『神・時間術』(樺沢紫苑)(◯)
著者は、ベストセラー本多数の精神科医・作家。本書は脳の特性も踏まえ、時間当たりパフォーマンスを上げるための工夫が満載の良書です。
著者自身が、年3冊の本を出版し、メルマガ・youtube・Facebook・ブログを毎日更新、月6回の病院診療、月20冊以上の読書&書評、月2〜3回のセミナー・講演、週4〜5回のジム通い、週2本の映画鑑賞、月15回以上の会食、年100種類以上のウイスキーのテイスティング、年30日以上の海外旅行・・・と(すごすぎる!!)、まさに実践に裏打ちされたノウハウ集です。
(印象に残ったところ・・本書より)
◯第1原則:「集中力」を中心に時間を考える
・起きてから2〜3時間は脳が疲れていない「脳のゴールデンタイム」。論理的な作業、文章執筆、語学学習など、高い集中力を要する仕事に向いている。休憩直後、終業間際の時間、締め切りの前日などもいい。
・非集中仕事(メールチェックなど)は、集中力の低い時間帯に行う。
◯第2原則:集中力を「リセット」して時間を生み出す
・100%の集中力を120%に高めるのは難しいが、疲労によって低下している70%の集中力を90%に高めることは簡単。
・睡眠、有酸素運動。
◯第3原則:アメリカ式の仕事効率を手に入れる
・仕事術的な創意工夫、仕事の無駄の排除なども同時に行う必要がある。
◯第4原則:「自己投資」のために時間を使う
・自己投資でスキルアップ→仕事効率アップ→同じ時間でこなせる仕事量がアップ→自由時間が生まれる→自己投資でスキルアップの循環。
◯15・45・90の法則
①かなり深い集中が維持できる濃い集中時間は「15分」程度。
②集中力は「45分」程度しか続かない。
③「90分」は大人が何とか集中できる限界の時間。
◯雑念排除法
①物による雑念
・机の上、パソコンの中はキレイに(整理整頓)
②思考による雑念
・雑念のほとんどは、「予定」「スケジュール」「やるべきこと」「ToDo」。紙に書いて見える化しておく。
③人による雑念
・人に声をかけられない工夫。
④通信による雑念
・着信アラートは消す。90分おきに休憩して、着信が入っていればその時に返信すればいい。
◯制限仕事術
・人は追い込まれると、脳内でノルアドレナリンが分泌される。ノルアドレナリンは集中力を高め、学習能力を高め、脳を研ぎ澄ます。結果として、脳は最高のパフォーマンスを発揮する。
・制限時間を決めたらストップウォッチを使って、時間を見える化するとさらに効率がアップする。
・初頭努力と終末努力。時間を決めて作業を行う場合、作業の最初と終了間際の2回集中が高まる。45分の仕事を15分×3回に区切って制限時間を設けると、15分のそれぞれで、初頭努力と終末努力の集中力アップ効果が計6回得られる。
・重要なポイントは、締め切りは伸ばさずに絶対厳守すること。
◯朝
・睡眠中に頭が整理されるから、朝起きて2〜3時間は、ゴールデンタイム。1日で最も集中力が高い時間帯は、朝6〜7時台。
・始業後の30分が大事。9時からベストパフォーマンスで仕事を開始できるよう準備運動しておく。
・朝をスッキリさせるための工夫は、朝シャワー、カーテンを開けて寝る(朝日)、目をカット見開く、リズム運動、よく噛んで朝食をとる。
・絶対にやってはいけないのは、テレビをつける。テレビは情報の嵐。テレビを見るという行為は、まっさらな机の上にたくさんの資料をぶちまけるようなもの。
◯昼
・外食ランチで、日光を浴びる+歩く
・いつもと違った店に行くことで、場所ニューロンが活性化する。
・新しい店で新しいメニューにチャレンジすることで、ひらめき力が上がるアセチルコリン効果が得られる。
・昼寝は30分を超えると逆効果。最適仮眠時間は20〜30分。NASAの研究では、26分の仮眠によって仕事効率が34%アップ、注意力が54%アップした。
・午後のリセット術は、階段を使う運動リセット、場所替えリセット、会議や打ち合わせ、機械的に45分仕事をして5分休む(限界まで頑張って5分休憩するのではない)。
・ダメな休憩はスマホを見る(休憩になっていない)。脳を休める最も効果的な休憩は、「目をつぶる」こと。
・「仕事が終わらなければ残業すればいいや」ではなく、あらかじめ退社時間を決めておく。夜に絶対動かせない用事を入れてしまえば、その時間までに仕事を終わらせて、退社しないといけなくなるので、仕事は効率化する(ケツカッチン仕事術)。
同じ24時間でも、体や脳の自然な状態に合わせて行動していくと、効率が断然上がるのは感覚としてわかると思います。で、具体的には?っていうところが踏み込んでまとめてあるのが本書のいいところです。
時間の使い方は、人生を通して考えると、大きな開きになるので、しっかりと自分流を作っていきたいですね。