイレなど水回りをきれいにしている人は、お金に困らないみたいだ。

・新しい財布を買った時、初めに入れた金額がその財布の限度金額になるという現象。

・お金自身が嫌がる使われ方は、①ギャンブルに使われる、②生活を派手にする、③貯め込まれる。昔から、「水とお金は流さないと腐る」という。

・「か・が・み」の法則。何かの流れの「か」、我の「が」、身の「み」。運命の流れが「河」その川の流れを変えるのが「我」。我を貫くことによって左右されるのが「身」という相関関係。人間はもともと神様の意思によって運命の流れ「河」が決められていて、それに沿った生き方「身」が決まっている。その「河」と「身」という神様の意思を、自分の意思「我」が分断してしまうというのが「か・が・み」の法則。換言すると、「我」がなくなると、神様の示唆が見えてくることになる。

 

◯援

・鉱物、植物、動物、空の雲、そして人間。この五つに対して、その存在を喜び、なおかつその存在物に対して感謝をしていると、すべて「味方になる」というのが宇宙の法則。

 

◯宴

・人生は苦しいことを乗り越えるための修行なのではない。苦しいことや悲しいこと自体は存在しないのだ。一切は「空」である。

・「四諦

①苦諦:人生は苦に満ちたものである。

②集諦:その苦の本質が執着(集)である。

③滅諦:苦そのものを取り除くことはできないが、その執着を「滅」すれば良い。

④道諦:苦を取り除く方法を一つひとつ実践的にこなす。

 

◯園

・投げかけたものは、回り回って縁を描いて一周して返ってくる。それがだいたい三年周期。

・認識力が上がってくるに従って、次の3つの段階を踏む。

①「この世が修行の場である」という認識

②同じ現象を目の前にした時、「実はこの世は喜びの場ではないのか」と捉えることができる。

③「この世は修行の場ではなく、喜びや幸せの場でもない。実は感謝の場である」と気づく。