MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

空海コレクション1(監修:宮坂宥勝)

『空海コレクション1』(監修:宮坂宥勝)(◯) 本書は、空海の著書をまとめた4冊シリーズの1冊。『秘蔵宝鑰』『弁顕密二教論』の2冊が収録されています。『秘蔵宝鑰』は顕教と密教では次元が異なるとして両者の非連続性が明らかにされ、『弁顕密二教論…

危機と人類(上)(ジャレド・ダイヤモンド)

『危機と人類(上)』(ジャレド・ダイヤモンド)(◯) 本書は、個人や国家が直面した危機とその危機を乗り越えた経験を現代が直面する課題解決に活用できないかという視点から危機について考える内容です。上巻は、個人が1章、国家が4章(フィンランド、…

よくわかる真言宗(瓜生中)

『よくわかる真言宗』(瓜生中) 本書は、空海が開いた真言宗の基礎知識、教義と行法、本尊と諸尊、空海の生涯、ゆかりのある主な寺院、真言宗のお経がコンパクトにまとめられた一冊です。宗教は幅広いので、エッセンスをまずは掴みたいという方に適したシリ…

空海「三教指帰」(加藤純隆・加藤精一)

『空海「三教指帰」』(加藤純隆・加藤精一) 空海かぞえ24歳の時の著書です。空海の思索は、『三教指帰』に始まり、57歳で著した『秘蔵宝鑰』で帰着したと言われ、本書はスタートの一冊になります。物語形式で、普通の煩悩に溢れた人に対し、儒家、道家が教…

空海入門(加藤精一)

『空海入門』(加藤精一)(◯) 空海の生涯、著書の全体像をつかむのにとても読みやすい内容でした。空海自身の書いたもの及びその時代の信ずるに足りる資料だけを用い、いわゆる大師信仰とは異なる人間空海へのアプローチが試みられています。角川ソフィア…

究極の旅(OSHO)

『究極の旅』(OSHO) 「OSHO禅の十牛図を語る」という副題のついた本書。人間意識の歴史の中でも「真実」は今まで様々な方法で表現されてきたが、描写から逃げてしまい、表現した瞬間たちまち欲求不満を感じてしまう。「禅の十牛図」はその表現不可能なもの…

人はいかにして大成するか(伊與田覺)

『人はいかにして大成するか』(伊與田覺) 本書は100歳を超えてなお現役で『論語』をはじめとした中国古典を講義し続けていらっしゃる著者が「神道」と「中庸」についての講義された内容をまとめた一冊です。講義形式なので読みやすくまとめられています。 …

Intuition 直観(OSHO)

『Intuition 直観』(OSHO) 直観への飛躍はそこにギャップがあるため感じ取ることはできるが、それを説明することはできない。なぜなら、説明するには因果関係が必要だから。直観は知性ではなくどこか別のところから来ている。本書は20世紀のインドの思想家…

Think Cleary(ロルフ・ドベリ)

『Think Cleary』(ロルフ・ドベリ)(◯) 本書は、52の切り口から、よりよい人生を送るための思考法をまとめた一冊。この思考法は、複雑な現代の世界を理解するための「思考の道具箱」でもあります。自己啓発書の中でも内容や読みやすさで見ても良書だと思…

漫画 バビロン大富豪の教え(ジョージ・S・クレイソン)

『漫画 バビロン大富豪の教え』(ジョージ・S・クレイソン) 本書は、1926年に米国で出版された『The Richest Man In Babylon』(バビロンいちの大金持ち)を翻訳、脚本、漫画家されたものです。古代バビロニアを舞台に、お金を貯め、守り、増やす原理原則が…

生の神秘(OSHO)

『生の神秘』(OSHO) 本書は、20世紀のインドの思想家OSHOのタントラ瞑想シリーズの1冊。瞑想法とその考え方、質疑の講義録です。OSHOシリーズは内容が深くて考えることが多いため、読むスピードは落ちますが、それだけ本質的な内容と言えます。 【本書の…

Creativity 創造性(OSHO)

『Creativity 創造性』(OSHO)(◯) 集団心理の一部であったら創造的にはなり得ない。正しい方法とは他人が発見した方法であり、それに従うのは効率を求める製作者。創造的な人は常に間違った方法を試し続ける。本書は、20世紀のインドの思想家OSHOによる創…

「韓非子」を見よ!(守屋洋)

『「韓非子」』を見よ!(守屋洋)(◯) 韓非子の入門編として、とても入りやすい一冊です。韓非子は、中国戦国時代の思想家。西のマキャベリ、東の韓非子と言われるくらいの人物で、著者名と同じ著書「韓非子」は、人間不信の哲学書です。人間不信というよ…

第三の眼(OSHO)

『第三の眼』(OSHO) 本書は20世紀のインドの思想家OSHOによる瞑想法シリーズのひとつです。 【本書の学び】 ①愛は行為や努力ではなく、心の状態 ②思考とは時間。考えなければ時間は存在しない。だからこそ、瞑想の中で無時間性が感じられる。 ③意識は中心…

Courage 勇気(OSHO)

『Courage 勇気』(OSHO) 不確実ではなく驚異。不安ではなく自由。不安定に、危険になった時、それに対応する唯一の方法は、気づくこと。20世紀のインドの思想家OSHOによる瞑想をベースにした不安への対処法や考え方についてまとめられた一冊。勇気は、未知…

