MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2016-01-01から1年間の記事一覧

バリュエ―ションの教科書(森生明)

『バリュエ―ションの教科書』(森生明)(〇) 森生先生の最新刊。ファイナンスⅠあたりで復習とファイナンスⅡに向けた準備として読むとちょうどよいレベル感の良書だと感じました。約240ページで考え方がシンプルに説明されており、とても読みやすい印象です…

本当の仕事(榎本英剛)

『本当の仕事』(榎本英剛) 「そもそも仕事とは何なのか」。この基本的かつ根本的な問いに対して、一旦立ち止まって、自分と仕事との関係について見直すきっかけにすることを目的に書かれています。「どんな仕事をするか」や「その仕事をどうやってやるか」…

幸せになる勇気(岸見一郎、古賀史健)

『幸せになる勇気』(岸見一郎、古賀史健)<2回目> 『嫌われる勇気』と合わせて通読。本書もヒットしましたね。先に『嫌われる勇気』を読んでから本書に入ったほうがすんなりと読めると思います。アドラー心理学の考え方を青年と哲人の対話により、イメー…

嫌われる勇気(岸見一郎、古賀史健)

『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健)(〇)<3回目> アドラー流コーチングを学び始めたせいか、3回目にしてようやく言いたいことが分かってきた気がします。大ヒットした本書ですが、1回目、2回目は腹落ちすることなく、どちらかというと青年の気持…

なんとかしたい「ベテラン社員」がイキイキ動き出すマネジメント(片岡裕司)

『なんとかしたい「ベテラン社員」がイキイキ動き出すマネジメント』(片岡裕司) 2016年から10年間で大企業では約340万人の50代非管理職が生まれるそうです。多くの企業で課題認識がある、ベテラン社員のマネジメント。本書は、50歳目前~60歳以降も働き続…

日本の年金(駒村康平)

『日本の年金』(駒村康平) 日本の年金制度。財政的にもたないのでは、つぎはぎの制度でとにかく理解できない、果たして自分は何歳からいくらもらえるのか、今の制度を信じていいの?こと、年金に関しては、否定的な意見しか出てこない方も多いのではないで…

LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)

『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット)(〇) これは、衝撃的な内容。「2007年生まれの人の半分は107歳まで生きる」「平均寿命は10年に2年以上のペースで延びている」「今20歳の人は100歳以上、40歳以上の人は…

服は、あなた。(政近準子)

『服は、あなた。』(政近準子) パーソナルスタイリストとして、これまで2万人ものスタイリングを通して、迷っている人、悩んでいる人に、服から人生を切り拓く手助けをされてきた著者。「服には、どう生きていきたいのか、その人自身があらわれている」と…

ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)

『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』(ジャック・ウェルチ&スージー・ウェルチ)(〇) 日本の経営の神様が松下幸之助さんなら、世界の経営の神様は、1981~2001年までGEのCEOを務めたこの方。2005年の『ウイニング』からはニュートロン・ジャック…

世に棲む日日(司馬遼太郎)(一)~(四)

『世に棲む日日』(司馬遼太郎)(一)~(四)<2回目> 吉田松陰、高杉晋作を描いた全4巻。久しぶりに本棚で目にとまり、吉田松陰を中心に振り返ってみようと、再読してみました。幕末、揺れに揺れた長州藩において、情熱と思想の象徴的な人物たち。司馬…

貧乏物語 現代語訳(著:河上肇、訳・解説:佐藤優)

『貧乏物語』(著:河上肇、訳・解説:佐藤優) 1916年に大阪朝日新聞に連載され、1947年に出版された『貧乏物語』(河上肇)の現代語訳版です。『貧乏物語』は、構造的な貧困がなぜ生じ、それを克服するにはどうすればよいか、という問題を正面から受け止め…

住友銀行秘史(國重惇史)

『住友銀行秘史』(國重惇史)(〇) これはおもしろい!住友銀行元取締役(当時は業務渉外部部付部長)による戦後最大の不正会計事件である「イトマン事件」の暴露本です。「よくここまで書けたな」と驚くくらい、詳細に既述されており、暴露本として秀逸で…

平成28年度版よくわかる年金制度のあらまし(監修:花輪賢一)

『平成28年度版よくわかる年金制度のあらまし』(監修:花輪賢一)(〇) 複雑で分かりにくい年金制度ですが、本書は約100ページに図表と簡潔な解説文で、年金制度がうまくまとめられています。人口構成とそれによる財政事情により、改正が繰り返されていま…

112日間のママ(清水健)

『112日間のママ』(清水健)(〇) とても感動した一冊。著者は、関西の人気テレビキャスター。29歳の若さで乳がんで亡くなった奥さんとの出会いから闘病生活が綴られています。 出会いから結婚まで(第1章)、妊娠直後にがんが発覚(第2章)、闘病。竹島…

日本の金融リスク管理を変えた10大事件(藤井健司)

『日本の金融リスク管理を変えた10大事件』(藤井健司) 本書は、過去の事件から生じた損失や失敗の経験と、それに対する教訓を糧として発展してきた、金融リスク管理の歴史をまとめた一冊です。序章+10大事件の計11テーマが比較的コンパクトに書かれていま…

サピエンス全史(下)(ユヴァル・ノア・ハラリ)

