MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

2019-01-01から1年間の記事一覧

独学の技法(山口周)

『独学の技法』(山口周)(◯) 本書は知的戦闘力を向上させるための「独学の技術」をまとめた一冊。独学を単なるテクニックや効率化ではなく、システム化してその枠組みの中で質を高めていく取り組みが紹介されています。システムは、①戦略、②インプット、③…

史上最強の哲学入門(飲茶)

『史上最強の哲学入門』(飲茶)(◯) 本書は、西洋哲学の大きな歴史の流れを31人の哲学者・宗教家の主張とともに振り返る内容です。別冊の東洋哲学編とともに読むと、哲学の全体像が見えてきます。小難しくなく、親しみやすい文調で書かれていますので、哲…

仕事選びのアートとサイエンス(山口周)

『仕事選びのアートとサイエンス』(山口周)(◯) VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧)な社会環境の中、仕事選びは、予定調和させることはできない。自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない。本書では、「幸福にな…

老子×孫子(NHK100分de名著ブックス)(蜂屋邦夫、湯浅邦弘)

『老子×孫子(NHK100分de名著ブックス)』(蜂屋邦夫、湯浅邦弘) 「水」のように生きると題された本書。「柔」と「剛」のバランスを解く両者の教えがコンパクトにまとまっています。「最上の善なる在り方は水のようなもの」(老子)、「常なる形がない水の…

荘子(NHK100分de名著ブックス)(玄侑宗久)

『荘子(NHK100分de名著ブックス)』(玄侑宗久) 本書は、今から約2300年前、中国の戦国時代中期に成立した思想書『荘子』のエッセンスをまとめた一冊。 一切をあるがままに受け入れるところに真の自由が成立すると説く『荘子』は、禅の成立に大きな役割を…

ビジネスに効く最強の「読書」(出口治明)

『ビジネスに効く最強の「読書」』(出口治明)<2回目> ライフネット生命の会長兼CEOでありながら、歴史に精通されており今や教授にもなられている著者。歴史に関する著書も多数ですが、本書は、歴史・古典を中心にビジネスに役立つ教養の書籍108冊が紹介…

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち(飲茶)

『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(飲茶)(◯) 440ページ強とボリュームがありますが、おもしろくて意外とさらっと読めてしまいました。インド・中国・日本の哲学の歴史の幹となる部分をエピソードとともにフランクな文調で書かれていますので、小難…

時間術大全(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー)

『時間術大全』(ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラツキー)(◯) これはおもしろい良書でした。googleとYouTube出身の著者が実践を重ねた結果をまとめた時間を主体的にコントロールする方法。お二方の経歴がゆえに、デフォルト(初期設定)としてのSNSを否定…

インプット大全(樺沢紫苑)

『インプット大全』(樺沢紫苑)(◯) インプットとは、INしてPUTすること(定着してなんぼ)。 昨年の『アウトプット大全』と対をなすインプットの質を高めるノウハウ集です。「日本一アウトプットする精神科医」のインプット術。メルマガ毎日発行14年、Fac…

捨て本(堀江貴文)

『捨て本』(堀江貴文) 本書は、著者が人生を振り返りながら「捨てる」ことについてまとめた一冊。捨てる対象は、所有欲、プライド、執着、人間関係、愛着、他人への期待、過度な自己評価、家、結婚、子ども、後悔、アイデンティティ、抵抗、信用、金儲け、…

転職の思考法(北野唯我)

『転職の思考法』(北野唯我) 2人に1人が転職する時代。100年人生を迎えてこれからますますその比率は高まっていくのではないでしょうか。自分なりの転職の持論を持ち、自分で仕事を選びまたは作り出していくこれからの時代に向けて、押さえておきたいポ…

天才を殺す凡人(北野唯我)

『天才を殺す凡人』(北野唯我)(◯) これはいい本でした!組織で働く人を大きく3つのタイプに分けて、この3者がどういう関係性であるかを俯瞰的に捉えた一冊です。3者の中間タイプにも触れつつ、どういう人間関係を取っていくと組織はうまく回るのかと…

小説 天気の子(新海誠)

『小説 天気の子』(新海誠) 『君の名は。』に続き、映画の前に小説から。 先に小説を読む良さは、 ①ストーリーが頭に入り、映画では映像や演出に集中できること ②文字だけで微妙な心境や状況を演出する表現力を味わえること そして、感情読み 感情表現に着…

伝わるプレゼンの法則100(吉藤智広、渋谷雄大)

『伝わるプレゼンの法則100』(吉藤智広、渋谷雄大)(◯) ①ストーリーを作る、②デザインする、③話すの3本立て。1項目につき見開き2ページでまとまっていて、文章量少なめ・ビジュアル多めでお手軽に読める一冊です。ポイントが掴みやすいので、すぐに実…

スティーブ・ジョブズII(ウォルター・アイザックソン)

『スティーブ・ジョブズII』(ウォルター・アイザックソン)(◯) 上下巻800ページ以上に渡り詳細にジョブズの一生が語られています。キレることが多く言葉も悪く、「一緒に働いたらさぞかし大変だろうなぁ」と何度も思って読み進めました。最後の最後にジョ…

