MBA男子の勝手に読書ログ

グロービス経営大学院を卒業したMBA生の書評と雑感。経営に関する基本書、実務書のほか、金融、経済、歴史、人間力、マネジメント力、コミュニケーション力、コーチング、カウンセリング、自己啓発本、ビジネススキル、哲学・思想など、幅広い教養を身につけ、人間性を磨く観点で選書しています。

宗教・思想

龍樹『根本中頌』を読む(桂紹隆、五島清隆)

『龍樹『根本中頌』を読む』(桂紹隆、五島清隆) 龍樹(ナーガールジュナ)の主要著書である『根本中頌』を中心に「空の思想」についてまとめられた一冊。空の思想は、原始仏典(ブッダの教え)、大乗仏教(その後普及用にアレンジされた仏教経典。般若経典…

龍樹(中村元)

『龍樹』(中村元) 目下取り組んでいるレポートの主要書籍である本書。「空」の思想を説いた龍樹(ナーガールジュナ)の生涯や思想についてまとめられています。空の思想を瞑想や縁起の思想によって説いた仏陀とは異なるアプローチで捉えており、哲学的で正…

わかる仏教史(宮元啓一)

『わかる仏教史』(宮元啓一) タイトル通り、仏教史をまとめたもので、わかりやすさという点でとてもよくまとまっていると感じました。本書は、高野山大学のレポートのために主に大乗仏教のあたりを中心に読みました。 (印象に残ったところ・・本書より) …

空海の思想について(梅原猛)

『空海の思想について』(梅原猛) 高野山大学のレポートの参考書籍として読みました。今回特に参考にしたのは、「即身成仏」に関するところ。死んで成仏するのではなく、生きたまま現世で成仏できることを説いたもので、真言密教の中心的な考え方です。本書…

慈悲(中村元)

『慈悲』(中村元) 高野山大学のレポート作成のために読んだ一冊。友愛の念「慈」、愛憐の情「悲」。生きとし生けるものの苦しみを自らのものとする仏の心、呻きや苦しみを知る者のみが持つあらゆる人々への共感、慈悲。仏教の根本、仏そのものとされる最重…

仏教入門(高崎直道)

『仏教入門』(高崎直道)(◯) 高野山大学のテキストです。1983年出版の本で、少し字が小さく、内容も最初ちょっと読みにくいかなと感じたのですが、ある程度他の書籍を読んで本書に戻ってきたら、「上手くまとまっているなぁ」と本書がテキストになってい…

密教(正木晃)

『密教』(正木晃) 高野山大学のレポート作成の参考書籍として読みました。密教とは何か?密教のキーワード、マンダラの理論、修行と日本密教などの観点からまとめられており、「そもそも密教って何?」という入り口の疑問を解決するために役立つ一冊でした…

沙門空海(渡辺照宏、宮坂宥勝)

『沙門空海』(渡辺照宏、宮坂宥勝) 高野山大学のレポート作成にあたり読んだ本のひとつ。タイトル通り、空海についてまとめられた一冊で、空海の生涯を辿りながら、歴史的意義についてまとめていくスタイル。後代の文献記録を退け、できる限り根本資料に基…

密教とマンダラ(頼富本宏)

『密教とマンダラ』(頼富本宏) 高野山大学のレポートの参考図書として読んだ一冊。マンダラの世界は奥深く、入り込むとかなりの時間がかかりそうなので、今回は書籍は全体に目を通しつつ、ピックアップしたのは、レポートに必要な箇所だけさらっと。 (印…

密教(松長有慶)

『密教』(松長有慶)(◯) 高野山大学のレポートのために読んだ「密教入門」という科目のテキストです。新書サイズのボリュームの中でよくまとまっており、密教について学ぶ最初の1冊としても適しています。今回この科目に関する書籍をかなりの冊数読みま…

空海の座標(高木訷元)

『空海の座標』(高木訷元) 高野山大学のレポート執筆のために読みました。元高野山大学学長であった著者が、空海の「存在深層の構造思想」ともいうべきマンダラ思想が、空海の生涯の歩みの中で、どのように形成され体系化されていったのかの脈絡を、空海自…

密教とマンダラ(頼富本宏)

『密教とマンダラ』(頼富本宏) 高野山大学のレポート提出に向け密教シリーズ。本書は、マンダラの特徴と最終章の密教の世界観についてのまとめの箇所が参考になりピックアップ。今回のレポートのテーマもなかなかの難しさ。 【設問】真言密教の思想特色と…

即身成仏儀(空海)

『即身成仏儀』(空海) 本書は、角川ソフィア文庫のビギナーズ日本の思想シリーズの一冊。空海の著書である『即身成仏儀』『声字実相義』『吽字義』の3冊の要点がまとめられています。正直、どれもパッと理解できる内容ではなく、難しいです。できればYouT…

『悪魔との対話』(中村元)

『悪魔との対話』(中村元) 高野山大学のレポートのために読んでいた一冊。仏教経典「サンユッタ・ニカーヤ」の後編です。ブッダがさとりを開くべく修行しているときに、心によぎる声(自問自答する相手のようなもの)。 悪魔とは、仏典の中に登場するもの…

神々との対話(中村元)

『神々との対話』(中村元) 高野山大学のレポートのために読んでいた一冊。仏教経典「サンユッタ・ニカーヤ」の前編です。神々とは、仏典の中に登場するもので、ブッダがさとりを開くべく修行しているときに、心によぎる声(自問自答する相手のようなもの)…