見るマインドフルネス(デヴィッド・シラー)

『見るマインドフルネス』(デヴィッド・シラー)(◯) 「人生を変える26のエクササイズ」というサブタイトルが付された本書は、26種類の気づきをベースにした瞑想本です。写真が多く、文字が少ないというとっても読みやすい内容で、エクササイズを試したく…

時間革命(堀江貴文)

『時間革命』(堀江貴文) 「時は金なり」という言葉は時間とお金を「同等に価値があるもの」とみなしているが、これは馬鹿げた話で、人間にとって何より尊いのは時間というところからスタートする本書。時間の質を高めれば人生の質も高くなる(=ハッピーに…

ブッダが説いたこと(ワールポラ・ラーフラ著、今枝由郎訳)

『ブッダが説いたこと』(ワールポラ・ラーフラ著、今枝由郎訳)(◯)<2回目> 「人間は誰でも、決意と努力次第で仏陀になる可能性を秘めている」。最古の仏典に収められた仏陀の言葉のみに依拠して、仏教の基本的な教えを体系的に説いた一冊。仏陀が考え…

空海に学ぶ仏教入門(吉村均)

『空海に学ぶ仏教入門』(吉村均) 苦しみから離れられないのは、執着や欲求を追いかけ続けるあり方そのものが原因。その心を変えるための考え方の全体像を真言密教の祖である空海が記したのが「十住心」。本書は、新書サイズでありながら、膨大で深い世界観…

知識ゼロからの空海入門(福田亮成)

『知識ゼロからの空海入門』(福田亮成) 8月末に高野山の瞑想合宿に参加したため興味関心が湧いている空海(774〜835年)。多数の書籍が発売されていますが、まずは概要を把握しやすそうなものを店頭で選書しました。本書は、150ページくらいで図表も多く…

 「幸せ」について考えよう(NHK100分de名著ブックス)(島田雅彦他)

『「幸せ」について考えよう(NHK100分de名著ブックス)』(島田雅彦他) 本書は、以下の4冊の要点をまとめた一冊。幸せと一言で言ってもいろいろなアプローチがあります。人それぞれの幸福感を自分に合った著書で探せるところに4冊をまとめた意味があり、…

JOY(喜び)(OSHO)

『JOY(喜び)』(OSHO) 20世紀のインドの思想家OSHOによる「喜び」についての講話録。自分の人生を自分の手にするには、自分で決めること。自発性を見つけない限り、本領を見つけない限り、幸せにはなれない。他の誰もあなたのために決めることはできない…

獄中からの手紙(NHK100分de名著ブックス)(中島岳志)

『獄中からの手紙(NHK100分de名著ブックス)』(中島岳志) 先に岩波文庫を読んでいたので、復習として読んでみました。やはり、100分de名著シリーズはまとめ方が秀逸で理解しやすいなと思います。ちょっと難しそうな名著を読むならまずはこのシリーズから…

内なる宇宙の発見(OSHO)

『内なる宇宙の発見』(OSHO) 20世紀のインドの思想家OSHOによる講話集。タントラ秘宝の書10冊シリーズの第1巻です。「宇宙」って聞くだけで怪しそう!って私も思うくらいなので、もう少し噛み砕くと、無意識的でも意識的でもない世界。ただ在ること。存在…

生の書物(J.クリシュナムルティ)

『生の書物』(J.クリシュナムルティ) わずか70ページほどの小冊子なのですが、深く理解するには読み手が試される内容です。著者は1895年南インド生まれの宗教的哲人。4回の講演録がまとめられており、「生の書物」はその講演タイトルの1つ。他に「生と関…

新瞑想法入門(OSHO)

『新瞑想法入門』(OSHO)(◯) 本書は、瞑想に対するOSHO(和尚)の深い働きかけの中から編纂された瞑想全集のような一冊です。代表的な瞑想法については、そのやり方も詳しく書かれていますが、基本的には、様々な瞑想法がもたらす効果や考え方についての…

ツァラトゥストラ(NHK100分de名著ブックス)

『ツァラトゥストラ(NHK100分de名著ブックス)』(西研) 人が悩みや苦しみを抱えたときにどう生きるか。 ニーチェの『ツァラトゥストラ』は、「私たちがどうやっていきていけば良いのか」という問いについて、まっすぐに記された哲学書です。どちらに向か…

瞑想の道(OSHO)

『瞑想の道』(OSHO)(◯) 今年のBEST5入り濃厚な一冊。瞑想経験者向けの瞑想の心構えについて書かれた一冊です。私の師匠である平本あきおさんの「瞑想の師匠」OSHO(バグワン・シュリ・ラジニーシ)は、20世紀のインドの思想家であり覚者。講話録650冊以…

ニコマコス倫理学(上)(アリストテレス)

『ニコマコス倫理学(上)』(アリストテレス)(◯) 本書は、古代ギリシアの哲学者であり、万物の祖と言われるアリストテレス(紀元前384〜322年)が善・幸福・徳を中心に様々な人間の感情・行動について論じた一冊。ちょっと難しい印象でしたが、言わんと…

「カッコいい」とは何か(平野啓一郎)

「カッコいい」とは何か(平野啓一郎) 凡そ、「カッコいい」という価値観と無関係に生きている人間は一人もいない。かっこいいは積極的に追い求められるだけでなく、自分が普通以下と見なされることの恐怖にも煽られている。カッコいいという概念はそもそも…