グラビアアイドルの仕事論(倉持由香)

『グラビアアイドルの仕事論』(倉持由香) 副題に「打算と反骨のSNSプロデュース術」とあるように、本書は、グラビアアイドルがSNSを利用してどう自分を売り込んでいくかというセルフマーケティングやTwitterノウハウをまとめた一冊です。短命であり、生き…

100倍クリックされる超Webライティング実践テク60(東香名子)

『100倍クリックされる超Webライティング実践テク60』(東香名子)(◯) 記事が読んでもらえないのは、タイトルにクリックしたくなるような魅力がないから。タイトルさえ良ければ、何万人にも読んでもらえる。本書は、ウェブメディアコンサルタントであり、…

多動力(堀江貴文)

『多動力』(堀江貴文) 多動力とは、いくつもの異なることを同時にこなす力のこと。日本人は「石の上にも三年」に代表されるように「一つのことにコツコツとやる」という価値観から脱し得ていない。10年前は転職すらもネガティブに捉えられていたくらい。産…

マッキンゼー プライシング(編著:山梨広一・菅原章)

『マッキンゼー プライシング』(編著:山梨広一・菅原章) 2005年発行の本書は、10章立てになっていて、そのうち2〜9章がマッキンゼーのチームによる論文集となっています。したがって、自分が気になるテーマから拾い読みが可能であり、効率的に読めます…

右脳思考(内田和成)

『右脳思考』(内田和成) ロジックだけなく、感情や勘といった右脳を働かせることで仕事をより効率的に進め、成果をあげる。ロジカルシンキングを否定するわけではなく、左脳と右脳をうまく連動させて両刀使いすることを目指す本書。①左脳と右脳には使う順…

疑う力(堀江貴文)

『疑う力』(堀江貴文) 本書は、常識とされていること、多くの人が言っていること、メディアが言っていることに対し「それってホント?」と疑問を投げかけ、本当はこうではないかという主張が33のテーマについてなされています。表現ぶりに惑わされずに内容…

バズる文章術(三宅香帆)

『バズる文章術』(三宅香帆) ①文章の終わりまで読もうかなと思ってもらう、②この人いいなと思ってもらう、③広めたいなと思ってもらう。そんなバズる文章の書き方を文芸オタクの著者が伝える一冊。「文章で的確に伝える」という技術的な考えよりも、「文章…

ハッタリの流儀(堀江貴文)

『ハッタリの流儀』(堀江貴文) 表紙とタイトルで引いてはいけません。ハッタリというマイナスイメージの言葉ですが、本書では、「挑戦ビジネス」のように、大きく言ってそれを実現するため、本気で勝負をし続ける。その「過程」こそが注目や共感を呼ぶコン…

スティーブ・ジョブズI(ウォルター・アイザックソン)

『スティーブ・ジョブズI』(ウォルター・アイザックソン)(◯) ようやく読みました。読み応えあります。2004年に著者がスティーブ・ジョブズから「伝記を書いて欲しい」という依頼を受けたことに始まる本書。生い立ちから最期まで。2冊で約900ページにも…

インテグラル理論(ケン・ウィルバー)

『インテグラル理論』(ケン・ウィルバー) これはとても難しい内容でしたが、とりあえず最後まで読みました。それでも著者の入門書的位置付けのようです。監訳の加藤洋平氏の紹介文からキーワードを拾うと、 「現代社会が抱える多様性・複雑性をより高い次…

ニュータイプの時代(山口周)

『ニュータイプの時代』(山口周)(◯) 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』でおなじみの著者の最新刊です。21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い「オールドタイプ」に対して、自由で、直感的で…

人生の武器としての伝える技術(ジェイ・ハインリックス)

『人生の武器としての伝える技術』(ジェイ・ハインリックス)(◯) レトリック(修辞法)は単なる美辞麗句ではなく、「言葉を使って影響を与えたり説得したりする」だけでなく、怒りの感情をかき立てずに会話や議論をすることを教えてくれる。本書は、コミ…

志を育てる(グロービス経営大学院・田久保善彦)

『志を育てる』(グロービス経営大学院・田久保善彦) 本書は、グロービス経営大学院生必須の課題図書です。志とは何か、志はどのようなプロセスで醸成されるのか、どうすれば志を醸成することができるのか。30名以上の学生に対する調査を取りまとめた帰納法…

吾人の任務(堀義人)<2回目>

『吾人の任務』(堀義人)<2回目> 本書は、グロービス経営大学院の代表である著者が、ハーバード大学留学〜起業〜MBAを創るに至った体験や思いが語られています。「吾人の任務」とは、著者の祖父が25歳の時に書いたエッセイの表題であり、祖父の追悼集の…

あり金は全部使え(堀江貴文)

『あり金は全部使え』(堀江貴文)(◯) 「アリとキリギリス」は、長く洗脳されている「貯金信仰」の象徴的な話。「アリとキリギリス」の世界は遠い過去。食べ物がなくなる冬などもう存在しない。1円残らず使い切りボロボロの貧乏人になるのではなく、あり…