MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

医者が教える食事術(牧田善二)

『医者が教える食事術』(牧田善二)(◯)

 友人に紹介してもらった本書は、毎日の食事を考える上で、とても参考になったお勧め本です。生化学、最新医療データ、統計データなど医学的エビデンスに基づき、約20万人の方を見てきた医学博士による一冊であり、どれも説得力があります。数多ある健康情報に惑わされずに、正しい食事法を知る上で、価値ある内容でした。

 

(印象に残ったところ・・本書より)

◯知らずに体の不調を作っているもの

・缶コーヒーは悪魔の飲み物。口にするのは絶対に避けた方がいい。カフェで売られているいれたてのコーヒーとは全くの別物。「砂糖が溶けた液体」に過ぎず、健康に悪いことはあってもいいことは一つもない。

・大量の糖質を含んでいるものは、コーヒー飲料に限らない。注意が必要なのはいかにも健康に良さそうな商品。ウイダーinゼリー(角砂糖11個分)、CCレモン(角砂糖12個分)、デカビタC(角砂糖7個分)。

 

◯血糖値が健康管理の最大のカギ

・血糖値を上げるのは、ひとえに糖質。

・糖質は炭水化物と言い換えることができる。

・液体の糖質は、口にしてすぐに血糖値が上がり始め、30分後にはピークに達していまう。缶コーヒーを1本飲めば、糖尿病のない健康な人でも30分後には、血糖値が140くらいまで急上昇する。

・血糖値がぐんと上がるとハイな気分になる(至福点)。またハイになりたいとばかり、血糖値を上げる糖質が欲しくなる。これを繰り返す。清涼飲料水などのメーカーは、人の至福点について計算し尽くし、商品を設計している。

 

◯36年間、日本全国で調査された「長寿の秘訣」

①健康・長寿の決め手は食生活である

②酒飲みは短命ではない

③重労働をしている人の方が長寿

④ごはんの食べ過ぎは短命

⑤魚ばかりで野菜が少ない村は短命

⑥大豆製品を多く食べている村は長寿

⑦大量の野菜を食べている村は長寿

⑧果物を多くとる村は短命

⑨海藻を多く取っている村は短命

⑩肉の食べ過ぎは短命

⑪塩分を摂りすぎている村は短命

⑫ゆっくり楽しんで食べることが大事

 

◯糖質が太る唯一の原因

・あなたを太らせる原因は、唯一「糖質(≒炭水化物)」。たっぷりの油で調理した肉や魚で太ることはないのに、ご飯を食べたら太る。

・肥満は血糖値が上がることで起きるのであり、血糖値を上げる糖質を控えれば痩せていく。これが肥満の真実。

・脂肪は食べ過ぎると便に出てしまい、案外、体内に残らない。一方、糖質は100%吸収される。

 

コレステロール値は食事では変わらない

コレステロールの大半は肝臓で作られており、食事によるものは1割程度。つまり、食事によってコレステロール値をコントロールしようという努力はほとんど報われない。多様なアプローチ必要。

 

プロテインアミノ酸は肝臓を壊す

・人工的に大量のタンパク質を摂取することはその働きを腎臓に強要し疲弊させ、重大な被害を生みかねない。たんぱく質の大量摂取は骨に悪い影響を与えるという論文もある。

 

◯ちょこちょこ食べる方が太らない

・同じ量ならまとめて食べるよりも、ちょこちょこ食べた方が太らない。1日3食が理想のように言われますが、本当は、5食や6食に分けた方が、さらにいい。

 

発癌性を疑われているものは食べない

・ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉には発がん性があることがWHO(世界保健機関)の発表で明らかになっている。

 

◯運動は食後すぐに行うのがいい

・食後すぐに運動をすると、血糖値の上昇を抑えることができる。

・空腹時に運動をすれば、その後さらに腹ペコ状態でどか食いすることになり、血糖値が急上昇する。血糖値が上昇すれば、それだけ太る。「空腹時に運動」という考えは古い。

 

◯体にいい食べ物

①オリーブオイル

②ナッツ

③ワイン

④チョコレート(カカオ含有量70%以上のもの)

⑤大豆

⑥チーズ

⑦ブルーベリー

⑧コーヒー(ブラック)

⑨酢

⑩生もの

 

◯ダイエット(痩せるには運動ではなく食事)

・ダイエットにカロリー制限は無用。糖質制限が必要。

・毎日の食事から、ご飯、パン、麺類、イモ類を減らす。その分、野菜、お肉、魚、豆腐などをお腹いっぱい食べる。

・缶コーヒーやジュース、清涼飲料水は厳禁。喉が乾いたら水かお茶。

・ケーキやスナック菓子、煎餅なども糖質の塊。

・夕食の糖質をできるだけカットする。

・どうしても糖質を食べたいときは、食後すぐに運動する。

 

◯糖質の悪性度を正しく知る

①缶コーヒー、清涼飲料水、ジュース

②砂糖の入ったお菓子

③果物

④白米、白いパン、うどん

⑤玄米や全粒粉ぱん、イモ類

・中でも液体は最悪。人間の本来の消化・吸収システムを全く無視しているから。

 

◯果物をジュースにしてはいけない

・果物はそのまま食べるのがベストで、わざわざ搾ってジュースにするのはナンセンス。例えば高級ホテルで出されるような高価なオレンジジュースは、6〜8個くらいのオレンジが使われている。ジュースにしたばかりに、不必要な糖分を摂りすぎる結果となる。

 

◯菓子パンは命を削る食べ物

・菓子パンは糖質の塊。菓子パンはどれも軒並み血糖値を上げる。特にメロンパンは強烈。

・菓子パンは命を削る食べ物。健康を考えるなら封印しましょう。

 

◯小腹が空いたらナッツを食べる

・血糖値を上げず、ビタミン、ミネラル、タンパク質など理想の栄養分を補給できる。

 

◯寝る前4時間前までに夕食を終える

・私たちに備わったシステムでは、食べたものが完全に消化、吸収を終えるまでに4時間くらいかかる。

 

「カロリーよりも糖質」。食事は毎日積み重ねるものだけに、日頃から気にしておけば、将来的に大きく影響してくるんだろうなと思います。自分を振り返っても、いろいろと食生活は問題があったなぁとは思いますが、大切なのはこれから。気づいたら変えて行きましょう、ということで、食生活を見直してみたいと思いました。野菜から食べるとか、ご飯はすくなめとかは取り組んでいるので、次は、間食はナッツにしよう。

医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
 

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