ブッダの伝記〜その資料と解釈〜(谷川泰教)

『ブッダの伝記〜その資料と解釈〜』(谷川泰教) 高野山大学のテキストです(文部科学省認可通信教育)。まさに、ずしっと重い教科書って感じ。大学時代ってこうだったなぁと思い出しながらテキストを読み、線を引き、レポートを書くという作業に取り組んで…

ブッダ伝(中村元)

『ブッダ伝』(中村元)(◯)<2回目> 実に分かりやすい解説。本書はブッダの生涯を軸に、ブッダの主な思想、出家・降魔成道(悟り)、初転法輪(初の説法)などの主な出来事、経典からの引用でまとめられています。ブッダってどんな人?どんな思想を広め…

原始仏典(中村元)

『原始仏典』(中村元)(◯)<2回目> 高野山大学のレポート提出に向けて再読。本書は、昭和の仏教大家でもある著者がNHKテレビ「インドの思想と文化」、NHKラジオ「こころを読むー仏典」での連続講義を7冊にまとめたうちの最初の2冊、「釈尊の生涯」「…

『論語』がわかれば日本がわかる(守屋淳)

「『論語』がわかれば日本がわかる」(守屋淳)(◯) お友達にご紹介いただきました。「日本人らしさ」がどこから来ているのか。多くの日本人を無意識に縛っている常識や価値観とは何か。そのルーツを知るために参考になる一冊です。中国古典をわかりやすく…

沙門 空海(渡辺照宏、宮坂宥勝)

『沙門 空海』(渡辺照宏、宮坂宥勝) 高野山大学のレポートに向けて、論点となるポイントを読みました。文庫本だけど中身が濃く、さすが大学の参考図書だなと思います。本書は、弘法大師空海の人生を辿りながら歴史的功績がなんだったのかという点を中心に…

高僧伝 空海(松長有慶)

『高僧伝 空海』(松長有慶)(◯) 現在、高野山大学の単科生でもありますが、そろそろレポートを書かないといけないので、課題図書を読んでみました。本書は、高僧伝シリーズ(全10巻)の1冊で、1985年発行当時高野山大学学長であった著者が様々な文献にあ…

寂聴 生きる知恵(瀬戸内寂聴)

『寂聴 生きる知恵』(瀬戸内寂聴) 本書は、最も古時代のお経である法句経『ダンマパダ 』(真理のことば)についての講話をまとめた一冊。法句経は全部で423の詩から構成され、釈尊の語った言葉として、原始仏教の精神、釈尊の初心に触れられる貴重な経典…

寂聴 仏教塾(瀬戸内寂聴)

『寂聴 仏教塾』(瀬戸内寂聴)(◯) 仏教についての講話をまとめた一冊です。一般の聴講者を対象にした講話なので、とても分かりやすいのが特徴です。仏教用語はたくさん出てきますが、都度解説が入るので、イメージは掴みやすいかと思います。「仏教につい…

寂聴 般若心経(瀬戸内寂聴)

『寂聴 般若心経』(瀬戸内寂聴)(◯) とってもわかりやすい寂聴さんの全11回の講話集。毎回、前半戦は余談から入り、半ば以降が般若心経の解説という構成。語り口調というのもわかりやすいし、端的にでありつつ、大事な点は繰り返し出てくるのが、ちょうど…

墨子(浅野裕一)

『墨子』(浅野裕一) 中国春秋時代末、墨子によって創始された墨家の学団は、約200年間、巨大な静慮を維持して、思想界を儒家と二分する存在だった。秦による中国再統一から帝国の滅亡などの中で突如姿を消し、以後約2000年間『墨子』はほとんど読む人もい…

原始仏典 中部教典Ⅲ(第6巻)(監修:中村元)

『原始仏典 中部教典Ⅲ』(第6巻)(監修:中村元)(○) まずは第1シリーズ7冊完読に向けて読み進めております。第6巻も500ページ超えで、なかなか時間がかかりました。このあと、第2シリーズ全6巻、第3シリーズ現在7巻でまだ続きそう。とそこまで読…

孟子(全訳注:宇野精一)

『孟子』(宇野精一)(◯) 漢文、読み下し文、現代語訳で全文を網羅している本書。『孟子』を読むならまずこれが手元にあれば十分ではないかと思いました。孟子と言えば「性善説」、孔子の後継的存在で「仁」「義」「礼」「智」を重んじたことでも有名です…

バウッダ(佛教)(中村元)

『バウッダ』(佛教)(中村元)(◯) 昭和を代表する仏教学者である著者による仏教の起源から現代に至るまでの総覧。「バウッダ」とはサンスクリット語で「ブッダ(釈尊)を信奉する人たち」の意味。「阿含教典」と呼ばれるブッダの教えを直接に伝える唯一…

論語(全訳注:加地伸行)

『論語』(全訳注:加地伸行)(◯) 論語を何冊か読んできましたが、基本書として置いておきたい良書でした。原文、書き下し文、現代語訳・注が見やすいことに加え、巻末に掲載されている語句索引が使い勝手が良く、たとえば「仁」という言葉が登場するペー…

ブッダ (手塚治虫)<全7巻>

『ブッダ』 (手塚治虫)<全7巻>(◯) 久しぶりに手に取った電子書籍。漫画は電子書籍でいいかなと思って、試してみましたが、やはり、電子書籍でOKでした。紙の本は、線を引く、パラパラ読む、ページを行ったり来たりするなど、圧倒的に電子より効率的な…