本書は2012年発行。著者は、エステー(株)特命宣伝部長・クリエイティブディレクター(発行当時)。エステーと言えば、「消臭力」「ムシューダ」などユニークなCMが思い出されますが、このユニークなヒットCMを生み出した方が書かれた人々を惹きつけるアイデア。そんなプロフェッショナルがどんな発想を持って取り組んでいらっしゃるのか興味が湧く1冊です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯愛されるアイデアとは
・頭の中で考え出すものではない。「愛される」ためには、その前提としてお客様とのコミュニケーションがあるから。
・お客さまと「心」で会話をし「目線」を合わせ、お客様の心に届くアプローチの仕方を考えださなければならない。これこそが、「愛されるアイデア」をつくり出す根本。
◯「愛されるアイデア」をつくる「11の法則」
①「戦略」なきところに、アイデアなし
②「常識」を見つけたら、チャンスと思え
③必ず現場に行って、五感で真実を感じる
④「お客様と同じ目線は持てない」と肝に銘じる
⑤「お客様が常に正しい」と考える
⑥頭でっかちにならず、心でお客様と会話する
⑦「ぶれない軸」をつくって、アイデアに魂をこめる
⑧「コンセプト」「インパクト」という言葉は使用禁止
⑨「成功」を捨てたとき、アイデアは生まれる
⑩ブランドは企業のものではなく、みんなのものだ
⑪「だけど、やる」からアイデアに出合える
11項目どれも興味深いのですが、特に、③④⑤⑥あたりは、現在読み進めている、「一倉
定社長学シリーズ」と通じるところがあります。とにかく答えは現場にある。現場に行ってみる。そして事実を確かめる。確かめたこと(お客様が常に正しい)をもとに次の行動を考える。そして、苦しくても進むしかない(だけど、やる)。経営もアイデアづくりもテーマの大きさの違いこそあれ、本質的なところは通じるものがあると思います。