MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

瞑想メソッド100(龍村修)

『瞑想メソッド100』(龍村修)(◯)

 イラストが豊富でわかりやすい瞑想本です。瞑想にも随分バリエーションがあるもんだと思います。長い歴史の中で様々な形が生まれてきた瞑想。本書ではその数ある瞑想の中から、準備〜実践まで100のパートに分けてわかりやすく解説されています。瞑想はあらゆる宗教・精神文化の基盤にもなっており、精神性の成長には不可欠な瞑想について、まずは広く捉えるのに適した一冊です。

 

(印象に残ったところ)

◯準備

①縦方向のこわばりを伸ばす

1)息を吐きながら胸の前で合掌し、頭の上をぐーっと引っ張られるように身体を伸ばす。ゆっくりと伸ばしながら、身体の緊張やこわばりの状態を感じ取るようにする。

2)下半身は逆に下へ下へと引っ張られていくイメージを持つ。

3)息を吐き切り、身体も伸びきったら、合掌したまま手をゆっくりと息を吸いながら胸の前に戻す。

②左右のこわばりを伸ばす

1)深く長く息を吐きながら、胸の前で合掌し、頭の上をぐーっと引っ張られるように身体を伸ばし、まず右側に身体を倒す。このとき左半身のこわばりが伸び、緩いんでいくのをしっかりと感じる。

2)息を吸いながら両手を頭上に戻す。

3)反対側も同様に伸ばしていく。

 

◯片鼻呼吸瞑想(自律神経のバランスを整える)

①片方の手の人差し指と中指を眉間に置き、親指と薬指で鼻の穴を閉じる。この状態から片方ずつ鼻の穴を開いていき、出入りする呼吸量を観察する。

②親指を話し息を吸う。

③親指で鼻を閉じ、薬指を話して息を吐く。

④吐ききったら、薬指を話したまま息を吸う。

⑤薬指で鼻を閉じ、親指を話して息を吐く。

⑥はじめに戻って親指を話したまま息を吸う。

⑦親指を離して吐く吸う。一旦止めて、薬指を話して吐く吸う、を繰り返し、ゆっくりと空気の出入りを観察する。この方法を速く、力強く行うと、気道の浄化ができる。

 

◯シャバアーサナ瞑想(心が動じないようになる練習)

①仰向けになる
②手のひらを上に向け、腕は身体から少し離す
③脚は肩幅より広めに開き、だらーんと力を抜いていく
④そっと目を閉じる。眉間・こめかみ・歯の噛みしめも緩めていく。
⑤身体を大地に預けるような気持ちになり、全身の力を抜いていく。頭の先からつま先まで、力んでいるところが無いかチェックし、力みがあったら力を抜く。
⑥呼吸をコントロールすることをやめ、リラックスした自然な呼吸を繰り返す。目安はヨガ全体の時間の10%ほど。心地よければ長めに設定してもOK。
⑦考え事をストップして、頭の中も空っぽにしていく。

 

◯数息観瞑想

・心の中で「ひとーつ、ふたーつ」と呼吸を数え、10まで数えたら、また1から数える。心が呼吸を数えることから離れた場合も、また1から数え直し、呼吸を数えることに意識を戻す。

 

◯随息観瞑想

①刺激と身体の変化、刺激と心の関係に注意しながら、入息と出息の際に通過する鼻の入り口や鼻の奥に意識を置き、入ってくる息の温度や匂いなどの刺激、出ていく息の温度や匂いなどの刺激を観察する。

②呼吸に伴って膨らんだり、へこんでいくお腹の様子を注意深く観察する。

③呼吸から意識が離れて、過去や未来のことなど、心配事や不安が浮かんでしまったら、呼吸に意識を戻し、呼吸に集中するようにする。

④徐々に呼吸と心の関係に気づけるようになる。

 

◯ボディスキャン

①仰向けに寝る。目を閉じ、意識のサーチライトが身体を照らしているようなイメージで自然な呼吸を繰り返し行い、お腹の膨らみやへこみに意識を向けて心を落ち着かせる。
②左右のつま先、足の裏、足の甲、足首まで。次に、足首から膝の間、膝から股関節の付け根まで。つまり、足の先から根元に向かって意識を向けていく。
③手の指先、手のひら、手の甲、手首から先全体。手首から肘の間、肘から肩・脇の下と左右の腕の先の方から根元に向かって意識を向けていく。
④腰回り、お尻、股関節。へその下側、右側、左側、裏側。へその上側、みぞおち、その右側、左側、裏側。肋骨を下から順番に上へ、その裏側の肩甲骨へ。胴の内部、腸や臓器、肺、心臓にも意識を向ける。
⑤首、喉、前側、後ろ側に意識を向ける。
⑥顔の下から、下顎、下、上顎、左右の頰、左右の目。鼻、こめかみ、耳、ひたい、側頭部、その内側の眼球や脳、そして頭頂部へ意識を向ける。

・マインドフルネスは、不安や怒りなどの負の感情を和らげる、リラックスできる、睡眠などに効果がある。繰り返しおこなっていると、深い気づきにたどり着くこともできる応用力の高い瞑想法。

 

 多数の瞑想が紹介されているのですが、身体の準備を整えた上で呼吸や全身に意識を向ける方法は取り組みやすく、また感覚が敏感になっていくようにも思えます。瞑想は1年、2年と長く続けていって、振り返った時に効果が実感できると思います。短期間ではわからないことも、心地よい状態を感じながらとりあえず続けてみること。そうすれば、振り返ったとき「気づき力が高まっている」「心や身体の状態が良くなっている」ことに気づくのではないかと思います。

あなたの心と身体をゆるめる 瞑想メソッド100

あなたの心と身体をゆるめる 瞑想メソッド100

 

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