『サピエンス全史(下)』(ユヴァル・ノア・ハラリ) 認知革命、農業革命に次ぐ、科学革命が下巻の主テーマ。近代に至って、なぜ文明は爆発的な進歩を遂げ、ヨーロッパは世界の覇権の握ったのか。帝国に資本された科学技術の発展に伴って、「未来は現在より…

生きるために大切なこと(A・アドラー)

『生きるために大切なこと』(A・アドラー) 最近流行りのアドラー心理学の祖、アルフレッド・アドラーは1870年オーストリア生まれの精神科医。本書は、原典でアドラーを読むために翻訳されたものです。少し理解が難しいところもあるので、入門書ではありま…

サピエンス全史(上)(ユヴァル・ノア・ハラリ)

『サピエンス全史(上)』(ユヴァル・ノア・ハラリ) 「文明の構造と人類の幸福」というサブタイトルが付された、上下巻に渡る人類史の大作。裏表紙に記載された本書の紹介文を引用してみます。 「アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、食…

民進党(笑)(赤尾由美)

『民進党(笑)』(赤尾由美) 著者は叔父に元衆議院議員、大日本愛国党初代総裁赤尾敏氏を持つ企業経営者。本書は、サブタイトルに「さようなら、日本を守る気がない反日政党」とあるように、民進党を愛ある叱咤激励で皮肉りながら、野党第一党のあり方を考…

ローマ人の物語Ⅷ(塩野七生)

ローマ人の物語Ⅷ(塩野七生)(〇)<2回目> 第8巻「危機と克服」。紀元68~97年までの29年間に皇帝に就いた7人、ガルバ、オトー、ヴィテリウス、ヴェシパスアヌス、ティトゥス、ドミティアヌス、ネルヴァの苦悩と悲嘆に埋め尽くされた時代が描かれてい…

ローマ人の物語Ⅶ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅶ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第7巻「悪名高き皇帝たち」。初代皇帝アウグストゥスの後を継ぐ4人の皇帝の物語。カエサルが企画し、アウグストゥスが構築し、ティベリウスが盤石にしたローマ帝国は、その後、カリグラ、クラウディウス…

ザ・会社改造(三枝匡)

『ザ・会社改造』(三枝匡)(〇) 前ミスミ社長の著者は、『V字回復の経営』『戦略プロフェッショナル』『戦略プロフェッショナル』の企業再生3部作が有名ですが、本書は、2002年にミスミにCEOとして招聘されてからの、ミスミの会社改造を描いた一冊です…

ローマ人の物語Ⅵ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅵ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第6巻「パクス・ロマーナ」は、カエサル暗殺後の覇権争いを制したオクタヴィアヌス(アウグストゥス)が主人公。共和政から帝政への移行を保守派である元老院派の賛同を得ながら巧妙に成し遂げていく一冊…

人工知能が金融を支配する日(櫻井豊)

『人工知能が金融を支配する日』(櫻井豊) リーマンショック級の暴落を一瞬で起こしたフラッシュ・クラッシュ、IBMやGoogleから次々と人工知能の技術者を引き抜くヘッジファンド。今後10年間で30~80%の削減が予想される先進国の銀行支店。金融の…

日本サッカーの未来地図(宮本恒靖)

『日本サッカーの未来地図』(宮本恒靖) 元サッカー日本代表の著者が現役引退後に「FIFAマスター」という、FIFAやIOCをはじめとするスポーツ機関を支えていく人材の育成を目的として2000年から開設されたスポーツ学の大学院に入学し、イギリス・イタリア・…

ローマ人の物語Ⅴ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅴ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第5巻、ユリウス・カエサル(ルビコン以後)。元老院最終勧告(非常事態宣言)を受けたカエサルが、軍隊を解散せずにルビコン川を渡り、国家反逆罪を犯した紀元前49年(51歳)から、紀元前44年(55歳)の…

ローマ人の物語Ⅳ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅳ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第4巻「カエサル ルビコン以前」。ローマ人の物語を全15巻を通して、1番の英雄といってよいユリウス・カエサルの前編です。本書は生い立ち~「賽は投げられた」で有名なルビコン川を渡った紀元前49年1月…

Jリーグ再建計画(大東和美・村井満)

『Jリーグ再建計画』(大東和美・村井満) 本書は、衰弱の危機にあるJリーグがどこに向かおうとしているのか、海外で勝てないJクラブ、苦しいクラブ経営、日本代表選手の海外移籍によるリーグ空洞化などの問題から、J3創設、ポストシーズン制の導入など…

ローマ人の物語Ⅲ(塩野七生)

『ローマ人の物語Ⅲ』(塩野七生)(〇)<2回目> 第3巻「勝者の混迷」。2周目に入り面白さが増しています。1周目では、第2巻のハンニバルと第4巻のカエサルに挟まれた、箸休め的な第3巻という印象でしたが、この3巻のポエニ戦争終結後の統治上の混…

ミライの授業(瀧本哲史)

『ミライの授業』(瀧本哲史) 本書は、京大准教授の著者が全国の中学生向けに行っている、未来を考える授業を書籍化したものです。講義タイトルは「未来をつくる5つの法則」。次の法則の「?」に入るキーワードが、講義に対する興味を掻き立てます。 ・法…